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罪悪感とサヨウナラ(前編)

※長文です。約2000文字あります。

実家のことを考えていた。
というのも、5月までに引越すその引越し先の候補のひとつに実家があったのだ。

実家というものは、幼い頃の記憶や記録が残る、勝手知ったる場所である。が、また住まうとなると話は別。10年以上、違う生活スタイルを確立してきた者同士がひとつ屋根の下で生活するのだ。もはや嫁入りである。
家を出たあの頃とは違い、家族も歳を重ね、私の知らないルーチンも持っていたりするだろう。しかも私はテレワークだから、1日中を実家で過ごすことになる。知っているはずなのに全く知らない家に住んでいる感覚になるかもしれない、と思った。

真剣に考えてみた

気軽に実家帰るか〜なんて思っていたけれど、これは普通の引越しより慎重に考えた方が良さそうだ。
メリット/デメリットを羅列してみた。

まずはメリット

そしてデメリット
(わざと見づらく書いてるので文章量だけ見て)

圧倒的なメンタルデメリット。

これスラム(某オンラインサロン)に乗っけたら、にわかーずさんに「嫁に行きたくはねーなwww」って言われて全力で「それな」ってなった。

この日、昼食を食べ過ぎたせいもあってあまり調子が良くなかった。早々にふとんに潜りこみ、少し休む。
小一時間寝て、まだ苦しかった。ああこれは実家のことを考えていたからだな、と感じた。
なんでこんなに苦しいの?
問いかけると、寝起きの頭はストレートに言葉を返してきた。

「ごめんなさい、むり、できない」

謝罪の言葉が頭の中を反響した。
ごめんなさいごめんなさい、無理だよ、私にはできないよ、無理、無理無理、ごめん、できない、無理無理…
私は謝っていた。

下記のスクショは長くて乱文なので読み飛ばし可。

「ウケる」は私の希望で押してもらってます

私は人間不信気味だけれど、その原点もここにあった。母が困っている、苦しんでいるのに何もできない自分が腹立たしく、無力感を覚えた。そして「何もできない、ごめんなさい」という罪の意識が自分の存在を否定し、しかし生きている現状に矛盾が生じて、自分がこの世界にいていいのか信じられなかった。

呪いの出どころ

この無力感と罪悪感は母から引き継いだものだろうなぁ、と翌日になって思った。母はがなってる印象が強い。反面、笑いのツボが浅かったり、謎のお笑いセンスを持ち合わせていてドヤ顔で披露してきたりする。
簡単に言えば感情が豊かで繊細なんだが、それらの感情に適切な言葉をあてはめて表現したり、運動や趣味等で発散する術を身につけられなかったから、限界まで抑圧してブチギレたり不機嫌になるというパターンが主になっているように思う。

なぜ限界まで我慢してしまうかといえば、母も無力感と罪悪感を持っているからだと思う。母方祖父は藤田まこと似で、孫の私から見てもイケメンだった。昔からモテて、母方祖母は手を焼いていたらしい。私と同じく長子である母も、祖母の姿を見て「自分は無力だ…」と感じたり、母家は祖父母ともに働きに出ていてどちらかが帰ってくるまでは母と弟たちしかいなかったから、「私がしっかりしなければ」と感じていたのかもしれない。

出力方法が主にブチギレor不機嫌だからそこに目がいってしまうけれど、元を辿れば無力感と罪悪感、責任感に苛まれ、抑圧していたからだとわかる。しかしながら幼い子どもはそこまで理解が及ばないし、養育者には基本的に逆らえない。違う形ではあるが、私は順調にそれを受け継いだ。呪いはこうして次世代へと渡っていく。

受け継いだ呪い

ここまで自分が受けたことを書いてきたけれど、私は加害者でもあった。母に対し暴言を吐きまくってきた。○ねとか、○ねとか、○ねとか。思春期にありがちなのかもしれないけど、それともまた違った何かのような気もしている。

今になって当時の気持ちを詳細に記すならば
「母よ、私はあなたに何もできない、助けられない、申し訳ない、だからせめて距離を取ってくれ、求めないでくれ、関わらないでくれ、私はあなたといると無力感と罪悪感で死にたくなる」
呪いを受け継ぎ、思春期特有のソレも相まって「○ね」という発言につながり、誰よりそれを聞いている自分が自分の中で呪いを強化していた。「○ね」は、役立たずの失敗作に生きる意味は無いという自分に向けた言葉だった。

過激だったし後悔している面もあるが、ここでの反抗は必要であったと思う。このまま反抗せずにいたら、無意識のうちに無力感と罪悪感に押し潰され、ぷっつり糸が切れるように精神が臨終を迎えていたかもしれない。
呪いは強化されたけれど、自分の精神はギリギリ守った。


前編はここまでです。
読んでくださってありがとう。
後半では呪いへの抵抗について語ります。
まちがった解呪にハマり、それに気づくまでに使った総額は…

お楽しみに。

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