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黒柿の鐔箱

一番好きな木材は何か?と聞かれれば私は「黒柿」と答えるでしょう。
白と黒の変わったコントラストの模様をしており水墨画のような風合いを醸し出しています。
正確に言えば黒柿という木があるわけではなく、樹の種類としては「柿の木」で、カキノキ科・カキノキ属に分類されます。

普通の柿の木は乳白〜淡黄色に近い色味をしているものの、稀に黒色が樹の中心部に入ることがあり、これを黒柿と呼んでいるのですが黒柿が出る確率は1万に1本とも言われ、非常に貴重です。

作業机は黒柿の一枚板で…。
そんな夢を持っているものの、それゆえ高級で故に手が出ません。
刀掛けにも黒柿を使用した物があり、こちらは良い物があればいつか欲しいと考えています。

前置きはこの辺りにして。
以前ネットで鐔を購入した際に、この鐔がこんな値段で…?!と買えた物がありました。
そして手元に届いてみて更にびっくり。
鐔箱がなんと「黒柿」を使用して作られていたのです。
細部まで丁寧に作り込まれており、これを作った職人さんも相当腕の良い方に思えます。
嵌め合いもピッタリで、蓋を締める時に空気がプスゥと四方に抜けていく感覚がします。

重厚で非常にすべすべしています。
底面(左)と上蓋表面(右)
側面の木目の繋がりも考えて作られているなど、丁寧な造り込みが伺えます


ネットには鐔箱の写真までは上がっておらず鐔の写真のみであったので購入時は気づく事が出来なかったのですが、やはり鐔箱の存在感も大きいです。
載っていたら変に注目を集めていたような気もするので載っていなくて良かったと思います。
桃山時代の特徴が色濃く出ているなかなかの名鐔に個人的には思います。
中身についてはまた明日書こうと思います。
良い鐔にはやはり箱も良い物が設えられているものですね。


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それでは皆様良き御刀ライフを~!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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