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触感提示のための気軽に買える振動スピーカー

弊社では美術館や科学館におさめる一点物を受託制作していたりします。そのなかでも時折相談されるのが、触感提示です。振動スピーカーを使って振動を指先の皮膚に伝えることで、そこに無いものがあるように感じられたり、実際には動いていないものが動いているように感じられたりする仕組みです。ゲームのコントローラーやMacのトラックパッドがわかりやすい例です。詳しくは以下の本を読むとよいです。

触感提示をおこなうにあたってこれまで色々なスピーカーを試してきましたが、とても扱いやすいスピーカーが今月初旬にスイッチサイエンスから発売されたので紹介したいと思って筆をとりました!

オーディオファンにはおなじみのfostexブランドを持つ、フォスター電機さんが開発した円筒形の振動スピーカーです。

※振動スピーカーと表記していますが、実際には「振動アクチュエータ」として販売されています。音声信号を入力すると振動がおこるのでわかりやすく「スピーカー」と表現しています。

スイッチサイエンスでは駆動回路とセットでモジュールとして販売されており、すぐに開発できるようになっています。アナログ版とデジタル版がありますが、アナログ版は音声信号さえあれば振動させることができるので気軽に色々と試せそうです。デジタル版はArduinoMKRZeroやM5StackAtomなどのマイコンに接続できるので、マイコンから駆動できます。
「広域振動」「低遅延」「静粛性」の3拍子併せ持った万能アクチュエーターと紹介されていますが、私が特に驚いたのは静粛性です。板の裏にこの振動スピーカーを貼り付けて、特定の周波数を出して板の上にものを置くと、音が聞こえないのに、たちまちものが動き出したりします。

こちらのモジュールはビット・トレード・ワンが開発したものなので、もちろんそちらでも購入できます。

こちらのGitHubにサンプルコード等が用意されているのでとても親切です!

ちなみに、モジュールではなく、振動スピーカー単体で購入したい場合は、チップワンストップで購入可能です。

http://www.chip1stop.com/view/dispDetail/DispDetail?partId=FOST-0000027

実は私はもともとメーカーさんから直販で購入していて、この振動スピーカーの良さを知っていたのですが、こうやって色々なサイトで買えるようになって気軽にみんなに勧められるのでとても嬉しいです。

単体で使う場合はこちらのアンプを使うとパワフルに出力できます。

どうしてもUSB電源を使いたい場所があったのでこちらのアンプを試したのですが、それでも十分に触感提示してくれました!トップの写真はこのアンプで駆動して振動スピーカーを板に貼り付けている様子です。

気軽に買えるようになったので複数個使って色々な使い方を試したり、ワークショップで使用したりしたいなあと思っています。

受託開発もお待ちしています!が、このnoteを見てたくさんの方が触感提示にチャレンジしてくれたら嬉しいです〜

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