自分の頭で考えるヒント8 ~自分の身に置き換えてみる~

日々くだらないニュースが報道されており、ああいうものは見ない方がいいのだけれど、バカとハサミに使いようがあるように、くだらないニュースにも使いようがある。たとえば、数日前にこんなニュースがあった。五輪相が、白血病を発症した競泳の選手について、「本当にがっかりしている」などと発言したというものだ。(今ちょっと調べてみたら、これには裏があって、どうも、マスコミの誘導尋問と悪意編集というスキルがかなり効いているらしい。興味ある方は自分で調べてください。どちらにしろくだらないから、リンクは貼らない。)

こういうニュースを見て、義憤に打ち震えた人は多いことだろう。なんというけしからん大臣だ! と。しかし、そこで終わっていたら、それだけの話。ひととき怒りにぷるぷるしたあと、さて、じゃあお昼には何食べようっていう具合だったら、そんな怒りに意味は無い。怒りを感じるのはいいが、単に怒りに流されてひととき楽しむのは下品だ。流されて楽しみたければ、流れるプールに行け。ついでに風邪でも引け。下品な人間も、動けなくなれば、多少は上品になる。

ニュースを見るときは、自分の身を当事者に置き換えてみろ。がっかり発言をした大臣の身になってみる。どうしてそういう発言をしたのか。それだけ五輪の成功に対してプレッシャーがあったのかもしれない。虫の居所が悪かったのかもしれない。頭が悪かったのかもしれない。悪ぶってみたかったのかもしれない。その競泳選手と何かあったのかもしれない。他に事情があったのかもしれない。……と、まあ、そんな風に考えを進めることができるだろう。

こんな風に考えていけば、マスコミの流すゴミみたいなニュースからも少しは得るものがある。もうちょっと言えばだ、どうしてマスコミはこのようなニュースを流すのか。彼らの立場になって考えてみなさい。なぜ流すのかと言えば、視聴者が食い付くからだ。街のゴミを荒らすカラスみたいに、バカな視聴者が喜んでこういう情報に飛びつくから、彼らは報道したくなるというわけだ。「このマスゴミめ!」と罵るのはいいが、そこから発せられるゴミをせっせと買い集めているのが、そう罵っている当人だ。「いや、無料ニュースで見ているんですけど」と言う人もいるかもしれないが、そういう人には、「時は金なり」という言葉を教えてあげたい。

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