失恋を考える暗闇もある

失恋はいつだって唐突で、まるでドン!と穴に突き落とされたかのように私の身体を襲う。それは好きな人に恋人がいたとか、そんなわかりやすい話ではなくて、例えば恋人のあなたとの間にあったもののはずなのに、と呆然とすることもある。(体感としては五分五分)

あなたと私の間にあったはずの恋を失ったと気がつくときはいつでも夢から醒めるようだと思う。

それは、先週あなたがやっていて愛おしいと思ったことが、全く同じなのにちっとも愛おしくないといったこととして私を襲う。たあいないことで、例えば、ドアを閉める音だとか、天気予報の話とか、食事の最中に継ぐ愚痴とか。ついこの間まではそこが大好きだったはずなのに、どうしてこうイライラするんだろ。生理前だから? 生理前だからって言い聞かせて、随分と大事なものを見過ごすことにはなりやしないか私はその都度頭を痛める。(言い聞かせている時点でもうだめ、恋ではないんじゃないのかしら)(個人的な一喜一憂に人を巻き込むの?)(恋が全てではない、愛情だってある)(恋愛から恋を引いたら愛になるの?愛情?愛着?執着ではなくて?)

または、イライラなんて一度もしなくて、気がついたら戻れないほど関心がないというときもある。これは突き落とされるというよりも、長風呂で気がついたら水、みたいなかんじ。

恋は落ちるものとはよく言ったもので、加えて私は訪ればかりか退場もまた、私の意識ではどうにもならないものの気がする。いつでも恋には平穏無事(私とあなたの)を祈っているのだけど、抜き差しならないのが恋だもと思う。

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