911体験記を今年から英語にしてみた理由(英語学んでいる人にもぜひ読んでほしい)

私はものを書く仕事に就いて20年以上経つ。そして、これまでずっと日本語で発信し続けてきた。

だが今年に入って「異例のこと」が起こっている。

それはなにかというと、英語メディアや英語圏クリエイターからもご連絡を頂くことが少しずつ増えており、驚いている。

例えば今年の911発行号では、The Japan Times(ジャパンタイムズ)から取材のオファーをいただいた。自分はいつも取材する立場なので、(最近たまに依頼をいただくようになったテレビのリモート出演もそうだが)取材される側の立場は新鮮だ。しかも(自分が受ける側の)英語のインタビューは、仕事の面接を除いて初めてのことだった。記者のスペンサー・コーヘンさんは東大留学経験がある優秀な方で、日本に興味がおありだった。スムーズな進行をしてくれて、私自身とても楽しめた。

また建築家の曽野正之さんの記事(下記)をヤフー個人で日本語で発信した際も、早速翌日に英語圏の大学の建築学の教授から「読みました」とご連絡をいただいた。

ほかに、ありがたいことに試写会のお誘いなどを突然いただくこともある。

私がこれまで日本語で日本人だけに向けて発信してきたと言えども、別に「日本人だけ」と制限を意識していたわけではなく、言語が日本語なので当然日本人しか読まないだろうと思い込んでいた。だから自分が発信する記事の向こう側にまさか英語圏(およびそのほかの言語圏)の読者がいるとは露程も思わず、日本語以外の層についてはわりと無頓着だったと思う。

だけど、もはやグーグル翻訳でどんな外国語でもすぐに理解できるようになった時代において、自分が思っている以上に色んな言葉を話す人々が私の記事にリーチし読んでくれていることがわかり、日本語記事だから日本人しか読まないという思い込みは捨てなければと思った次第。ツイッターを見る限りでも、日本在住もしくは在住歴のある中国人で日本に興味のある方も何人かフォローしてくださっていて、記事を読んでくれているようだ。

そんなこんなで少しマインドシフトしつつある今日この頃。

これまでは着手しなかったけど、今年お話を聞かせていただいたニューヨーカーの911体験記を1つ、早速英語にしてみた。この記事は私も書きながら涙がこぼれた。ご本人も望まれている通り、来年以降もまた911の時期に多くの人に読んでもらえれば嬉しい限りである。


安部かすみ

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