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成木鐔㉒ 小刀2セット

今日は成木さんの面白い物が入ったと連絡を頂き刀屋さんへ。
何だろうと胸を高鳴らせ来店。
見せて頂けたのは三所物が入っていそうなサイズの桐箱。

開けるとなんと成木さんの小刀2セットでした。
しかも珍しく鋤出し彫の鉄柄が付いています。

三界無安(さんがいむあん)は、この世は苦労が多くて少しも心が安まることがないという意味の仏語。
富貴在天(ふうきざいてん)は、ある人が富める者になったり、貴人の位を手に入れたりするのはすべて天命であり個人の力ではどうにも出来ないものなのだという意味の仏語。

「三界無安 猶如火宅」、「死生有命 富貴在天」とそれぞれ並べて使われる事からもしかすると「猶如火宅」、「死生有命」と彫られた成木さんの小刀もどこかにあるかもしれません。

裏を見ると鍛え方が異なります。
一方は柾目がとてもはっきり出ています。
材質はいずれも鉄ですが、成木鐔とは少し鉄の風合いが異なる気がします。

刃は上の小刀には入っていますが、下の方の小刀には無さそうで、もしかすると焼き入れしていないのかもしれません。

という事で確かに面白い作で成木ファンとしては手を出さずにはいられませんでした。
個人的には小刀を作っていたのは晩年ではなく恐らく昭和50年頃と推測していますが、実際はどうだったでしょうか。
小刀に箱書きされたものをまだ見た事が無いのでここは詳しい方に今度聞いてみようと思います。


今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!

よろしければ以下もご覧ください。
成木氏による別の小刀でこちらはしっかりとした刃が入っています。

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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