短歌 1月【地球】【自由詠】

第180回「短歌ください」に送った短歌15首です。


【地球】

遠足が楽しみで眠れない子のために隕石軌道を変える

大きめのサイズも奥にと告げられて台車に乗った地球儀ひとつ

恐竜も歩いただろうこの道をまっすぐ行くとドンドンドンキ

ブラジルのとある村では数日に一度地下からギャグが聞こえる

マジシャンが次に消すのはこの地球 ドラムロールが海をも超えて

時たまに噴火するから愛おしい灰の塗装を屋根施され

帰還して「地球はどんな色でした?」日に何回も振られ続ける

脇道へ逸れてガターを突き進む14ポンド貸し出しの地球

楽園の林檎のような蜜を持つツツジを吸って社会に触れる

教科書の紙とインクで構成をされた地球でそれでも生きる

【自由詠】

目覚めると小さい綿が落ちていてもしかしてキミぬいぐるみなの

身分証何も持たずに部屋を出て誰でもないまま会いに行きます

食べログで星4評価されているらしいよそこにできた猫カフェ

シャワーから流れる水の勢いでようやくここが実家と気づく

プリクラのらくがきで試されているように思うのだから嫌なの

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