今ここから考えを始めよう

もしも世界についての真実を知りたいとしたら、今ここから考えを始めよう。どこか遠くのできごとについて考えようとするのではなく、あなたが今まさに生きているこの場から考えを進めていこう。

この場から、しかも自力で。

自力というところが大事なところ。

一つ、当たり前なことを確認する。当たり前すぎて、普通は意識されていないことを。それは、考えるというのは、自分が考えるということだ。人はよく「客観的に物事を考えろ」と言う。アホか。客観的に物事を考えることなどできない。客観というのはあることを客観とみなしている主観に過ぎない。考えるというのは、非常に個人的な行為なのだ。

その非常に個人的な行為によって、どうして世界の真実という非常に公共的なことを知ることができるのか。そんなことは、わたしは知らない。なぜだかそうなっているとしか言いようがない。

さて、考えるということは、自分「が」考えることであると同時に、自分「を」考えるということでもある。今ここに生きている自分が、今ここに生きている自分のことを考える。古人は、これを「修身」と言った。「修身斉家治国平天下」というのは、自分のことから始めて考えれば、いずれ世界のことまで考えられると言っているのである。

考えると言っても具体的に何を考えればいいのか、とそんなことを問われても、困る。わたしはあなたではない。それぞれに興味関心の対象は違うだろう。しかし、一つ、ヒントを出すとすれば、やはり、死についてということになる。

死について、誰にも頼らずに、一人きり考えてみる。宗教も哲学もスピリチュアルも何もかもなしで、独力でじっと考え詰めていく。分かるかもしれないし、分からないかもしれない。そもそも、死について分かるとは何を分かることなのか、それが分かるかもしれないし、そんなことも分からないかもしれない。そうやって死について考えていくと、それはそのまま生きることを考えることにつながって、この人生の大方のところが間に合うということになる。

そんなことをしているヒマは無いよ、と言う人には、そんなことをした方が結局はヒマができるということを保証しておく。自分について、自分が死ぬということについて、考えることができれば、思い悩むことがなくなり、これまであれこれ思い悩むことに使っていた時間を、全て別のことに使えるからである。

読んでくださってありがとう。もしもこの記事に何かしら感じることがあったら、それをご自分でさらに突きつめてみてください。きっと新しい世界が開けるはずです。いただいたサポートはありがたく頂戴します。