新しい相場で勝つ最良・最強の処し方「ゾーンオフェンス」

これからの相場がどうなるか

日経平均は、1月28日、29日の連続安で、昨年末の掉尾の一振の高値2万7600円に迫ったが、その直前で反転し、逆に引け値ベース高値2万8822円(1/25)を超え、いよいよ新しい相場に突入しました。そして2月10日現在2万9000円を固めていますが、これからの相場がどうなるか。最良の処し方を示したいと思います。

「需給相場」と「業績期待相場」が同時に走っている特異な相場

その前に相場の大前提を述べますと、今回の相場は「需給相場」と「業績期待相場」が同時に走っている特異な相場であると言う事。市中のお金M3は、コロナショック前の昨年2月現在1375兆1000億円だったものが、本年1月には前年比7.8%増の1486兆8000億円となり、伸び率・残高とも過去最高を更新しています。コロナショック前の昨年2月から111兆7000億円も増え、大変なカネ余り状態になっています。そしてこれはコロナの終息がはっきり見通せるようになるまでしばらく続くでしょう。そのおカネの流れが変わらない限り、株価の上昇方向も変わらないと言うのが大前提です。

もう1つの「業績期待相場」においては、昨年10~12月期決算発表が2月12日でほぼ終わりますが、日経平均予想EPSは、コロナ前の昨年2月末日1620.15円が、コロナショックを受けた5月19日の予想では549.95円へと半値8掛け2割引きの520円近くまで下がりました。その後7月9日には1277.17円まで戻りましたが、コロナ感染拡大第2波、第3波の影響で、今年に入っても1000円飛び台で低迷していました。しかし、今回の10~12月期決算発表が進むにつれ、2月10日現在で1214.58円に戻ってきています。しかし、「業績期待」とは言え、昨年2月末に比べて25%も下にあり、所謂「コロナ前」に戻っていないどころか、7月の1277.17円も超えていません。この数字がどう変わるか断定できませんが、IMFの2021年世界経済見通しでは、世界のGDP成長率は5.5%で日本の成長率は3.1%となっていますので、日経平均予想EPSは5月の決算発表時に更に上がる事が期待できます。業績期待が現実のものになれば「業績相場」はこれから本格化する可能性がありますが、今後、「需給相場」から「業績相場」へ平穏にバトンタッチが出来るかは分かりません。上手くバトンタッチ出来れば、今年どころか来年も高いと言えますし、上手く出来なければ「氷河の割目」的な波乱もあり、更に業績相場自体が「期待」段階で失速することもあります。

揉み合いゾーンと時価との関係で、売りか買いかを考えるゾーンオフェンス

前置きが長くなりましたが、コロナ禍の不透明な中でここまで上がって来た高値警戒感もある株式相場と、投資家はこれから1年、2年どうやって付き合ったらよいかですが、答えは「相場の声」を聴きながらゆっくり行こうです。
具体的な方法は、ゾーンオフェンス(あるいはディフェンスゾーンを押し上げていく)事です。揉み合いゾーンと時価との関係で、売りか買いかを考える事が現実的です。昨年11月の急騰の後12月の揉み合いゾーンを形成しましたが、12月末の掉尾の一振でそのゾーンを抜け、新しい相場になりました。そして12月の揉み合いゾーンは、重要なディフェンスゾーンに変わりました。そしてその新しい相場の揉み合いは1月8日の上昇で更に新しい相場へと進み、その新しい相場は2月8日爆上げで、1月8日~2月5日までのディフェンスゾーンを持った直近の真新しい相場になっています。注目すべきはその押し上がってきたディフェンスゾーンゾーンが1度も重っていないと言う事です。これは強い相場の典型的なパターンです。
そして結論ですが、ディフェンスゾーンの上では「押し目買い一貫」、株価が下がりディフェンスゾーン内に押し戻されたら「逆張り」、ディフェンスゾーンの下値を切ったら「売り」です。この処し方を守れば、長期上昇相場に持ち株を増やしながら大きな利益を上げる事が出来ますし、相場が終わった時、早めに撤退することも出来ます。日経平均を例にあげて説明しましたが、個別株でも同じことが言えます。
最後に、相場巧者は合わせて「ピラミッティング投資法」を使っています。ピラミッティング投資法とは、買い乗せ額を次第に小さくすることで、この処し方(ゾーンオフェンス)を最強にするための必要条件です。

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