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ホットスナック

ホットスナックを買いにコンビニまで出かけた。

外は雨がザーザーと降っている。
1歩1歩進む度に雨足が強くなっていく。

靴は防水のものを履いてきたから足は大丈夫。
しかし、ズボンの裾が濡れ足首がどんどんと冷やされていく。
道路を流れる雨水と一緒に坂を下る。

大通りに出て交通量が多くなる。
雨よりも人が、車が気になってくる。
やっと着いたコンビニ。
欲しかったピザまんがなかったので、他のもので手を打つ。
また外へ出る。

傘を差す。
主張の激しい雨音が再生される。
人も車の音さえもかき消してくる雨の音。

雨流れに逆らいながら坂を登る。
気が付けば、ズボンはびっしょりで、川にでも足を突っ込んだかのようだった。 

傘を差した自分しかいない道。
嫌いな雨がすごく心地よく感じてしまった。
濡れた服も、勢いよく流れる雨水も、落ちてるく雨も、全てが心地良く感じてしまった。

フラフラしながら家に着き、扉を閉める。
一瞬にして音が遠のく。一気に豪雨の世界が離れていく。

カバンを開けて、中が水浸しになっているのを見て、僕は我に返り常識ある平凡な活動を始めた。

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