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2.最初の診察

1番最初に行った病院は、33年前に私自身が生まれた病院でした。来院したのが会社帰りの夕方だったので混むかなと思っていたのですが、私の他に1人しか患者さんがいなかったので、かなりスムーズに診察してもらえました。
不正出血がありましたが、経膣エコーでの内診を受けました。血が出ているので診てもらうのにちょっと抵抗感がありますが大丈夫です。お医者さんは慣れてますので。
その後、エコー写真を見ながら説明がありました。「出血は少量なので大丈夫だと思います。ただ、ネックレスサインが見えますね」写真を見ると、確かに丸い気泡みたいなものがネックレスのように連なっているのがわかりました。
「血液検査をしてみないと正確な判断はできませんが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性があります。妊娠出産を希望していらっしゃるのでしたら、高度な不妊治療ができる病院をご紹介します」
聞いたことのない病名と不妊治療の必要性を告げられて、私は呆気にとられてしまいました。生まれてこのかた、大病を患ったことのない人間なのでとにかくびっくりしてしまったのです。
「こちらの病院で不妊治療は難しいですか?」と聞くと、治療のステージが進んだ場合、この病院では人工授精まででそれ以上の治療(体外受精)をすることが出来ないこと。ステージが進む可能性も考えて、最初から体外受精可能な病院で治療を受けた方が良いことを告げられました。
家からは遠いけれど会社から比較的近いA病院と、家からは多少近いものの会社からは遠いB病院、県外の不妊治療専門クリニックの3件を紹介してもらえました。
どこにするかとても悩みましたが、頻繁に通わなければならないことを考え、会社に近いA病院に通うことになりました。

数日後、紹介状を持ってA病院へ行きました。初めて行く病院だったのですが、中に入るとなかなかに古い病院でちょっと驚きました。更に、掲示板を見ると数ヶ月前から産科が無くなり、婦人科のみの運営になったとの事が貼り出されていました。つまり、A病院で不妊治療自体はできるけれど出産は他院でしてくださいね、と。正直、病院選択を初手からミスったなーと思いましたが、とりあえず体外受精は行なっているという事だったので、まずはここで頑張ってみようということになりました。

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