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【クリエイティブ生活】無料小説は無限にコストを切下げられる運命だ

 無料で楽しめるコンテンツが増えています。『小説家になろう』や『カクヨム』などの小説投稿サイトで読める、無料で公開されている小説もその中の一つです。

 無料であるから、そこにコストが掛からない物を求めて人は来ています。それはお金だけではありません。

 読むために要するコスト、例えば読解するのに必要な前提知識や、ある程度小説を読み慣れている経験、などもそうなのです。

 だからあらゆるコストを切り下げた小説こそがその世界では至高となります。別な言葉では『読者ファースト』と言われています。読者を一番に考えた小説、そんな意味です。

 例えば、村上春樹氏や亡き栗本薫の『グイン・サーガ』が好きな読者のために書くのは、無料ウェブ小説の世界では『読者ファースト』すなわち読者のためを考えた小説とは見なされないことが多いです。実際に『小説家になろう』などを中心としたウェブ小説の世界では、そうした小説への需要は少ないです。それは認めなければならない、冷厳たる事実です。

 ただ、ここのnoteでは私が見た範囲では必ずしもそうではないようです。また、カクヨムで求められているのは、読者が集まりやすい読書コストを切り下げた作品ばかりではないようです。そうしたタイプではない小説に、サイト内で公式レビューをつけたり、サイト内での公募でスポットが当たるようにしています。

 そうした違いもあるのですが、基本的には、Twitterなどで小説投稿サイトを利用しているとして交流を始めると、気を付けていないと読書コストを限界まで切り下げることを求められてしまうようになります。

 そして界隈ではそれぞれを『作家仲間』と見なしますから、親しい仲良しの関係をTwitterで結ぶことが暗に求められ、仲間内と違ったことをやりにくくなる空気が醸成されてゆきます。

 それでも振り切って自分の意志を意志力で押し切ると、逆に自分が周りを傷つける側になります。そうです、彼ら彼女らは、自分たちがしていることや言っていることと違うことをされると、それだけで傷つくのです。

 趣味のサークルのようなもので、そうした集まりにこそ心地よさを見出す方も多く、それを私は決して否定しません。ただ、私には合わなかったのです。

 とにかく無料で公開する限り、読書コストを切下げられることや、趣味のサークルのような内々の付き合いの空気からは逃れられないと思いました。私が皆を傷つけないためにも、私は有料化への道を進み、たもとを分かつしかありせんでした

 界隈の風潮や空気と3年半ほどは戦いましたが、私自身が罠にはまったり、迷惑を掛けたこともありました

 それでnoteに来て、有料で小説を提供すると決めたのです。

 昔から同人誌文化はありました。オリジナル作品であっても、編集の手も入らず、あらゆる点で商業化出来ない作品が多々あります。でも、兎にも角にもただで同人誌をばらまいたりはしないのです。最低限、印刷代くらいの値段は付けています。売れなければ赤字です。それは覚悟しなければなりません。でも最初から無料で出したりはしないのです。

 私は若い時から同人誌文化に触れていました。印刷代もイベント代も郵送費も掛からずに小説を出せるようになった今は良い時代だと思います。

 この場を提供してくれたnoteにも、私の記事にスキを押してくださった方々にも感謝いたします。ありがとうございます。

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