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夢を見た。

『君のことはとても好きだけど、彼と彼で心のピースは埋まっていて、私の心のパズルは完成してるから、君のことは構ってあげられない』

って言ったのは、柔らかそうなタールネックを着ていて、如何にもふわふわとした格好が似合いそうな女性であった。何故か当たり前のように、広い広いプールの水の上を、肩を並べて散歩してる時に、そう言われました。
思い出した。そういえば複数人で来ていて、一旦解散して別行動だったのだ。とりあえず場の雰囲気を下げるわけにはいかないから、元気を取り繕って笑うんだけど、上手く笑えない。


気付くと、冷たい感覚が腰まで来ていた。沈んでいるのだ。助けて!と目の前の女性に手を伸ばす。
『無理だよ。だって君は身内じゃない。私のピースを埋めてくれる子達は、とっても可愛く鳴いてくれるの。あ、でも、どぶかすの声はとっても可愛いわよ?でもピースはもう埋まってる。埋まったピースの子達にも『どぶかすはやめとけ』『距離を置け』って口酸っぱく言われていてね。だから助けられないの』

頭まで沈んでしまったら、もう呼吸は出来ない。水の中で嘆く。もっと早く、あいつより早く出会っていれば良かったですか?お膝に甘えて欲しくなかった?でも、納得できるなあ。ぼくは気持ち悪い人間だからね。でも、埋まった心のパズルにピッタリはまるために、自分のピースを削って歪めて、無理やりはまるようにするような人間は気持ちが悪いね。息ができない。苦しい。苦しい苦しい苦しい。

と言ったところで、叫びながら目覚めた。人生で2回目である。変な夢だったけど、体に張り付く水の感触と、あの女性の声だけは、記憶にこびりついていたのです。

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