新年最初の波乱。株は買いか売りか。
「物の値段は需要と供給で決まる」は経済の原則
物の供給には天候や技術改革が影響し、需要にはその物に対する価値(ファンダメンタルズ)や人気と言う曖昧な要素も影響しますが、突き詰めていくと、その物の量とそれを求める側のお金の量で決まると言えます。株価も例外ではありません。今株価は、新型コロナウィルスの変異種拡大の不透明感で、新年最初の波乱状態に陥っていますが、この関係「株の量とおカネの量のバランス」で考えると案外簡単にここでの投資行動が見えて来るのではないでしょうか。
この下げは「買い場」と言うのが答え
株の量は新規上場で一定量は増えていますが、自社株買いで市場から株が引き揚げられていますので、「増えていない」と言えます。一方お金の量は、分かりやすくM3で表すと、コロナショック前の昨年2月現在1375兆1000億円だったものが、12月には1482兆5000億円と、107兆4000億円増え、大変なカネ余り状態になっています。そしてこれはコロナの終息がはっきり見通せるようになるまでまだしばらく続くでしょう。そのおカネの流れが変わらない限り、株価の上昇方向も変わらないと思います。ならばこの下げは「買い場」と言うのが答です。
但し、反転のきっかけは企業業績の回復です。相場用語でカネ余りでの株高を「需給相場」、業績好調での株高を「業績相場」と言いますが、この2者は同時に存在出来ない性格を持っています。なぜなら景気が良くなり企業活動が活発になるとそこにおカネが使われるので、カネ余り現象は消えてしまうからです。
ところが今回の相場は「ハイブリッド相場」と名付けられるように、「需給相場」と、コロナ後の業績回復に期待する「業績相場」が並走しています。
そこで目先の注目点は、佳境に入っている2020年10~12月期の決算数字になります。今週5日(金)320社、10日(水)450社、12日(金)700社の決算発表が控えていますが、日経平均構成225社のEPS(1株当たり利益)は、事実上の始まりと言える1月25日の日本電産の決算発表以降、信越化学、ファナック、東京エレクトロン等主力銘柄の発表が終わったにもかかわらず、1100円に乗せてから大きな動きはありません。
ファンドも年末年始の予想外の株価上昇で持たざるリスクが発生し、集まった資金の年初のポジション構築の為、考える間もなくインデックスを買いまくりましたが、これからは冷静になってテーマや個別銘柄の分析をして来ると思います。
相場格言「売りは即刻、買いは3日待て」にあるように、ここは余裕を持ってのシンキングタイムと前向きに考えるところです。但し、「おカネの流れが変わらない限り、相場の流れは変わらない」を忘れずに。
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