心と体に関する簡単な話

何度か、わたし自身の肌荒れの話をしたことがある。調べてみると、アトピーではないようなのだけれど、それじゃあ一体何なのかとさらに調べてみようとしても、よく分からない。何にでも病名がつく世の中――足の指を曲げたとき、親指だけ痛かったときがあって、そんなピンポイントな病気なんてあるのかなと思って調べてみたら、あって驚いた!――で、分からないということが、もうそれだけで不気味である。その上に、見た目もグロい。詳述しないが、それを見ていると、ホラー映画を見る必要がなくなるとだけ言っておく。

しかし、どういう加減なのか、近頃なにやら調子がいい。調子がいいとは言っても、触ってみるとざらざらはしているし、赤みがかってはいるのだが、かゆみは無いし、パッと見では分からない程度になっている。どうしてそうなったのかは分からない。分からないけれど、思い当たることと言えば、やはり食事。以前、皮膚科にかかっていたのだが、どうもやつらは信用できないということで、かかるのをやめたときから自分の生活を見直したのだけれど、そこで大きく変えたのが、食生活だった。

肉をやめた。
魚をやめた。
乳製品をやめた。
卵をやめた。
小麦製品をやめた。
白砂糖をやめた。

アレルゲンを含むものをやめたわけである。まるで生ぐさを避ける坊主のような食生活。いや、多分、坊さんの方が、もっと色々食べているんじゃないか。これだけやめると、大分、食べるものが無くなる。こんな感じで食事制限していると人に言うと、いったい何を食っているんだと言われることがあるが、これだけ制限しても色々と食べられるものはあって、本当の意味で、「飽食」という言葉を知る思いである。

酒もやめた方がいいらしいのだけれど、これはなかなかやめられない。昨日も飲んだ。あとまあ、たまには、禁止しているものを、食べることもある。ただし、禁断症状というわけでは全然なくて、どんな味だったかなと確かめるような感覚。

食生活を変えた効果は、これまで肌荒れにはあまり現われなかったわけだけれど、他のところにはすぐに現われた。わたしは、胃腸が弱くて、しばしば腹痛になったり、お腹を下していたりしたのだが、この頻度は大幅に減少した。……まあ、食生活を変えたせいで、ドカ食いしなくなったからという、それだけのことかもしれないけれど、ともかくも、胃腸の負担が減ったことは確かである。

一病息災という言葉があるが、もしも肌荒れが無かったら、こういう食事制限をしていなかったわけで、それはいずれ大病につながっていたかもしれない。だとすると、肌荒れに感謝というところか。これを読んでいるみなさんも食事にはちと気をつけた方がいいのではないか。わたしのように、何でもかんでもやめろと言うわけではないが、見直してみることをお勧めする。体に対する食べ物というのは、車におけるガソリンのようなものだとイメージされることが多い。つまり、エネルギー源。しかし、最近の研究によれば、食べ物はエネルギーになるのではなく、細胞になるという話である。つまり、自分の体の一部になる。あまいふわふわしたパンばかり食べていると、あまいふわふわした人間になるというわけだ。

そうして、肉体の状態や、精神の状態が、ただ食べているものから来ているかもしれないと考えると、これはなかなか面白いのではないか。体の調子が悪い、心の調子が悪い、これらを治すために、運動をしたり、瞑想をしたりと色々するわけだけれど、実はそんなことをしてもあんまり意味なくて、ただ食べているもののせいかもしれないとしたらどうか。食べているものを変えれば、それだけで、体の調子も心の調子も上がるとしたら? そんな簡単に行くわけないだろう、と思うかもしれないし、実際、そう簡単な話ではないかもしれないが、あるいは、もしかしたら、びっくりするくらい簡単な話なのかもしれない。

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