フィクションに出てくるバトルヒロインについて

バトルヒロインのみならず、バトル要素の強いフィクションに出てくるヒロイン全般でもよいのだが。

今はハリウッド映画でも、青少年向け漫画でも、男性並みに戦えるバトルヒロインは珍しくなくなったと思う。むしろそれがスタンダードと言ってもよい。

昔はそうでなかった、まあ、90年代、または00年代の初頭くらいまでは、そうではなかったと思う。

か弱い女性を守ってこそ男、だったのですよな。

しかし、00年代初め頃にハリウッド映画では、女性主人公の『トゥームレイダー』が公開されヒットして、続編も作られた。

これはヒットしたゲームの映画化である。

その後、何作も、極めて強いバトルヒロインを主人公にした映画が制作され、スタンダードになっていった。

日本では男性向けに、美少女が複数出てきて戦うアニメなどが制作されていたと思う。

そのうち、特に美少女キャラを売りにするのではない男性向けバトル物にも、強い男性並みに第一線で戦えるバトルヒロインが登場するようになった、といった流れだったと記憶している。

まあそれはそれとして、80年代アメリカで書かれて、80年代終わりから90年代にかけて日本でも読まれてきた本格ファンタジーの、『ドラゴンランス戦記』にも『アイスウィンド・サーガ』にも、男性並みに戦えるバトルヒロインは、一応出てくる。

あと、アメコミ・ヒーロー(ヒロイン)のワンダーウーマンとか。70年代に日本でもテレビドラマが放映されていた。

まあ、それはまた別の話。

今日(こんにち)では、男性並みに戦えるバトルヒロインはスタンダードになった。その中で、昔のように男性主人公が、ひたすらに女性を助けるフィクションは、いかなる印象を与えるであろうか?

古式豊かなそんな物語を書くのは自由であるし、また需要もそれなりにはあろうが、現代は昔とは違うフィクションが多数出回っている事実を踏まえて、宣伝などを行うほうがいいのだろう。

ところで、男性並みに戦えるバトルヒロインは、もちろん男性の要望もあろうが、女性にも大いに望まれて誕生した経緯があると思う。

私自身、長年望んでいたほうの人間だから分かる。

昔は本当に、男性主人公の男性性を際立たせるための女性の登場人物やキャラが多かった。単なる守られ役や、本当に強い敵にはまるで敵わない程度のバトルヒロインとか、そんなのが多かったのだ。

いやあ、それに比べると、今はいい時代になったな、と思う。

そんな中、古式豊かな、男性主人公の守られ役になるバトルヒロインしか出てこない物語を見るのは、まあ別にそんなのもあって良いとは思うが、あまり強くおすすめされても困るのである。

女性は誰でも守られたがっている?

仕方なく守られるしかない状況はあり得るだろう。

しかし、自分で自分の身を守れるならそれに越したことはないし、出来れば自分も強い男性と同じように誰かを守る側になりたい。

そんな願いが、今日(こんにち)の男性並みに強いバトルヒロインには、込められているのだと信じている。

それでは今回はここまで。

ここまで読んでくださってありがとうございました。また次回の記事もよろしくお願いします。


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