第1回 扁平足の鳥
幼いころから靴は悩みの種で、甲高で扁平足な私の靴選びは、常に諦念とともにあった。靴屋さんで、何足試しても合わないときのいたたまれなさたるやなかったし、店員さんの気の毒そうな顔はいまだに覚えている。水泳の授業では、プールサイドに連なる友人たちの足跡がどれも細長くて美しく、おまけに土踏まずの部分だけが濡れずにくっきり浮き出ていることに驚き、ぺったりと欠けのない自分の足型を見られないよう、こそこそと爪先立ちで歩いたものだ。皆の靴が並んだなかで、自分のものだけ、形が広がって崩れている