あるポリシーを持って刀を買うたびに、金無垢鎺を新調する人の話
刀身には必ず鎺(はばき)が付いている。
鎺は鞘に納めた際に刀身が中で浮くようにする役割があるという。
銅に金を着せたものや、銅を今は良く見るように思うが、古名刀などには江戸時代頃に作られた思われる金無垢の鎺(二重鎺で上貝に家紋が透かしで彫られている)などが付いている事もある。
当時は金無垢といっても14~18金などが多かったようである。
24金は柔らかすぎるからかもしれない。
勿論現代においても金無垢で鎺を作る事は可能だが、最近は金価格が高騰しているので純金で鎺を作ろうものならそれだけで50万円くらい掛かってくるのではないだろうか。
さてそんな高い金無垢鎺ですが、新しく買った刀には必ず金無垢鎺を新調するというポリシーを持った方もいたようです。(もともと金無垢鎺が付いていた場合はどうしていたかは知りません)
見た目が良いから?
いいえ、そうではなく、その刀を今後手に入れた人がもし錆させてしまっても、その鎺を売る事で一回分くらいの研ぎ代にはなる(=刀を研いであげてほしい)という理由で新調していたのだそうです。
刀の事を考えるというのは次の所有者の事を考える事でもある、という事を体現しているような事案で、このような人もいるのだなぁと深く感心した次第。
他にも刀を手放す際にその刀にまつわる調査履歴を添付するなども次の所有者の事を考える(=次の所有者がその刀に愛着を持つ理由になり得る)という事に繋がる気もしますがどうでしょうか。
その刀が次の所有者の元で大切にされる方法を具体的に考えて実行している人は果たしてどの程度いるのだろう。
それこそが本当の意味で刀を大切にしている人なのかもしれない。
私もこの機会に見習わなくては。。
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)