彼女にとって描くことは、幻想にすぎない
毎日一心不乱に筆をとる。画材は何だっていい。
その時手に取れるもので描く。
毎日とにかく描く。気が乗るとか乗らないではない。毎日描かずにいれないのだ。空気を吸うように描く。
夢を求めて描いていないと言えば嘘になる。
描いた作品が地肉になっていると言えばその通りだ。
作品自体は手元に残る。物理的に。
ここに描かれたものは自分自身から生み出された何かなことは確かなようだ。
きっと明日もこの部屋のどこか、またはこの部屋以外に自分の作品が生まれる。
自分は絵を描くことで満足はしていない。ずっと描き続けたいと願っている。それにはこの行為が生業になれば良いと考えている。
人は簡単に、君の絵なら売れるよとか言うが、みんなが好き勝手に言うのには慣れている。言わせておけばいいと思う。売り出したら買えよと思っている。
自分の絵は売れるはずだと思っている。
私から生まれた絵と、それがまだ見ぬ購入者に届く日を考えて今日も描く。
野望とも言える私の幻想は、仮に成就したところで、まだそれは幻想の中にいるに過ぎないのだろう。
私は絵を描き続ける。
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