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「「ガンプラが好きだ!」と言わない」ビルドダイバーズRe:RISEの面白さ。

実は、前作のビルドダイバーズ共々、全く見ていなかったのですが、先々週頃からビルドダイバーズから見始めて一気にRe:RISEまで見終わり、今はRe:RISEの2周めが終わった直後にこの文章を書き始めています。

話の重要なネタバレには触れず、作品としての面白さを書いたつもりですが、ネタバレを気にする人はそっ閉じして今すぐビルドダイバーズ→ビルドダイバーズRe:RISEを全部見てからまた来てくれよな!

作品の詳細やあらすじはこのあたりから各自やっていってください。


「ガンプラを作って戦う」が作品の主軸であるガンダムビルドシリーズにおいてかなり異色の設定と話の展開であった「ビルドダイバーズRe:RISE」
何よりも異色であったと感じたのが「ガンプラが好きだ!」「ガンプラは自由だ!」とはほぼ言わないところだと感じたので今週はその話。
(ちなみに全く言ってなかったかどうかは自信がない)

「ガンプラが好きだ!」と言わないことは、ビルドシリーズの作品コンセプトからすると「異常」といってもいい。ビルドファイターズでは「ガンプラが、ガンプラバトルが大好きだ!」と語る主人公であったし、続編であるビルドファイターズトライでも最終回のサブタイトルが「僕たちのガンプラ」であったくらいだ。基本的には「ガンプラは楽しいぞー」がコンセプトであった。

一方の「ビルドダイバーズ」を見てると、無印のビルドダイバーズからすでに若干の毛色の違いを見せている。ビルドダイバーズは「ゲームの世界の話」ではあるが「世界と仲間の危機」と向き合い、それを乗り越えていくのが話のメインストーリーになっている。とはいえ、ビルドダイバーズではまだ「ガンプラが好きなみんなが力を合わせて戦う」が基本であり、やはり「ガンプラが好きだ」が重要な要素となっている。第一話では00の箱を開けて組み立てるところから始まるのでやはり「ガンプラが好きだ!」なのだ。

それらを踏まえた上でのRe:RISEである。第一話から主人公のヒロトは「ガンプラバトルをするためにGBN(ガンプラバトルのゲーム)をやっているわけではない」と言ってのける。加えて、時折挟み込まれる彼の回想では過去のトラウマを思わせる描写があったり、なにかつけてはどこかにいなくなったり、影のある印象がつきまとう。

だが、第一話から描写されるように、彼はビルダーとしてもファイターとしても卓越した能力があり、とても「ガンプラバトルに興味がない」とは思えない。果たして彼の過去に何があったのか・・・

というのが、ビルドダイバーズRe:RISEのメインテーマの一つになる。登場人物に関しても、Re:RISEは他のビルドシリーズとは異なり、主要な登場人物が少な目になっている。メインストーリーに大きく関わり、常時出続けていると言っていいのはビルドダイバーズの4人にナビゲーター的役割のフレディを加えた5人しかいない。後半になってくると関わりの深い人物が増えていくことになるが、その辺りは見てのお楽しみ。

ストーリーのメインテーマに関わる登場人物が少ないため、それぞれにきちんとした悩みと成長の過程があるのも嬉しい。そして、面白いことに4人が揃いも揃って「ガンプラが、ガンプラバトルが好きだ!」とは声高には語らないのである。だけれど、それぞれが「何を求め、何を得るためにガンプラバトルを、GBNをするのか」がきちんと掘り下げられていく。

思うに、ビルドシリーズは基本的には「ガンプラの販促番組」であり「ガンプラは楽しいぞ!」の旗印のもと始まったシリーズであった。なので皆が「ガンプラは最高だ!」と口にする。その一方で、各人が何のためにガンプラをガンプラバトルをするのかについては「ガンプラが好きで楽しいから」以上の深堀りはされていなかったように思う。

ビルドダイバーズRe:RISEが異色であり画期的だったと思うのは、その前提を覆して第一話で「ガンプラバトルを楽しむために来ているわけではない」と言わせたこと。明確に「他の目的がある」と口にしたこと、と言い換えてもいい。

にも関わらず、である。Re:RISEを通してみるとめちゃくちゃにガンプラが、アースリィガンダムが、ユーラヴェンガンダムが、そして24話のアレが欲しくなるのだ。繰り返しになるが登場人物たちは声高に「ガンプラが好きだ!」とは言わない。だが、それぞれの行動が、思いが「あのプラモを作って遊びたい」と思わせる程に熱く、強く、こちらの心を揺さぶってくる。

「ガンプラバトルを通じてガンプラの良さ・面白さを再発見する」という点ではRe:RISEも十二分にビルドシリーズの名を冠するに値する一作である。ただ、Re:RISEは「ガンプラが好きだ」から更に一歩踏み込んで、登場人物たちの成長やガンプラを通じて得たものについても描ききっている。むしろ、「何のためにガンプラを作るのか」を強く訴えかけてくる点においては、最も強く「ガンプラの面白さを再発見させてくれる」作品である、と私は思う。

「登場人物たちのガンプラへの思いを見て、感化され、あのカッコいいガンプラを私も作ってみたい!」その気持ちを「ガンプラが好きだ!」とは言わずに見る側にここまで強く感じさせたビルドダイバーズRe:RISEはガンプラを、ガンダムをあまり知らない人にこそ一度触れてみてほしい作品である。

というわけで、本当はもっと話の本質にまで突っ込んだアレヤコレヤも話したいところですが、なるべく事前情報を入れずに見てほしい(特に後半)一作なので、気になった方は是非。

なお、Re:RISEをベッタベタに褒めていますが、無印ビルドダイバーズも面白い上に、Re:RISEを100%楽しむならビルドダイバーズから見てもらえるととても良いと思います。

今ならdアニメストアとかバンダイチャンネルで無印ダイバーズから通しで見られるよ!

ちなみに2020年9月現在では多くのキットが手に入らず、代役としてアメイジングズゴックをヘッダー画像にしました。早く再販が出てほしいですね。

では今週はこのあたりで。ドッキングゴー!

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