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【眼科コラム9】角膜(黒目)を透明のまま保つには?混濁の原因とは

皆さまこんにちは。眼科医師の多田です。
11月に入って前半は暖かい気候で本当に秋か?と信じられないような状況でしたが、後半は一気に寒くなりましたね。

角膜とは?

さて、今回は「角膜」についてお話します。
「角膜」って何?目のどこの部位?と思う方も多いでしょう。
下の図をご覧ください。

目の正面図と断面図(角膜は黒目の部分です)


角膜は、カメラではレンズの役割になります。
この角膜が透明になるために、角膜内皮細胞という細胞が正常に機能しているからです。

この細胞のおかげで、角膜は透明に維持され、私たちの視界が綺麗に見えるのですが、ここまでは医学部の学生レベルです。

目の病気以外でも影響が出る!角膜を混濁させる様々な原因

さて、ここからは、眼科医としての知識になります!
実は、角膜が透明を維持できなくなる理由は、全身疾患と密接に関係しています。例を挙げると糖尿病も、血糖コントロールが悪くなれば、角膜の透明性も維持できなくなります。ここでは詳しい話は省せていただきますが…。

また、信じられない方もいるかもしれませんが、世の中のビール好きに警鐘です(苦笑)
高尿酸血症、つまり痛風でも角膜の透明性が失われます。こちらも詳細は省かせていただきます。

また、緑内障やドライアイでも角膜内皮が障害されます。

まだまだ紹介しきれないですが、角膜は、体の色々な病気に関連しています。

結局、人間の体は、一つ故障(病気、不具合)があれば、その他の体の部分も連鎖的に障害されていくのだな、と感じております。おそらく、眼科以外の領域でも同じことがいくつか言えるとは思います。

私も38歳となり、日々体の不具合と戦っておりますが、本当に健康が一番の財産です。
健全な体と心があれば、どんな困難や現実が自分に襲ってきても、また立ち上がれる。そんな思いを抱く今日この頃です。
 
それでは皆さま、また12月に!