見出し画像

鐔箱についての豆知識

鐔は桐の箱に入っている事が大体ですが、茎孔がピッタリと合っていない事も多々あります。
これは箱を流用している為です。

参考までに左側が茎孔の合っていない物で、右側が茎孔に合わせてぴったりと作られた専用の物です。

右側の状態であれば箱の中でズレることもなく、鐔も傷みづらいので勿論望ましいのですが、専用で作るという事は時間もお金もかかる事なので、安い鐔は適当に箱だけ合わせられた物も非常に多いです。
あくまで印象ですが20万円を超えて来るとこの辺りまで合わせられた物が多い印象があります。
更に安いものだとそもそも桐箱が付属していない事もあります。

そんな感じで家にある適当に納められた、もしくは箱すらない鐔5点分の鐔箱を職人さんに新しく作って頂く事にしました。

あれから4ヵ月程月日が流れ。。。。
遂に完成したと連絡があったので受け取りに行ってきました。

それがこちら。

桐の外箱。こうした箱を作れる職人さんも今とても少ないそうです。

茎孔もピッタリに仕上げて下さいました。

尚、更に「落とし」になっています。
つまり外径も鐔にピッタリ合うように作って頂けています。
これだと鐔の接地面も茎孔周辺のみしか布と触れていないので、金工物だと特に保存面でも望ましいようです。

そして茎孔部のでっぱり部には釘を使用せず接着されているので、運搬中に外れて釘が鐔を傷つける恐れもありません
以下が釘を使用した物です。

外れて釘が露呈した状態。この飛び出た釘が鐔を傷つけてしまう事がある

という事でお気に入りの鐔をこうして綺麗な箱に納める事が出来て大満足です!
因みに外箱と落とし箱合わせて1個1万円掛からない位でした。


今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はいいねを押して頂けると嬉しいです。
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?