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コムジョの尺八歴史探訪📖

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尺八の歴史をマニアックに探究中✐ 虚無僧の実態を探ります!
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#古典本曲

明暗對山派さらに深掘り☆對山はどうして明暗三十五世になれたのか。

古典本曲といわれる曲のなかでも、明暗對山派の流れはとても多いのではないかと思いますが、對山本人のことはあまり知られていない気がします。 前回は、西園流の開祖、兼友西園と、名古屋の鈴木治助、後の樋口對山について調べました。 對山は、名古屋から京都にやってきて明暗教会のトップになり、さらに三十五世まで継ぐことが出来たのは一体何故か? さらに深堀りしていきたいと思います。 では、 幕末の頃、京都明暗寺はどうなっていたのか 明暗寺住職 その頃、明暗寺には、 渡邉鶴山、

對山派って何ですか?

そんな質問が古典尺八楽愛好会の参加者の方からありました。 明暗流には二派あって、その一つが對山派であり自分たちが吹いている曲はその對山派なのだ。 もう一方は、もともとあった旧明暗寺系で、明暗真法流と呼称されている。 ところで何故そんなことになっちゃったの? 名古屋の樋口對山がいきなり京都に行って、明暗流を継ぐことができたの? 今まであった京都の明暗寺系とは喧嘩にならなかったの? と、そんな細かい疑問も沸いてきた。 まずは、 分りやすくルーツを書いてみました。

【尺八用語】☆「手」とは?

分かっているようで分かっていない「手」について。 先日、「鳳鐸(虚鐸)」の曲の解説を改めて調べており、竹内史光師の解説には、 「三虚霊の部分部分の手を取り合わせ、つなぎの手を入れて、一曲にまとめられたものとも云う。」 とある。 これを日本語話者ではない生徒さんに分かりやすく説明するには…、 「手」ってどうやって翻訳するんだ?・・・。 となった。 自分には「手」の意味は何となく分かるけど、ちゃんと言葉で説明するにはどうしたら良いのでしょう。 実は「手」が無くても

風陽さんの独り言。

江戸末期に生まれ、三代目黒沢琴古の高弟であり琴古四代目の、お侍さんである久松風陽 。 私は尺八を始めて5年ほど経った時に久松風陽の『獨言(ひとりごと)』に出会いました。以来、彼の言葉は私の中ではとても重要な指針となり、お守りとなっております。 まずは、 久松風陽を知るべし! 久松風陽ザッと略歴。 天明五年(1785)生まれ(本当は1791年生まれ) (「本当は1791年生まれ」というのは、尺八研究家の神田可遊氏曰く、昔は代を継ぐのに跡継ぎの子どもが若く、年数が空い

「調子」大研究!

古典本曲では一番最初に覚える『調子(ちょうし)』という曲があります。 虚空や虚鈴の前奏曲とされる、とっても大事な曲です。 が、 意外と詳しくこの曲を語られることが無い…。 しかも曲名が「調子」ということで何となく他の古典の曲よりも重みがかんじられないような…。「このお調子者!」の「調子」ですものね。 別名に、本手調子、竹調べ、明暗調子、京調子、洛陽調子などと呼ばれています。 浦本浙潮師曰く、 「本曲吹きは、先ず竹を手にして最初に吹くのがこのたけしらべであり、またそ