ゴミ屋敷の分類と統計/片付けが苦手な人がやってはいけない12箇条
たくさんのゴミ屋敷を片付けていると、共通した特徴があり、分類できることに気がつきます。今回は、その分類や男女別などの統計、「片付けが苦手な人がやってはいけない12箇条」についてまとめてみました。
ゴミ屋敷の分類
片付けトントンでは、ゴミ屋敷を次の5種類に分類しています。
①カサカサ系ゴミ屋敷
カサカサ系は、弁当の空箱やペットボトル、缶などが多く、いずれも食べきってあること、飲みきってあることから湿り気が少なく、男性の一人暮らしの場合が多いです。
お仕事の時間が不規則だったり、体調が悪かったり、何らかの事情でゴミ出しができなくなってしまったことが原因だと思われます。
捨てるか取っておくかを悩むことは少ないので、比較的簡単に片付きます。
②資源系ゴミ屋敷
ゴミだけでなく、雑誌や服などが足の踏み場もないほど大量にあるケースです。
物の管理ができない、いつか使うと思って捨てられない、買い物依存症などが原因だと考えられます。
思い切って処分することができればスムーズに片付けられますが、捨てられないと一気に難易度が上がります。
③倉庫系ゴミ屋敷
新品の服やタオル、通販で買った物、趣味の物が部屋中を埋め尽くしていて、倉庫のようになってしまっているケースです。
物を捨てられない方が、買い物をしすぎた結果のようです。
中には、貸倉庫を借りて保管しようとする方もいますが、極力やめたほうがいいと思います。
どれだけ物を手放すことができるかが成功のポイントです。新品や高価な物が多そうな場合は、買取業者に見てもらいましょう。
④ネトネト系ゴミ屋敷
傷んだ食材、ペットボトルや缶などから漏れだした液体などで、全体的に汚れ、湿っています。
ゴキブリなどの虫が多く、臭いもキツめです。
清掃しても、汚れが取り切れないケースが多く、床や壁に損傷がある場合もあります。
⑤プレス系(ミルフィーユ系)ゴミ屋敷
ゴミ屋敷になってからの年数が長いと、ゴミが踏み固められ、カチカチにプレスされたような状態になってしまいます。
湿り気が多く、ゴミ同士がからみあっているため、掘り起こしや分別に時間がかかります。
近隣から苦情が出ている可能性が高いです。
ゴミ屋敷の統計から見えてくるもの
片付けトントンのゴミ屋敷片付け実績を分析してみました。(サンプル数は少なめですが、ある程度の傾向はつかめると思います。)
①ゴミ屋敷片付けのきっかけは?
ゴミ屋敷を片付けることにしたきっかけを分類してみました。
【今の家で快適に暮らしたい 31%】以外は、何らかの切羽詰まった理由で業者に片付けの依頼をしたということです。
ゴミ屋敷の片付けは、かなり大変な作業。
切羽詰まってからでないと、なかなか手をつけられないのが、データからも読み取れます。
②住んでいないのに家賃を払い続けた方の統計
結婚、転勤、住めなくなった、などの理由で引っ越したものの、片付けられずに放置して無駄に家賃を払い続けた方の割合を調べてみました。
「引っ越したが放置して1年未満」が10件、「引っ越したが放置して1年以上」がなんと7件もありました。
仮に、家賃が月に5万円として1年間放置すると60万円にもなってしまいます。そのお金で片付けられちゃいます。本当に無駄ですよね。
③ゴミ屋敷は女性に多いって本当なの?
「ゴミ屋敷は女性に多い」というウワサを聞いたことがありますが、実際はどうなのでしょうか?
家族で暮らしている場合、男女のどちらがゴミ屋敷の原因になっているのかわからないので、一人暮らしの方に限定してデータを分析しました。
片付けトントンのデータでは、男性の方が圧倒的に多かったです。
サンプル数が少なくて断定できませんが、ひょっとすると女性に失礼なウワサかもしれません。
④部屋に溜まったゴミの重量は、男女で違いがあるの?
実際に処分した可燃・不燃ゴミの重量(1件あたり)は、男女のどちらが多いか調べてみました。
女性の方が200kgも多いという結果になりました。ゴミ袋1つを5kgと考えると、なんと40袋分の差になります。
経験から、男女別の部屋の特徴をまとめてみました。
【男性のお部屋】
弁当の空き容器、割り箸、コンビニの袋、タバコの箱や吸い殻といった軽めのゴミが溜まっていることが多いです。
【女性のお部屋】
汚れた服やバッグ、靴や陶器類など、男性に比べると重い物が多い傾向にあります。
つまり、処分する物の比重の違いで、女性の方がゴミが重いという結果になったと考えられます。
片付けが苦手な人がやってはいけない12箇条
片付けられない日々が続くと、あきらめと同時に、徐々にその風景に慣れていってしまいます。
慣れは危険です。
あなたのお部屋が大変なことになってしまわないよう、12箇条をまとめてみました。
①カーテンやシャッターを、閉めっぱなしにしちゃダメ
部屋が荒れてくると、中を見られたくないという気持ちから、カーテンやシャッターを閉め切ってしまいがちです。
なるべく陽の光を入れ、現状をしっかり認識し、前向きに片付けることが大切です。
窓を開けて換気すれば衛生的にもいいし、きっと気分も変わるはずです。
②ゴミ出しをパスしちゃダメ
「今度まとめて出そう」と思ってゴミを溜めておくと、日常的にゴミが視界に入るようになってきます。
そういう状態が続くと、ゴミがある風景に慣れてしまいますし、衛生的にもよろしくありません。
ゴミはゴミを呼びます。
マメにゴミ出ししましょう。
③たくさんのカタログや試供品を送ってくる通販は、利用しちゃダメ
ゴミ屋敷になってしまった場合、通販のダンボールやカタログ、まだ使っていない商品を大量に見かけます。
たくさん送られてくるカタログや試供品を分別するのは、かなり面倒です。片付けが苦手な方は、なるべく通販を利用しない方がよいと思います。
④新聞や雑誌を、定期購読しちゃダメ
新聞や雑誌を定期購読すると、どんどん溜まっていきますから要注意です。
めんどくさがり屋の方は、新聞は電子版、雑誌や本も可能な限り電子書籍を利用するのがオススメです。
⑤物を買いすぎちゃダメ
物を買いすぎると収納場所が足りなくなり、あちこちに放置してしまうことになります。
いずれは、どこに何があるかわからなくなり、また買ってしまうという悪循環に陥ります。
物もお金も、本当に無駄です。買いすぎは絶対に避けましょう。
⑥ダンボールを、たたまないで放置しちゃダメ
ゴミ屋敷では、たたんでないダンボールをたくさん見かけます。
ダンボールを、たたんで縛るのは、そんなに時間がかかることではありません。
ちょっとした習慣が大切です。
⑦あちこちに服を適当に置いちゃダメ
洗濯済の服、洗わなければいけない服、もう少し着る予定の服を適当に置いてしまうと、収拾がつかなくなります。
探すのが面倒で、つい新品を買ってしまい、その服を着た後、また適当に置いてしまうという、魔のスパイラルが起こりやすくなります。
面倒でも、洗濯済の服、洗わなければいけない服、クリーニングに出す服、もう少し着る予定の服は、分けておきましょう。
⑧床に物を置いちゃダメ
収納に物が入れられなくなると、床など、そこら中に物を置いてしまうようになります。
これは危険信号です。
「床に物を置いちゃダメ」を厳守しましょう。
⑨キッチンに、洗い物をためちゃダメ
食べ物の残りカスを長時間放置するのは、衛生的にも問題があります。
食器洗い乾燥機を利用すると、面倒な洗い物もかなりラクになります。
⑩飲み物や食べ物を、こぼしたままにしちゃダメ
飲み物や食べ物をこぼしたまま放置してしまったケースも、よく見かけます。
汚れが取れなくなるし、匂いもするし、ゴキブリも発生するし、いいことはありません。
こぼしてしまったら、マメに掃除しましょう。
⑪水漏れを放置しちゃダメ
水漏れを長期間放置すると、大変なことになります。
物やゴミで溢れたお宅では、時々このような光景を見かけます。
決してキレイとは言えないお部屋に住み続ける内に、感覚が麻痺していくのかもしれません。
⑫コンセント周りに、水分やホコリを付着させてはダメ
ホコリや湿気の多いお宅では、トラッキング現象による火災が起こりかねません。
【トラッキング現象とは】
コンセントと家電製品の電源プラグとの隙間にたまったホコリが湿気を帯びると、火花放電が繰り返され、やがて発火する現象のことです。猫の毛や虫の死骸などが原因になることがあります。
火事になってしまっては大変です。
コンセント周りも、マメに掃除しましょう。
お役立ちリンク
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