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【本当の「自己流」】
以下、自分に対する戒めとして記します。
個人を特定するものではありません。
「自己流」と聞いてどのような印象をお持ちになりますか?
あるとき、「これは私の自己流なんです」とおっしゃる方を拝見しました。
専門分野の方が見れば、体裁を整えようとそれっぽくしたけれども、
残念ながら出鱈目なもの。
知っている人には直ぐにばれてしまう浅はかな形。
でも、本人だけがそれで満足し、なんなら利益につなげようとしている。
このような経験がある方はいらっしゃるでしょうか。
本日は「自己流」という言葉の裏に潜む無責任さについてお話ししたいと思います。
本当の「自己流」とは
「自己流」とは、本来、しっかりとした基本が身についてから初めて成り立つもの。
基礎知識が欠けたままでの「自己流」は、
誤った知識や無責任な行動を生み出しかねません。
つまり、基本や土台の知識がなければ、正しい方法を伝えることはできないのです。
上記の件について、もう少し踏み込みます。
私は礼儀作法やビジネスマナーを伝える立場なのでマナーに言及すると、
「インチキマナーはマナー講師の陰謀」と言われる所以はこの「自己流」にあると疑っているのです。
一部のマナー講師が
「私はこれが感じ悪いと思うからダメ」
「こんな振る舞い素敵でしょ」
と言って流布しているのは
自己流に近いものがありますね。
これは他の分野でも同じことが言えます。
例えば、料理の世界で考えてみましょう。
プロの調理人は、長年の修行や厳しい修行を経て、
基本的な技術や料理に関わる様々な知識を身につけています。
料理をするなら、食材に限らず、茶道・歳時記・自然や文学…、
勉強に終わりはありません。
その上で、自分の創意工夫を加えた「自己流」の料理を提供してくださるから私達は感動するのです。
しかし、料理を始めたばかりの人が
基本を無視して自己流で作った料理はどうでしょうか。
美味しくなる保証がありません。
また、スポーツのコーチも同様です。
プロのコーチは、自身の経験と知識を基に選手を指導しますが
基本を知らない自己流の指導では、選手の成長を妨げるだけでなく
怪我のリスクも高まるでしょう。
何より重要なのは、
10年・20年後を見据えたときに、
その講師が提供している知識が通用するかということです。
(でもこれはIT技術などは当てはまらないですね)
「自己流」は、プロフェッショナルだからこそ言える
基礎がしっかりしていない知識は、時代の変化や新しい情報に対応できず、やがて通用しなくなってしまいます。
長期的に通用するためには、基本的な土台をしっかりと学び、
その上で自己流を発展させることが必要なのです。
私事ですが、私の父は和系の職人。
以前、「30年続けてやっと他人に認められるようになったと感じる」
と話してくれたことがありました。
この話を聞いたときに、プロフェッショナルというものは、
父のように謙虚な姿勢で長年の努力を積み重ねて
初めて認められるものだと強く感じたのです。
つまり、知識と経験を積んで初めて、
自分らしさを加えた「自己流」が認められるのです。
それが本当のプロフェッショナルの在り方です。
自分が学ぶとき、何を基準にするか
講師として私たちが伝えるべきは、
目の前の利益のための薄っぺらい知識ではなく、深い理解と誠実さです。
こちらを読んでくださる皆さまも、何かを学ぶ際には、その指導者の目的・背景・経験をしっかりと確認してください。
信頼できるプロフェッショナルから学び、自分の土台をしっかり固めることが、あなた自身の品格を高める最良の方法なのです。
土台や基礎を固めないまま、表面上だけの方法を学んだところで、上っ面の知識にしかなれません。
貴方が10年後、20年後もさらに認められ、賞賛される講師になるためには、確実な学びが必要なのです。
これらは、私自身に対する戒め。
いつも心に留めていることです。
私も10年後の自分を見据えて学びつづけます。
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