見出し画像

10代の伴走者「ワンゼロアカンパ二スト」テキストブック2(カウンセリング理論)

テキストブック1でキャリアの定義から始めて理論の一つの柱「キャリア理論」を説明しました。テキストブック2では二つ目の柱「カウンセリング理論」について説明していきます。キャリアの理論にはどのようなものがあるのかが「キャリア理論」。具体的にカウンセリング(コンサルティング)していくための理論が「カウンセリング理論」です。

5⃣「カウンセリング理論」

「カウンセリング理論」はアプローチの方法で大別すると「感情的アプローチ」「認知的アプローチ」「行動的アプローチ」「包括的(折衷的)アプローチ」の4つに分類されます。これも諸説あり私は「包括的」の中から「発達的アプローチ」を独立させて5つで説明していきます。

「感情的アプローチ」は相手の感情にアプローチします。
①人は自分自身の感情に触れれば、成長し自己実現することができる。
②人は自分の感情を自由に表現し、確認し、それによって自分の経験や感情を呼び戻すような人間関係を求める。
③人はこの感情や経験がアイデンティティの基盤となった時、自己実現に進むことができる。

 注目👉ロジャース「来談者中心カウンセリング」
①来談者に対して無条件の肯定的関心を持つこと(受容的態度)
②来談者の内的世界に共感理解し、それを相手に伝える(共感的理解)
③来談者との関係において、心理的安定とありのままの自分を受容していること(自己一致、誠実な態度)

 フロイト「精神分析的カウンセリング」
人の問題の根源は無意識にある。無意識を意識化する助言を行う。
精神分析学とその治療法をカンセリングの分野に応用した。

「認知的アプローチ」は相手の思考にアプローチします。
①人の感情は思考によって影響を受ける。
②人は合理的思考の時は目標達成される。問題は非合理的思考によって行動をするときに起こる。

 エリス「論理療法」人は起こった出来事によって混乱するのではなく、その受け止め方で混乱する。ロジャース(相手は正しい答えを持っている)とは逆の立場(相手は間違った思い込みをしている)。

 注目👉エリス「ABCDE理論」
人の感情(C:consequence)は、出来事(A:activating event)によって引き起こされるのではなく、その出来事をどう受け止めるかの信念(B:belief)によるもの。それをはっきりさせて反論(Ⅾ:discriminant and dispute)を加えると、論理的信念が獲得でき効果(E:effect)が生まれる。

 ベック「認知療法」グラッサー「現実療法」

「行動的アプローチ」は相手の行動にアプローチします。
①人の行動に注目する。感情や思考は行動から推測されたものにすぎない。
②問題の原因となる行動を発見する。そして問題の行動を正す。

 注目👉「アサーション」
アサーションとは主張訓練。正当な自己主張や自己表現ができるようにする訓練。

「発達的アプローチ」は相手の発達(成長)にアプローチします。
 スーパー「職業発達理論」
①人は目標を持ち、選択し、決定し、自分の行動と将来に責任を持つ。
②キャリア発達の中核は自己概念であり、キャリア発達のプロセスはそれを発達させ、仕事を通じて実現させることである。

❺「包括的(折衷的)アプローチ」は感情、思考、行動どれかに捉われず包括的にアプローチします。
①人は自分の目標を把握し、意思決定することができる。
②環境の影響は大きいが、人は思っている以上に環境を管理できる。
③人は、感情的、認知的、行動的方法を学ぶことができる。
④相手が行動変容するための支援をする。
⑤相手が目標達成するための支援をする。

キャリアカウンセリングにおいて、来談者との間に「質の高い人間関係」が成立し、来談者が「良い状態になった」だけでは問題は解決しない。「就職する」「自分の適職を見つける」などというような具体的目標を達成しなければ、カウンセリングは終わらない。その点からは意思決定、学習などの認知的、行動的アプローチを重視する。また発達的人間観に立つことは当然である。

6⃣最後に「キャリア理論」と「カウンセリング理論」以外に「組織キャリア理論」を説明してテキストを終了します。

組織の中でのキャリアを考えるのが「組織キャリア理論」です。

 注目👉マズロー「欲求段階説」
人間の欲求には「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」の5段階があります。そしてこの5つの欲求はピラミッド状に積み上がり低次(生理的欲求)が満たされるともう一つ上の欲求(安全の欲求)を持つようになる。一番高次の欲求は(自己実現の欲求)です。

 注目👉ハーズバーグ「2要因理論」
仕事上どのようなことで幸福や満足、不幸や不満足を感じたかと質問をした結果、人の欲求には2種類あることが解った。2つはそれぞれが人の行動に異なった作用を及ぼす。不満足を感じるのは「衛生要因」満足を感じるのは「動機づけ要因」です。
前者が不足すると職務不満足が生まれ、後者が満たされると職務満足が生まれる。「衛生要因」の改善は人の不満足を減少させるが、職務満足は「動機づけ要因」の充足によってのみ初めてもたらされる。

 注目👉シャイン「キャリアアンカー」
個人が選択を迫られたときに、その人が最も放棄したがらない欲求、価値観、能力の事でその人の自己像の中心を示すもの。アンカーは船の錨。
キャリアアンカーは時には漂流するキャリアをつなぎ留めておく錨です。
8つのアンカー①専門職種別・コンピタンス②全般管理コンピタンス③自立・独立④保障・安全⑤起業家的精神⑥奉仕・社会貢献⑦純粋な挑戦⑧生活様式。

キャリアコンサルティングは個人が自分のアンカーを認識し、自分の欲求を満たす機会を組織内に探すことを援助することでもある。

以上でテキストは終了です。


「キャリア」は現在、人材育成、組織活性、経営の領域にも広がって、ますます面白くなっています。それにつれてキャリアの守備範囲も広がっています。広がり続ける「キャリア」に興味を持ってください。そして、この2冊のテキストに載っている理論をベースに持つことをいつか達成してください。

なぜなら


「キャリア」は必ずみんなの人生を充実させるアカンパニスト(伴走者)だからです。


#キャリア #アカンパニスト   #キャリア理論 #キャリアカウンセリング理論 #ワンゼロアカデミー #アサーション #ABCCDE理論 #マズロー欲求段階説   #モチベーション   #キャリアアンカー   #ハーズバーグ #シャイン #衛生要因と動機付け要因



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?