耳を育てる術
今月初めに私は英語のリスニングには時間がかかるとお話しました。
本日は元々リスニングが大の苦手だった私が 耳を育てる術 についてご紹介していきます。私が英語講師ということもあり、英語をベースにお話していきますが、方法としては多言語の学習にも通ずると思っています!ついつい熱が入ってしまい長くなってしまったので、気になる項目だけでも確認していただけると嬉しいです。
リスニング学習に効果的な方法
この方法・順番は実際に私がレッスンで教えている通りになります。
ただし、その教材に出てくる単語・文法がある程度理解できているという前提で練習するのがベストです。
①オーバーラッピング
リスニング音源と一緒にそのリスニングのスクリプトを見ながら同時に発話して練習します。その時にスクリプトを見ながらも流れてくる英語をしっかり聴くことが大切になります。でないと聴くことに慣れないからです。自分で読みながら進めていると「え、この単語ってこう発音するんだ!?ここ※リエゾンになってるんだ!」という発見が生まれます。なのでオーバーラッピングする際は音源を気にしながら小さめの声で実践しましょう。
※単語同士が繋がって生まれる音になります。例えば Did you だと " ディドゥ ユー" ではなく "ディッジュー"と聴こえることが多いかと思います。以前リエゾンについても記事を書いているのでぜひご覧ください!
②シャドーイング
音源だけを聴いて、その後に耳から入って言葉を繰り返して練習する方法です。先程のオーバーラッピングからスクリプトを排除したスタイルになりますが、シャドーイングは同時にではなく音源と少しずらして発話しましょう。こんな感じです。
【音源】How can I improve my English?
【自分】 How can I improve my English?
聴こえてくるセンテンスを正確に聞き取れないと自分の口からも出てこないですし、逆に一言一句間違えなかった場合は1度に聴き取れる範囲が広がっている証拠になります。こちらもオーバーラッピングと同様に小さめの声で練習しましょう。私もリスニングが苦手だったのでよく分かるのですが、苦手な人の特徴の一つとして 1度に聴き取れる情報量が圧倒的に少ない = 何を言っているか分からない があります。そんな人こそシャドーイングではとても大事です。
③ディクテーション
こちらは聴こえてきた単語・センテンスを文字として書き起こす練習です。これはオーバーラッピング・シャドーイングに慣れてから実践いただきたい方法です。1度に聴き取るのではなく、何度も聴いてセンテンスを完成させていくと良いです。それでも初めは完全に聴き取って書くことは困難なので、私はレッスンで下記のような空欄があいたセンテンスを載せたワークシートを生徒に渡しています。最終的には真っ新な紙に自分で書けるレベルまで達すると Excellent です!
【レベル1】How ( ) I improve ( ) English.
【レベル2】( ) ( ) I improve ( ) ( ).
【レベル3】( ) ( ) I ( ) ( ) ( ).
小学生は聴き取りに集中してほしいので空欄に入る単語を予め載せてそこから選んで答える形式にしていたり、中高生は学校で出てくる単語を書く力も同時に身につけてほしいので選択肢を少なくする or なくしたワークシートを作成しています。
始める前に見るべきYouTube
英語コーチ-イングリッシュおさる
この動画を拝聴してリスニング学習に共感するだけでなく、英語学習者として純粋に感動しました。恥ずかしながら英語講師にも関わらず説明する際にイマイチピンと来る単語を使うことができていなかったのですが、おさるさんがおっしゃっていた「音理解・意味理解」という語彙をきいて目から鱗でした。英語学習初心者だけでなく、私のような指導者の皆様にもぜひ見ていただきたい動画のひとつです。
Atsueigo
特に英語の資格試験に向けて上達したい人向けの動画になります。
Atsuさんが私が上記に挙げた練習方法を動画内で実践していらっしゃるので、「文面だけだとやり方分からないなあ」と思った方はぜひご視聴ください!
私的におすすめな教材・サイト
これらは私が実際に使用している教材・サイトであり、レッスンでも推奨しているものです。自信を持っておすすめします!
英語リスニング無料館
先程お話したディクテーションを書くのではなく、タイピングして練習していくことができます。一部での資格試験ではタイピングが必要になるので、このサイトで練習すれば一石二鳥ですよね。レベル別にもなっているので、初心者から上級者まで繰り返し学習いただけます。
Lyrics Training
このサイトは以前別の記事でもご紹介したかと思いますが、リスニングには最適なサイトです。好きな洋楽を使用してディクテーションを練習いただけます。4つのレベルから空欄数を指定することができ、Write Mode(自分でタイピングして答える形式)かChoice Mode(選択肢から選んで答える形式)を選んで取り組むことができます。こちらは私の生徒達にも人気で、本人達曰く「勉強している感覚がないし、好きな音楽聴けて楽しい!」と言っていました。こちらは英語以外にもドイツ語、スペイン語にも対応しています。
NHKラジオ英会話
私は【入門ビジネス英語】でしか学習したことがないのですが、こちらの講座ではオーバーラッピング・シャドーイングを練習するコーナーが設けられています。ラジオ講座の講師が実際の会話よりゆっくり発話してくれるので、練習するのに最適です。ラジオ講座は公式サイト or アプリで再放送を聴くことができるので、何度でも練習できます。
TOEIC 特急シリーズ
こちらはTOEIC向けの教材になりますが、レベル別にたくさん展開しています。
私は【TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル】を使ってシャドーイング練習をしています。音源は aceed というアプリで聴くことができるのですが、速度をなんと16段回に変えることができます!私は1回目は通常のスピードで練習し、2回目以降は0.5→1.0と上達に合わせて速度を上げながら練習します。シャドーイング練習であれば本を持たなくて良いので、外出中でも実践できますよ!
私は元々リスニングが苦手だと強調してきましたが、正直今でも100%克服できたとは思っていません。「英語講師なのにダサ!」と思われるかもしれませんが、だからこそ学習を継続していますし、私と同じように苦手な人達の気持ちが痛いほど分かります。少しでも私の経験が役立てればこれほど嬉しいことはありません。
Life is a never ending journey,
KSM
最後まで読んで下さりありがとうございます!私の記事に共感して下さったら嬉しいです。皆様のサポートは、私の原動力になっています、いつも本当にありがとうございます!!