Ep.14 処女詩集 風景
三島由紀夫を春日井建は師と仰ぎ、耽美的な傾向やレトリック
(修辞技法)など歌に多様に取り入れ、ジョン・ネイスン(John Nathan)
(日本研究者)は「優美で華麗な表現力をそなえた日本語は、三島が毎夜、
真夜中から明け方までかけて紡ぎ出した日本語こそが彼にとって真の
重大事であり、その一生を規定した」とし文化的廃嫡の苦悩であった」と
評している。
建の表現にも生と死、精神と肉体、言葉と行動、見る者と見られる者(認識者と行為者)、芸術と人生、作者と彼、といった二元論がみら