家出計画  告知・2

話始めて3時間が経過していた。
息子の迎えに行く時間。
一旦話が終わり、母は2階へと上がって行った。

30分後に戻ってきても母は2階にいた。
とくに話しかけにもいかずいわば放置。
私は言いたいことは言えたし、引っ越しは決定事項なんだもん。
いまさら母を説得したいとは思えず
遅い晩御飯を食べている息子と普通に話をしていた。

日付が変わって、息子は自室へ、私は眠かったので布団に入り
ウトウトしだしたら玄関のカギがあき出ていく音。

息子も慌てて降りてきて、母の部屋が電気つけっぱなしのスマホも置きっぱなし。着替えている感じもないからパジャマ姿。
玄関をみてみればつっかけサンダルがない。
少し雨も降りだしていて夜中となればこの辺は真っ暗だ。

母に限ってないとは思うが、ひと様の車に飛び込んでしまう
可能性がないとは言えない。
とりあえず私だけ外に探しに行ってみるものの姿は見えず。
一度戻り、息子は自転車で、私は車で探すことにした。

20分後くらいかな。
「心配してくれなくて大丈夫。私は死にません。
家に居ます」
というラインがきた。
すぐに息子に知らせ、先に帰った息子が聞いたらしい。
どこにいたのかと。
「家の裏」
はぁ・・・・。かまってちゃんじゃん。
私たちの反応を見たかっただけじゃん。

んー。めんどくさ。

そして私が家に戻ると今度は2階からドタバタと音がしだした。
息子が自分の部屋に戻るふりして様子を見に行くと
旅行鞄に服を詰めながら
「私が出てくから」
と。
こんな時間に?電車もバスも、タクシーすらないのに?

息子に出ていく宣言をして、ドタバタアピールしてても
私は部屋に来ない。
もちろんアピールなだけで出ていく気なんてない母。
荷物をもって下に降りてくることはなかった。

そこから1時間くらい経過したところで下に降りてきて
「聞きたいことがある」
と。さすがに3時をまわっていて寝てた私を起こし
何を聞きたいのかと思ったら

「男か!男ができて、その男にそそのかされているのか!」
「それとも、何か宗教か?」

何を聞きたいのかと思ったら・・・。

いつもの○○(私)じゃない。
今までならこんな行動しない。
あんたの考えじゃない。
洗脳されているんだ!

んー。めんどくさ。

勿論、全否定した私に「わかった。聞きたかったことはそれだけ」
と言いまた2階へ上がる。
で、すぐにラインが飛んできた。

“いっそのこと、山に捨ててくれ“

“26日以降のライフラインを全て止めていい。私は飢え死にするから“

“こんな70すぎの親を捨てていくなんて正気じゃない“

このような内容がエンドレス・・・。

かける言葉も見つからず、既読はするが返事をせずにいた。


母は年金があるが、微々たる金額。
それで生活をしていくには無理がある。
皆様には申し訳ないのですが
生活保護を申請するようにと話ししました。

それが、絶対嫌だ!と言ってききません。
プライドが許さない からだと。

なんなんだ。そのプライド。
ばかばかしい。

翌朝。
事前に話をしておいた兄に連絡をした。

母に告知する2日前にラインで連絡。
引っ越しすること、生活保護を申請させることなどを綴った。
兄からは「反対はしないよ」と来ていた。

母は兄の言うことならすんなり受け入れる。
だから、生活保護をかたくなに拒む母を説得してくれと連絡したのだ。
そうしないと、兄にも火の粉が飛びますぜぃ?って脅しつつ。

兄から連絡がきた母は日曜日の夕方。
話しかけてきて、全て納得したと。
生活保護も申請するし、私の引っ越しも仕方ないことだと。
月曜日に市役所へ問い合わせたらしい。
状況から保護が受けられそうだと言われて安心していた。

引っ越しまであと3日。
絶縁状態で家出決行と思っていた分
穏やかに引っ越しができそうだ。
母がこれを機に本当に変わってくれて、優しい気持ちになってくれることを
願うばかりだ。

《とりあえず距離を置くため》
とつい言ってしまったが、正直戻るつもりはない。
兄がちょいちょい様子を見にいくと言ってくれたし。
それでいいじゃないか。

この家出計画。最大の山場は無事に超えることができた。

もうほんとにあとは引っ越しだけだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?