さあ正念場、3月相場を勝ち抜け! 今を知れば百戦危うからず

今を知る

マネーストックM3の推移
コロナ前20年2月平残1375.1兆円、21年1月は過去最高の1486.8兆円と111兆7000億円増。但し増加スピードは逓減。

日経平均予想EPS
20年末の1086円が21年2/25に1346円まで回復したが、3/5は1308円と停滞ぎみ。コロナ前20年2月の1620円にまだ遠い。

裁定取引異常値が消えた
裁定取引「売り残÷買い残」の倍率が5.21倍(20年6月12日)と言う異常値から1.02倍(21年3月3日)に。ネット買い残(買い残高-売り残高)マイナス2兆1041億円(20年5月22日)と言う異常値からマイナス4041憶円(21年2月26日)に。

米10年債利回り一時1.61%
直後に各連銀総裁が一斉コメント。
セントルイス連銀総裁は、この10年債利回りの上昇は「妥当」。アトランタ連銀総裁は、このレベルの10年債利回りはなお低水準である。カンザスシティー連銀総裁は、この長期金利上昇は景気回復期待を反映したものである(良い金利上昇の意味)。ニューヨーク連銀総裁も同じく、経済は景気対策とワクチンで力強く回復している(金利上昇は当然の結果)。更に、支援解除の議論は時期尚早(セントルイス連銀総裁)、FRBの対応不要(アトランタ連銀総裁、カンザスシティ連銀総裁)が彼らの意見です。

上記マネーストックM3は需給相場のエンジン、日経平均予想EPSは業績相場のエンジンです。前者のエンジンはアクセルいっぱいながら、後者のエンジンは期待先行でまだ出力が上がっていません。

これからはマネーの動きと業績の推移を見ながらの神経質な展開になる

裁定取引異常値は相場のセンチメントを表します。先安観があると先物に売りが出て現物より先物が安くなります。すると安い先物を買って高い現物を売ると言う裁定機能が働き、現物の売り残が増加します。この売り残を株数で表すと、20年6月12日は7億5888万株(買い残1億4572万株)の弱気センチメントが先週3月3日には4億2446万株(買い残4億1736万株)となり、ほぼ売り残買い残が拮抗しています。つまり、弱気エネルギーをバネに上昇してきた相場は、買戻しが済んでひとまず踊り場に入った事を表しています。これからはマネーの動きと業績の推移を見ながらの神経質な展開になると言う事です。

米10年債利回りは先週末3月5日に一時1.62%と更新されましたが、高PER銘柄売りと景気敏感株買いの戦いはこの日は後者が勝っています。
そうなると、頼れるのは株価です。ここは株価に従うところ。ディフェンスゾーン(2万8822円)の上では「押し目買い一貫」、引け値でディフェンスゾーン(直近のディフェンスゾーンはサポートゾーンと同義語です)内に入ったら「逆張り」、ディフェンスゾーンの下値を切ったら「売り」。(筆者のオフェンス投資法)

立ち合い中にサポートゾーンに食い込んだ3月5日の日経平均の引け値は2万8930.11円と急回復し、ギリギリディフェンスゾーンの上にいます。ディフェンスゾーン(サポートゾーン)内に押し戻されるターニングポイントは2万8822円。しかし、割れてもドテン売りではありません。ドテン売りのターニングポイントはサポートゾーンの下限1月29日の引け値2万7663円です。

結論:3月は例年決算数字をまとめる為、企業もファンドも活動が鈍くなる。上げ下げに強く対抗する力が無く、上下動の激しい相場になり易い。バタバタせず4月以降に期待するところ。3月5日の日経平均が621円安から65円安に戻り、2万8822円を維持した姿に市場の地力の強さを感じる。

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