旅立ち

引っ越しを決めた。
遠い街に移り住むわけではない。
今の家からそう遠く離れるつもりはない。
だから新しい環境に対しての不安があるわけではない。
今までの想い出への寂しさは今のところない。
もしかしたら出てくるのかもしれないけど、今はまだない。

自分の夢があるかと言われたら明確に言えないが、今の状況が夢だったか?と問われると「今夢のような生活を送っています!」といえる人間なんて一人もいないだろうと思っている。そう思っている人はいい意味でポジティブ思考なだけだろう。全否定はしない。

漠然とした今への不満が引っ越しの原因ではない。自分なりに夢を追い求めてもいいのかなと思っている。世間は年齢的にどうだとか、今のあなたの状況的にどうだとか、とかく言いがちだが。そんなことを気にしてはいない。いやむしろ気にしていた自分と決別したいという思いが強いからこそ、そこを抜け出したいという突発的な思いからの引っ越しなのかもしれない。

街にはギター弾きや絵描きなどの素敵な人達がいる。私は写真が好きだ。好きなことをして生きている人たちが羨ましく思えたりする。
私には私のやりたいことがあって、そのやりたいこととやれることの距離を縮めていきたいという願望こそが、旅立ちの決意に至る感情だったんだと思う。

これからの苦しみも、いずれ笑える日が来ることを私は知っている。

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