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光を写す

モノを写すのではない。
光を写すのだ。


考えてみれば
モノが見えたり
写真が写るのは
光があるから。

もう50年以上も前
新聞配達のアルバイトして
一台の一眼レフカメラを買った。


白黒のフィルムを
自分で現像し
そして暗室にこもり
印画紙に焼き込む。

考えてみれば
フィルムに写し込むのも
引き伸ばし機を使って
印画紙に焼き込むのも
全てが


光のマジックだった。

14歳の私は
光のマジックに
夢中だった。


あれから50年。
写真はフィルムからデジタルに
変わったけれど
私の写真は
暗室で遊んだ
ブラックアンドホワイトの
世界と変わっていない。


色の満ちた世界で
今でも私を夢中にさせるのは
白と黒の世界。

モノを写すのではなく。
光を写すこと。


モノを写すのではなく。
光を写すこと。

14歳から私はずーっと
そのことがわかっていると
思っていた。


50年経って
わかったのは
私はちっとも
わかっていなかったということ。

そして
ようやく
ほんの少し
それがなんのことだか
わかってきた。



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