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ゴールデンカムイ実写映画を観てきた件

※ネタバレがありますので未鑑賞の方はご注意ください。
映画化されてない原作の展開には触れないようにしています。










ゴールデンカムイ実写化に対する公開前の期待について

やーっと公開が始まった!!!ゴールデンカムイ実写映画!!!
実写映画化発表以後はずっとこれを楽しみに生きてきた。
映画化の噂が聞こえてきた時、大変失礼なことだが、主演が山﨑賢人と聞いてマジで大丈夫なんだろうか、線細くて顔がきれいすぎないかと不安になった。
しかし原作者:野田サトル先生が自信を持ってGOサインを出したとのコメントを聞いて、不安だった気持ちがすぐに期待の気持ちに切り替わった。
公開前から杉元のマフラーがバーバリー並みのピカピカきれいすぎるんじゃないか問題で軽く炎上していたが、私は野田先生のコメントを信じ、観に行くことに迷う気持ちはなかった。
(本当はちょっとだけあったが、都合よく記憶は上書きした)。
原作はちょいちょい読んでいたけど、完結してからまとめて読んだ派なので熱い原作ファンとは言えないかもしれない。
しかし、一人のゴールデンカムイのファンとしてこの映画はどうなるんだろうとずーっとソワソワしていた。
公開初日は休みをとって映画館まで観に行きたかったけど、転職したばかりで有給がないから休み取れなかったため我慢した。
そのため、はやる気持ちを抑えて一日の仕事を終え、公開初日に劇場に滑り込んでみてきました!!!

公開初日

ド頭からブチ上がる二百三高地戦

ナレーションはアニメ版の尾形を演じている津田健次郎。
(何も知らされていなかった試写会勢が映画始まりつんちょのナレーションが流れた途端、ザワついていたそう。公式発表があるまで黙っててくれた試写会勢ありがとう)

映画は日露戦争の二百三高地戦から開始。
主人公と登場キャラ、その後の人格形成に大きな影響を与えた日露戦争。
砲弾の音が響いて、ワーッという声とともに突撃。
高いところからワンカットで杉元までカメラが滑っていき映していく技術がすごい。
あまりよくないことなんだけど、この砲撃シーンからの開戦、迫力があって胸がドキドキして盛り上がる。
同時に当たり前とはいえ戦争が人力で行われていたことを実感。
私は戦争を経験したことがないから実際はわからないけど、号令とともに旗手が旗持って飛び出てきて、ラッパを吹く人がいて、塹壕から日本軍がワーって飛び出して行って、ロシア軍はマキシム機関銃を撃ってきて、みんな倒れていって、その隙間を縫ってみんなロシア軍に襲い掛かって……視界に入ってくる情報として見るとつらかった。

北海道の大自然が綺麗

日露戦争の激しいシーンから打って変わって、北海道の美しい自然のシーンに切り替わる。
北海道の雪原を歩く杉元をバックに、「GOLEDEN KAMUY」の英字タイトルが入る。
この雪原がきれい。北海道の景色がきれい。
IMAXで見たら本当にきれいだった。
日露戦争後、杉元が北海道の川底をさらい砂金を探しているシーン。
どこで会ったんだかわからないおじさんと会話しながら、観客にも分かるように金塊戦争の説明タイム。
おじさんが酒を飲むときに「ゴクリ」っていう音が入るのがいい。
おじさん(マキタスポーツ)の「アンタならどうやって外の人間に伝える?」「……入れ墨だよ」のセリフ、すごくいい。
原作で杉元がウトウトしてたらガチャガチャ音がしておっさんが撃ち殺そうとして、一気に緊迫のシーンに切り替わるのがとにかく好きだったので、これを再現してくれてよかった。
おじさんが銃の扱いに戸惑ってて、杉元が銃の扱いに慣れていて、この対比がカッコいい。
逃げたおじさんを追いかけていったら、雪におじさんが埋もれているシーンが不気味。
背景の音楽がいい。
杉元がおっさんの遺体を担いで歩いて、フと振り向いた瞬間、子熊がよちよち歩いている。
カメラが切り替わって杉元がアップになった瞬間、背後からクマが視界に入って襲い掛かるシーン、本当によかった。
クマのCGがここまでリアルですごい。
CGってここまで進化していたんだという感動。
野田先生がクマのCGは心配ないとか言っていたけどその通り。
毒入りの矢がスッと放たれて、アシㇼパの顔にピントが合う。
登場するアシㇼパが本当に凛々しく、クマの内臓を掻き出して祈りを捧げるアシㇼパが北海道の風景の中で神々しい。

最強すぎる敵、クマ

杉元がアシㇼパに金塊を探さないかと持ち掛けるシーン。
焚火と、アチャ(父)を思い出すアシㇼパ。
熊を迎え撃とうとするが、逆に襲撃に遭うアシリパと杉元。
この杉元の後ろからヌッと現れる熊怖かった。
アシㇼパが雲が晴れて月明りで見えるようになった瞬間、弓を引いた時もワンカットで弓が飛んで行ってすごい。どういう技術なんだ。
アシㇼパを助けるために茂みから飛び出してくるレタㇻ。
クマのCGもすごいがレタㇻのCGもすごい。
CG同士の戦いなのにリアル。
白石の頭をかじる予告みてレタㇻのCGは何も心配してなかったが、実際に出てきたレタㇻを観たらモッフモフで大満足。
飛び出してきたレタㇻを見るアシリパの顔が好き。
無事に倒したクマの下から這い出てくる杉元に、アシㇼパが手を伸ばして、これから相棒としてやっていくんだぞという少年漫画的な展開が熱い。
リスをくくり罠に嵌める解説をするアシㇼパの笑顔が純粋でウケた。
杉元の「俺、リス好きなんだけどなー……」のなんとも言えない顔が面白い。
アシㇼパの「私もリスは好きだ、肉がうまい」的な発言がそれじゃない感ある。

小樽(ドン!)の題字が好き

もうこの小樽の題字が本当に好き。
この映画、題字の出てくるときのワクワク感が止まらない。
テンションぶちあがる。
小樽の町を歩くエキストラの皆さんの細部の衣装が凝っている。
銭湯で聞き込みをする杉元の全身が映るシーン、あれ!?山﨑賢人の身体すごくない!?ムキムキマッチョになってる!と思った。
インタビューによるとこの映画のために山﨑賢人が10kg増やしたらしい。
全身に縦横無尽に存在する傷も特殊メイクで再現されていて、湯気に耐えられてすごい。
小樽の街中で聞き込みする杉元とアシㇼパの背後に出てくる白石と笠原(モブ)。
町から出てきた杉元とアシㇼパ、そのままカメラがクルっと回って背後の白石と笠原。
罠にかかったときにさりげなく映る笠原の胸元と白石の腹の刺青。
さらっと出てくる白石と行動を共にする笠原、何気に原作のビジュアル通り。
杉元の「刺青を掘った男はどんな男だ?」に対する笠原の「……のっぺらぼうだよ」のタメたセリフいい。

この映画で一番好きな杉元のイケメンセリフ。
白石「あのアイヌはお前さんの飼いイヌかい?」
杉元「二度としゃべれんようにしてやろうか」
アシㇼパ「よせ杉元、私は慣れている」
杉元「慣れる必要がどこにある」
って返すシーン。
山﨑賢人の杉元がイケメンすぎるため、たぶんこのシーンで杉元のガチ恋勢が増えたと思う。

強敵オーラがすごい尾形

突然、頭がぶち抜かれる笠原(モブ)。
初めて見たとき音も合わせてビビっちゃった。
枷と一緒に逃げる白石かわいい。
遠距離から狙撃する一人の男。原作で人気のあるキャラ、尾形登場。
外套から目元が見える尾形が色っぽい。
眞栄田郷敦って普通に美形なのに、個性的な尾形の顔がハマっている。
原作の尾形の初登場のシーン、「陸軍最強の第七師団」って脚注つく割にはへっぴり腰すぎないか?尾形って接近戦が弱そうと失礼なことを思っていたが、眞栄田郷敦があまりにも強者スタイルで出てきたからビックリした。
というか近接戦は杉元が最強で、それに比べれば他のキャラは弱そう、というイメージが勝手にあったためである。
「どれだけ危険な賭けに手を出しているのか、わからんのだ」という初期のキャラ設定ブレブレ期セリフを言ってくれてよかった。
押さえつけられてる尾形の目が猫目でかわいい。
川に落ちてく尾形、めっちゃ寒そう。
そのまま逃走を図る白石を杉元が追って、二人で川に落ちるシーンも寒そう。
川に落ちて杉元の後ろで白石が白目向いて「頭が、頭が割れそうだーッ」ここめっちゃ笑う。
無事に火がついて喜ぶ杉元と白石。完全に中の人たちが嬉しそう。
腹を空かせて杉元とアシㇼパが見上げたリスが一瞬で食材になっていて草。

幕末の亡霊、土方歳三

ゴールデンカムイで一番ありえない設定は、函館戦争で死んだはずの土方歳三が生きていること、このあり得ない設定が心を掻き立てるんだよ……ロマンだよロマン……
土方歳三のキャスト発表の時に舘ひろし……え、舘ひろし!?になった。
もう、まんまじゃん。
舘ひろしは果たしてゴールデンカムイを読んだことがあるのか。
「牛山ァ」この言い回し、アニメの中田譲治感がある。
牛山が原作通り豪快に遊女を吹っ飛ばしてて笑える。
「男子はいくつになっても刀を振り回すのが好きだろう?」
カッケー!!!カッコよすぎる!!!
ここも何気にぐるりとカメラが回ってワンカットで撮っている。

この鶴見中尉がスゴイ、2024

川に落ちた尾形が担架に乗せられてブルブル震えててかわいい。
それを見てニヤニヤしている二階堂、いい性格してるなあ。
そこに馬に乗って現れる鶴見中尉。
もう慣れていてなにも思わなかったが、頭に額あてをして大きい傷がある異様な風貌は映画で見ると迫力がある。
もうカッコよすぎる……カッコよすぎる……カッコよすぎる……
それ以外、なにも言えない。
カッコいいという言葉すら、陳腐に感じる。
鶴見中尉が登場してきた瞬間、胸がいっぱいになった。
なんと言えば適切な表現と言えるのかわからない。
原作から出てきたような鶴見中尉。玉木宏みがある鶴見中尉。
それがいい塩梅で混ざり合って、完璧な怪しい魅力がある鶴見中尉に仕上がっており、どういう風に生きてきたらこんな風に仕上げることができるのかわからない。
登場のときスローモーション入って、それが最高にいい。
鶴見中尉の登場シーンで何杯でも白米食べられる。

丁寧に立てた死亡フラグを回収していく玉井伍長

クマの巣穴の前で杉元とアシリパが話していたら、第七師団の追手に見つかったシーン。
スキーで滑走していく第七師団の追手四人組。
早い、早すぎる。
本当にサーっと滑って行ってすごい。
アシㇼパに谷垣、杉元に三人組、の組み分けで追い詰める第七師団。
このときの組み分けが命運を分けたね。
「お嬢ちゃん、降りてきなさい」とアシㇼパに声かける谷垣はやさしい。
後々の展開を考えると生き残っててくれてよかった。
杉元を追いかける玉井伍長と野間、岡田の三人組も地味に好き。
この三人のビジュアル、すごい原作に寄っている。
クマの巣穴にもぐりこんだ杉元に対し、玉井伍長の「見苦しい……」「もういい、撃とう撃とう!」の言い回し最高。
この三人組が熊に襲われるシーン、グロすぎて映画化できるのかなって原作読み返してて思ってたけど、玉井伍長が顔ベロンがちゃんと再現されていた。
これのせいでPG12になっているんじゃないのか?
唐突な巣穴目線で三人組惨殺されて笑う(笑えない)。
下手なホラー映画より怖い。
杉元が子熊抱えて出てきて、アシㇼパにバレるけど、一緒にコタンに向かうシーン。
横からアシリパの顔に光が入るけど、目に黄色の光彩が入ってて、CGで入れたのかな。
とても綺麗。

アイヌの楽器がほしい

アイヌのコタンに到着。
アイヌの人たちってこうやって暮らしていたのかな、というイメージ。
子役の皆さんのアイヌ語の言い回しが自然すぎる。
子供たちがアイヌの楽器をビヨンビヨンと鳴らしていた。
私もあの楽器、網走で買おうと思って結局やめちゃったんだよな。
買えばよかったな、と今だに公開している。
アイヌの子供たちに取り囲まれる杉元。
アシリパの祖母であるフチが登場。
フチが鼻の下をこするのはアイヌ式の挨拶っぽい。
杉元も軍帽を外して挨拶していて、礼儀正しくていい。

フチに家に案内された後、アシㇼパが従妹を紹介。
杉元「杉元ってんだ、お嬢ちゃんは?」
オソマ「あたし、オソマ」
杉元「うんこじゃねーか、馬鹿にしやがって」
は草。

「アシㇼパは縫物ができないから杉元の旦那が嫁にもらってやってくれ」ってフチがアイヌ語でいうのをわざと通訳しないアシㇼパ、乙女でかわいいね。
またグルメタイム。カワウソの鍋登場。カワウソの頭を差し出すアシㇼパが突然杉元目線。
カワウソの頭を食べようとする杉元、めちゃくちゃ面白い。

杉元とアシリパの離別

アシㇼパの大叔父がやってきて、杉元に金塊には呪いがついていると忠告するシーン。
回想で入る小さい頃のレタㇻかわいい。
普通の白い犬みたい。ソフトバンクの犬っぽさがある。
小さい頃のアシㇼパもかわいい。
改めてみると、狩猟小屋で小さい女の子と狼だけで冬山の中生活するアイヌってすごい。
どこからか狼の遠吠えが聞こえてきた瞬間、悲しそうな顔するレタㇻ。
この二人(一人と一匹)、ずっと一緒にいてほしかった。
アシㇼパの大叔父が去ったあと、フチが杉元の手を握って何かのアイヌ語を言っているのだが、字幕がないためわからない。
ここだけ字幕がないのに、フチがアシㇼパのことを大切に想って言っているのは杉元に伝わる。観客にも伝わる。
コタンで笑うアシㇼパ、日露戦争で人を殺す杉元。
悲しい対比。
アシㇼパを巻き込めないと思ったのか、雪原の向こうにゆっくり消えていく杉元の背中。
起き上がって何かに気づくアシㇼパの表情。

和田大尉、結構好きだったのに

吹雪く山にて、消えた谷垣with三人組を捜索する第七師団。
「これ以上の捜索は、困難です!」と鶴見中尉に報告する二階堂がなんかかわいい。
「鶴見ぃ~!」とブチ切れながら馬に乗る登場する和田大尉の後ろに、私の推しである月島軍曹も一緒に登場。
和田大尉が本当に顔も立ち振る舞いも原作通りすぎる。
ドロ~っと鶴見中尉の額に流れてくる変な汁。
本当にどこから出てくるのこの汁。
鶴見中尉、狂気のシーン、和田大尉の指丸かじりタイム。
かじった指を吹き飛ばして、スローモーションになって和田大尉の帽子に当たり、指かじられてドン引きする和田大尉。
和田大尉の「(鶴見中尉を)撃て!」のあとに、原作にない「月島軍曹」と付け足していて、そのときにドン!と「第七師団 月島基」と入る。
原作のときはまだキャラ未確定で絵柄がブレブレでモブ感が本当にすごいので、モブじゃないんだ感がある。
原作だと読み返しても、もはや月島軍曹かわからないほどモブの顔しているので。
銃で撃ち抜かれる和田大尉、あっさりしてていい。
この第七師団が吹雪で映るシーン。かっこよくていい。

和泉守兼定奪還

小樽の町で白石と牛山が邂逅。
牛山が掴もうとしたら白石が首曲げたまま逃走して、全力ダッシュで追いかける牛山が面白すぎる。
白石が第七師団を巻き込んで小樽の町でドンパチ開始。
予告でも使われていた白石の「ナニナニナニィ~!?」が最高。
町の騒ぎが大きくなりすぎて鶴見中尉も登場。
死体撫で繰り回す鶴見中尉の手付きがなんかいやらしくない……!?
爆発が起こった銀行に鶴見中尉も到着。
銀行に収められていた刀がなくなったと聞いて、何かに気づく鶴見中尉。
銀行の窓を開けて見下ろし「土方歳三~!」って叫ぶ鶴見中尉の(対等に戦える宿敵が現れたぞ)っていう表情がいい。
馬に乗って和泉守兼定を掲げ、颯爽と去っていく土方歳三がかっこよすぎる……!
土方は馬を、鶴見中尉は帽子を交換していくのかわいい。

二百三高地戦で映る鶴見中尉がバクイケすぎる問題

コタンにアシㇼパを置いて出てきた杉元が蕎麦屋でそばを食べるシーン。
蕎麦が普通に美味しそう。
蕎麦を食べてホッと息をつく杉元、何考えてるんだろう。
蕎麦がおいしいなって考えているのかアシㇼパさんは今何しているのかって考えているのか。
二階堂兄弟との乱闘に備えて、後ろのおじさんがどんぶり持ってこっそり退避していくのがいい。
杉元が二階堂兄弟にドロップキックしててすごい。
二階堂兄弟が「殺そう、殺そう」て言ってウロウロしたあと、鶴見中尉に威嚇射撃されて後ろで不服そうな顔しててよかった。
第七師団のアジトに連行されて鶴見中尉に詰問される杉元。
団子を使って机に「ふじみ」を書く鶴見中尉、今度は下からのアングルでガガラスに書いてるであろうカットが入ってて製作者側の熱いこだわりを感じる。見たいよな、団子で文字書く鶴見中尉。
改めて画面からはみ出る月島軍曹デカすぎる。
鶴見中尉が馬鹿にされて俄かに殺気立つ第七師団いいですねぇ~。
鶴見中尉の杉元に対するスピーチ、熱い。説得力を感じる。
「我々の戦争はまだ終わっていない!」
私もこれを聞かされたらついていっちゃうけど、正直靡かない杉元すごいというか、なんで靡かなかったのか。
鶴見中尉の串刺しシーン、PG12だしなくなるのかなと思ったらちゃんとあっってよかった。
「ロウソク、ボリボリしちゃおうか」もそんなに歯が鳴るのかってくらい鳴っていてウケる。

良すぎる月島軍曹

二階堂兄弟の杉元に対するリンチタイム。
二階堂(どっちかわからない)の「串団子野郎!」この言い方好き。
アシㇼパがレタラに靴下かがせてゲェッてなるシーンと、レタラに噛みつかれる白石も何回観ても笑ってしまう。
ハラワタがはみ出た杉元を町一番の医者に馬ぞりで連れていく月島。
やっぱりデカい!
玉木宏も180cmあるから決して鶴見が背が低いわけじゃないんだけど、
帽子被ってる分だけ月島のほうがデカく見える。
馬ぞりで移動するシーンで「はッ」て掛け声出す月島、本当に愛しい。
(二階堂の)ハラワタを捨てる杉元を見る月島の(コイツ、マジか……)の顔が超好き。
杉元をボコボコに殴る月島軍曹が好き。
アシㇼパが馬ぞりに飛び乗ってくるシーン本当にいい。
続けて二階堂との戦闘シーン、馬ぞりに乗ってきた二階堂が馬一回経由して着地するのすごい。
アシㇼパが投げたストゥをキャッチする杉元の体制がすごすぎる。
二階堂が雪に突っ込んで、馬で疾走する杉元とアシㇼパの後ろでドーンと爆発する雪のシーン、新しいアクション。
これ思いついたとき、久保監督の脳内アドレナリン出まくっただろう。
ここで終わりかと思いきや、ラスボス感あふれるBGMと共に馬に乗って現れる鶴見中尉。
杉元と息の合ったアシㇼパの弓で馬が倒れて落ちるけど、そこから鶴見中尉が原作のターミネター走りを完全再現。
「今日はやめておこう」って銃を無駄撃ちしない鶴見中尉カッコいい。

杉元が金塊を探す理由

感動シーンかと思いきや、ストゥで杉元をぶん殴るアシㇼパ。
杉元がなぜ金塊を探し求めるのか、回想が始まる。
杉元が自身で家に火を放ち、梅ちゃんと別れるシーン。
村に戻ってきたら梅ちゃんは寅次と結婚していたよ、っと。
寅次を投げ飛ばして「結婚おめでとう、寅次」てサクッという杉元。
いやー、この杉元イケメンすぎる。寅次も勝てないなってなるわ。
日露戦争では反対に、ロシア兵の自爆に巻き込まれる杉元を投げ飛ばす寅次。
目の病気が悪くなり、微かな花の匂いで花の名前を当てる梅子が、杉元の匂いは人を殺しすぎたのでわからなくなる、と。
悲しい。
ゴールデンカムイは日露戦争で無くしたものを取り戻す物語と誰かがポストしていたが、その通り。

三回あるエンドロール

映画にまだ出てないキャラがワンサカ出てくる。
二瓶、辺見、家永、インカラマッ、キロランケ。
インカラマッが高橋メアリージュンさんで、キロランケが池内博之さんなのはわかった。
第七師団から脱走した白石が杉元とアシㇼパに合流して食べる桜鍋、本当においしそう。
このシーン、白石は小さい肉切れを取るのに、アシㇼパが結構がっつり肉切れを持って行って食い意地が張ってていい。
杉元が片手で卵割るのが器用というイラストが流れてきて、どこのシーンだろうと思ったらこのシーンだった。
勝手に桜鍋にオソマ(味噌)を追加する杉元。
慄くアシㇼパ。味噌抜きで桜鍋を作り直そうとする杉元に歩み寄りを見せて食べてくれるアシㇼパ。
杉元とアシㇼパと白石のトリオ最高。

山﨑賢人に大感謝

映画化が決まって山﨑賢人に決まったと聞いたとき、イメージ違うなって思っていた。
山﨑賢人、よかった。もし続編があるなら山﨑賢人以外考えられない。
杉元が美形設定だったことを山﨑賢人のおかげでジワジワ思い出してきた。
野田先生が山﨑賢人に「僕は味方ですからね」って言ったと。
山﨑賢人だって実写映画化の批判の声聞こえてないはずがないのに、映画が公開されるまで、ずっと孤独で戦っていたんだなあと思った。
申し訳ない。そして杉元佐一を演じてくれてありがとう。

変顔のアシㇼパと強者オーラを放つ尾形

アシㇼパの山田杏奈。
初めて知った俳優さんでしたが、凛としたアシㇼパを演じてくれた。
声がいい。
振り切った顔芸がいい。
「これ、オソマじゃないか!?」「……気持ち悪い」
要所要所の言い方が面白かった。
尾形百之助の眞栄田郷敦。
イケメンすぎてやぱい。
登場時のフードからチラ見する尾形があまりにもセクシーすぎて……
猫目がピッタリすぎる。
尾形といえば津田健次郎みたいな世間の風潮を気にせず、自分なりの尾形のキャラ作りしてくれて本当に良かった。
強キャラ感がすごいので、続編があるなら活躍に期待。

原作から飛び出てきたような鶴見中尉と土方歳三

キャスト発表のときからザワついていた、玉木宏の鶴見中尉。
原作読んでいて鶴見中尉のイメージが玉木宏だとは正直なかったので、野田先直々のオファーと聞いて正直びっくりした。
映画見たら、野田先生が描きたかった鶴見中尉はこれだったんだなって、ストンと頭に落ちてきた。
鶴見中尉のいう計画、実際可能かどうかわかないけど、この人の言うことについていきたい、と思えるカリスマ性。
舘ひろしの土方歳三もビジュアルがそのまますぎてビックリしたけど、しゃべり始めても土方歳三でビックリした。
何回か見て気づいたが、土方の登場のシーンは静なのに、鶴見の登場シーンは動なんだよねえ……

デカすぎる月島軍曹、生きた白石、二階堂兄弟

私のゴールデンカムイにおける一推しのキャラ、月島軍曹。
キャスト発表のときは身長が180cmと聞いてたまげた。
(原作の月島はかなり小柄の設定)
鶴見中尉に何か言われたとき、スゥっと目線が動くのがよかった。
着々と命令を遂行する原作のロボット感。
月島軍曹を演じた工藤阿須加がひたすら「はい」を練習したらしいが、想像以上に「はい」と言っていて、これは練習必要になるわって映画終わって一人でウケてしまった

脱獄王白石が凄かった。完全にノーマークだった。
原作にない挙動を結構してるけど、現実に白石が生きていたらこういう動きするんだろうなあって思わせてくれた。すごい俳優。

二階堂兄弟は殺陣が凄かった。演じ分けも凄かった。
白石に投げた手榴弾をノールックで渡す二階堂兄弟が好き。

続編に期待したい気持ち、続編なくてもいい気持ち

エンドロールで未登場のキャラが出てきたことによって、続編があるんじゃないかとみんな言っているけど、正直続編作る気あるんだろうか、と私は思っている。
あまりにも良すぎたから、続編を見るのが正直私はこわい。
この完璧なままで終わってもいいんじゃないかと思う。

「もうマンガは実写映画化するな」という声が大きくなっているが、個人的にはゴールデンカムイは実写映画化してくれて大変よかった。
友達に勧めたり、フォロワーにも勧めたりして、結構みんな見てくれて、私に気を遣っているのもあると思うけど、観に行ったひとはみんな面白いと言ってくれた。
(今回の映画化に関して作者のスタンスが合わないので観に行かないとか、役者のイメージが違うので観に行かないとかいう人もいたが)
久保監督は実写映画の監督が自分に決まった時、うれしくて泣いてしまったと。
そういう話を聞いて、ファンとして本当にうれしかった。
今回の二百三高地戦実写化は、ドラマ『坂の上の雲』以来とのミリヲタのポストが流れてきた。
久保監督は、二百三高地戦ノートを作って挑んだらしい。
原作ではこのシーンでは杉元くらいしか映っていないかったけど、第七師団のキャストさんには経験してほしいから呼んだらしい。
何から目線かわからないが製作サイドに感謝しかない。
「GOLDEN KAMUY」の英字のオシャレなフォントが入ったスチルが公開された時、原作ファンの間でも「こんなオシャレなタイトル、ゴールデンカムイじゃない」ってザワザワしていた。
本編が終わった後、サーっと流れた金塊がマンガのロゴに変わっていくシーン。
もうここでまた泣いてしまった……原作のゴールデンカムイに対するリスペクトを感じる。
この映画に携わる方々一人ひとりが、リスペクトを持って挑んでくださったことに本当に感謝。
素敵な映画を観ることができてよかった。ありがとう。
正直続編があるならめっちゃみたい。

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