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大刀剣市2024紀行③ 戦利品

①と②はこちら


2日目はいけなかったのですがXでは様々なポストが見られ、読みながら大刀剣市の余韻を楽しませて頂きました。

さて今年の大刀剣市は探し物(成木鐔や古い刀装具など)にも出会えた良い1日になったので戦利品を手に振り返りなどしてみたいと思います。

まず成木鐔2点。
1点目はかわいらしいけど伝来が全くかわいくない羊の成木鐔
伝来が怖すぎて買うのを躊躇したのは初めてかもしれないです。
まぁしかし成木氏を理解する上で貴重な資料になり得そうでしたので買ったわけですが…。
見た目も羊で珍しく可愛らしいのに加えて、製作年期で昭和50年と入っています。これは所持品の中でも最初期作でまだ見た事が無かった事も決め手でした。
反対面には色々書かれているので載せられませんがいずれ会員ブログの方に詳細載せる予定です。
何と言うか羊の目が映画「羊たちの沈黙」のポスターと重なるのですよね…。

尚、同伝来品は2枚展示されており、もう1枚(右下)も出来が良く欲しかったのですが値段が高く手が出ませんでした。
中央下の信家写も出来が良かったのですが値段で断念。
昭和期程ではないですが平成27年の晩年作でもこうした良い鉄地の物が残っているのですね。
悩む理由が値段なら買えというのが良く言われる事ですが、予算の中で優先順位を付けるので現実はなかなか難しい。


2点目は胞山銘の金山写の成木鐔。水さし図です。
小ぶりですが出来が良い事に加えて、胞山銘を切っていた時期が明確に分かる資料性、金山写の作は個人的にまだ持っていなかったことなどが決め手になりつい購入。
平成11年に初めて日刀保のコンクールに出してそこから無鑑査になるまで連続11連続特賞をとるという偉業を達成しますが、本作は平成9年の作です。
羊のと2枚セットで買う事で値段もかなり安くしてくださったので有り難いです。
ただ金山写の成木鐔はもっと出来が良いのもきっとあるはず。


そして成木シリーズ最後は、鉄の共小柄の付いた小刀。
お店の方に成木氏の作ありますかと聞いたところ、ここにありますよと見逃していた部分を指さし発見した品。

さっそく家で他の2点と合わせてみました。
成木鐔を購入したお店で成木氏について古くから知っている方に聞くとこうした共小柄は晩年頃に作っていたと聞きました。
その方曰く15点位作っていた気がするというこのシリーズ。
実際は何点あるかは不明ですがつい集めたくなってしまいます。
だんだんドラゴンボール集めている気分になってきます。

真ん中のものが今回の戦利品


次は古い刀装具。
桃山以前の刀装具も好みなのでこのあたりも何か無いか探していました。

1つ目は真鍮地の家紋鐔
時々見るタイプの古金工鐔ですが、最新のR6年7月の鑑定書ではなぜか京金工で付いています。
表面が磨かれており時代の色が少し取れており新しく見えるからでしょうか。また切羽台に丸い寄せ鏨があるからでしょうか。
個人的には寄せ鏨の下は茎孔の外周が全周凹んでいる点や家紋同士が重ならずはっきり刻印されている点など古い所作が見られるのと、肥後の透かしのようなものが後加工された物に感じ、丸い寄せ鏨はそのタイミングで追加されたものではないかと感じやはり古金工の一種のように感じています。
お店の方もなぜ古金工ではなく京金工とついたか不明と仰っていましたが、後日改めてゆっくり考えてみようと思います。

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