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シャニマス5.5thライブ『星が見上げた空』:シャニマスが見上げる将来への展望

 2023年10月21日・22日に幕張イベントホールで開催された標記のライブ。私はDay1配信、Day2現地で参戦いたしました。5.5thというハーフアニバーサリーでありながら、通常の周年ライブに匹敵する、いや、それ以上と言っても過言ではない濃厚かつ記念碑的な内容だったと感じます。
 Day1・Day2で追加組・初期組に分かれ、そこに今回初登場のCoMETiCが加わる。衣装と楽曲でユニットの歩みを振り返りつつ、最新の楽曲も披露し、そしてこれから始まるシャニアニとシャニソンへの期待を高めていく。構成も素晴らしければ、キャストのパフォーマンスも素晴らしい。初登場時とは比にならないほど力強さ、繊細さ、美しさ、そして多彩に輝きを増したユニットの姿と、築いてきた絆を見せつけられた思いです。

 本公演への想い、私が観た(幻視した)ものをできるだけ言語化して綴っていきたいところですが、公演直後のいわゆるクソデカ感情のまま書いている部分があるためまとまりのない文章になってしまうかも知れません。ご容赦下さい。
 セトリを全曲順番に書いていくと終わる気がしないので、ユニットごとにまとめて記載していきます。

 ちなみにDay1はアソプレ先行に落ちた時点で休日勤務が確定していたので、泣く泣くそれ以降の抽選は諦めました。一方Day2はアソプレ先行で当選、スタンド2階のCブロック最後列(センターステージの下手側真横あたり)でした。段差はあれどトロッコ通路に面しており、センターはもちろんメインステージも程々に近い良席でした。ありがたい。

ステージ形状概略とDay2自席位置

1.Day1

1−1.コメティック

 Day1の1曲目からCoMETiCで驚きましたが、それ以上にパフォーマンスの仕上がりに度肝を抜かれました。川口さんの斑鳩ルカが憑依したような鬼気迫る姿はやはり圧巻、三川さん小澤さんも負けじとついて行っている……と最初は思っていました。
 違った。
 2人ともルカとは違う強みと持ち味があり、その面では283プロの他のアイドルすら圧倒できる力を備えたアイドルだった。Day1を配信で見たときにその感覚を持ったのですが、Day2を現地で見て確信しました。詳細はDay2の項で記載します。

 『無自覚アプリオリ』『くだらないや』『平行線の美学』が3人それぞれをセンターとして特徴づけた曲になっており、283プロの他ユニットが一貫したコンセプトでプロデュースされているのとは一線を画しています。CANVASシリーズが3曲構成になっているのはまさかこのため…?

1−2.シーズ

 ゲーム内コミュを重ねるたびに関係性が変化し、ようやくユニットとしてまとまった感のあるSHHis。283フェスの朗読劇、MUGEN BEATでの『いつだって僕らは』などで感じた不穏さの表現はもはやありません。周年曲である『Resonance+』『Color Days』を歌うその姿には、高難易度のユニット曲をこなして成長してきた余裕のようなものと、思い入れのあるであろう曲に込める意気込みが感じられました。本公演直前に283フェスのリバイバル配信をしたのは、SHHisの変化を強調する狙いがあったのかも知れません。

 初登場の3rdでのみ着用していたユナイトバースプラネタリを、今回はユニット曲でも着用。タイトなユニット衣装とは雰囲気が全く変わり、特に『Fashionable』のラテン風の曲調との高い親和性に新たなSHHisを見ました。

1−3.ノクチル

 ハードな曲が多いDay1のユニットの中にあって、ソフトかつ我が道を行く独自性を持ったノクチル。何と言っても、MUSIC DAWNと同じ場所、同じようなステージ構成で再び披露された『あの花のように』と『いつだって僕らは』……あのときは無観客、照明・演出の1つとして座席に設置されたペンライトが、今は満員の観客一人ひとりがペンライトを手にノクチルを観て応援している。トロッコで観客の中を走りながらその応援に応えている。Day1のエモさの最高地点で何度見ても限界を迎える

 周年曲は『シャイノグラフィ』と『Dye the sky.』、衣装はサンセットスカイパッセージ。淡い色合いと透け感が、やはりノクチルに非常に似合っています。その一方で、その青、その赤、自分の色で空を染めろという歌詞が、各アイドルのコミュやソロ曲を経て個人のカラーを見つけていった今のノクチルに見事にシンクロしています。

さよなら、透明だった僕たちチルアウト、ノクチルカ

1-4.ストレイライト

 最初に追加されたユニットで、他キャストも「最初に追加になったのがストレイライトで良かった」という旨の発言をたびたびされているように、以降の流れにも大きく影響したストレイライト。シャニマス随一のストイックさで知られ、ライブごとにパフォーマンスに変化を付けレベルを上げ続けていますが、今回も尋常ではないパフォーマンスを見せてくれました。特に『Wondering Dream Chaser』はもう何度も披露されているのにまだ上がるのかと底が見えません。ダンスのキレはもちろん、激しいダンスにもかかわらずブレの無い歌唱、指先まで使った力強さとスピード感の表現。更には間奏のダンス(いわゆる宗教画の箇所)で体を縮めて跳ねた瞬間の田中有紀さん。「【空と青とアイツ】芹沢あさひ」にしか見えません。狙ってやっているのか、もしそうでなければ奇跡か、もしくはあさひ本人なのか…

 衣装は周年衣装ながら初披露のオーバーキャストモノクローム。個人カラーを含んだ派手な衣装が多いストレイライトとしてはかなり見慣れない雰囲気になります。しかし逆に『いつかShiny Days』の落ち着いた曲調と歌詞が、各アイドルの素の部分と重なります。ストレイライトのことを歌った歌詞ではないはずなのにこんなに合うとは。

2.Day2

 Day1のセトリ及びAP生配信感想会を参考に、Day2のセトリは恐らく

  • 各CDシリーズからユニットごとに1曲ずつ

  • 周年曲はDay1で唯一やってない『Daybreak Age』の全体歌唱がある

  • 多分アンコール前か後で『Spread the Wings!!』

という程度のざっくりとした予想を立てた上で現地に向かい、結果的には概ね予想通りではあったのですが、あんなにA面曲攻勢にしてくるとは。本当にユニットを代表する強い曲しかない。

2−1.コメティック

 Day1で既に尋常ではないパフォーマンス力があることは見せつけられていたのですが、現地で見てより印象が強まったのが、三川さんのダンス力です。身長自体は大きい方ではないようですが、腕の振り、脚の伸びなどで非常に大きく派手に見えます。小澤さんも動きながらあの高速歌唱、現地で見ると尚のこと何であんなに歌えるのか分かりません。
 ステージで映えるダンス力の羽那、テクニカルなボーカル力のはるき、そして怒りや絶望を感じさせる圧倒的な負の表現力のルカ。凄いユニットが生まれてしまった。そして両日合わせて10曲13回の登板。初登場だぞ…

 なお後日の生配信とオーコメでも大型新人ぶりをこれでもかと見せつけていましたが…とにかくいろいろな意味で頼りになりそうです。小澤さんが最後のMCで泣いていたところで「守護れそう」というコメントだらけだったのが今見ると面白過ぎる。

2-2.アルストロメリア

 センターステージでの華やかさは随一。初期の曲であっても、今では妖艶さも漂わせた歌声で歌唱する部分もあり、そういった面でもアイドルとキャストが成長しているようでもあります。芝崎さんはダンスが苦手だという話をたびたびされていますが、毎回ステージ上ではそんな様子を一切見せず、『アルストロメリア』などはもはや熟練の域。

 配信では映っていませんでしたが『ダブル・イフェクト』でトロッコに乗っている時、黒木さんが音ハメでおどけるような煽り方をしていて、会場を楽しませよう、笑顔にさせようという甘奈らしさと黒木さんらしさが合わさったような様子が見れました。

2-3.放課後クライマックスガールズ

 やはり283プロの盛り上げ隊長、ストレイライトと並ぶ切り込み隊長的な印象のある放クラ。今回も全体曲後のトップで出てきました(音響ミスで今回はアルストかと思いましたが)。
 セトリに入ることの多い『ビーチブレイバー』ですが、披露のたびにMoIW2023で全ブランドのトップとして飛び出してきた姿を思い出します。『五ツ座流星群』の最後は定番となった決めポーズ、合体して星を作るVサイン。そしてBrilliantWingからは『夢咲きAfterschool』。2番だけ「なんばーわん」のコールをするよう5年間教育されてきた一体感……などなど、今までの様々なライブの積み重ねを感じさせる(勝手に感じている)セトリとパフォーマンスでした。

 私の席がセンターステージの下手側を真横から見る位置にあったため、白石さんと丸岡さんがよく見える状況でした。推しをこんなに見やすい位置から見れるとは…感謝しかありません。
 やはり白石さんは体幹が強い。上手いだけでなく元気さや楽しさが伝わってくる表情まで含めた表現力もさすが。脚を存分に使って智代子らしい可愛さが出せているのも白石さんのダンス力の成せる技。丸岡さんも筋力を鍛えたあまりにキレが増し、「もっと凛世っぽく」という指示が入ったそうですが、どちらもできるようにパフォーマンスの幅が広がったということでしょう。1stの頃は何だかフラフラしているようにも見えましたが、それも初期の凛世の印象に近く、そして今は万能感のある凛世。5.5年でアイドルもキャストも成長しているということをオーコメを通じて再確認できました。

2-4.アンティーカ

 初期組の中ではハード系かつクール系の楽曲担当。オーコメで礒部さんが言っていたように、今回の『バベルシティ・グレイス』での煽り担当は珍しく結名さん。誰がやるか相談していたときの話で結名さんの成長や変化が垣間見えたようで感慨深いものがあります。『愚者の独白』ではスタンドマイクを使ったパフォーマンス、ソロ曲でも使用する菅沼さんはさすがに慣れた様子でしたが、希水さんがとんでもない角度に仰け反っていたようで一瞬目を疑いました。CANVASシリーズからは『有彩色ユリイカ』。1・2曲目は明確に連作になっているし、1曲だけやるとしたらこれだろうという予想通り。

 3rdのときだったか、菅沼さんが「100%摩美々でステージに立つ」ということを言っていましいたが、今回も100%の摩美々でした。もちろん他のキャストも積み重ねてきた各アイドルとの調和、そしてユニットでの関係性や表現があり、ライブ以外ではクリパのときみたいに遠慮なく言い合ってる様子まで含めてアンティーカそのもの。

2-5.イルミネーションスターズ

 やはりイルミネは3人揃ってこそ。2nd以降、近藤さんが出演できる機会が減ってしまいましたが、3人いるときのパワーと圧倒的なアイドル感。灯織がいないからこそできる表現を工夫していたライブも見事な演出でしたが、5thDay2、この5.5thで揃った時の輝きに敵うものではありません。『We can go now!』で、笑顔で観客に応え楽しそうにコーレスをする姿。伸びやかに力強く歌う灯織、客席をしっかり見て歌うめぐる、瞳を輝かせ精一杯の歌声を届ける真乃。現地で本当に良かった。

 BrilliantWingの曲が無いままアンコールに入ったので、アンコール後に来るだろう、そしてこのA面曲連打の流れかつこのタイミングならやっぱり『ヒカリのdestination』だろうと思いましたが予想通り。予想通りでも涙腺に来る。5thDay2では反則だと思うような流れで披露されましたが、今回は安心感というか283プロの絶対的センターに成長した姿への信頼感を感じます。

3.両日のまとめ

 両日のセトリの傾向をまとめると、コメティックはCANVASシリーズの3曲全部披露となったため例外として、

  1. 基本的に各CDシリーズから1曲ずつ ※まだ曲数の少ないノクチル・シーズを除く

  2. CANVASシリーズからは主に3曲目 ※ノクチル・シーズは2曲目

  3. BrilliantWingのA面曲、追加時のCDシリーズのA面曲を全ユニット披露

  4. ユニット名がタイトル・歌詞・コールに含まれる楽曲をほぼ全ユニット披露 ※『Wondering Dream Chacer』が絶対外せないストレイライト、ユニット名が含まれる曲自体が無いノクチルを除く

  5. Day2は各ユニット追加時の周年曲をA面:コメティックと、B面:ユニット単独で披露

というところでしょうか。最新のCANVASシリーズから1曲入れつつ、各ユニットを代表する楽曲を中心に構成しています。そういう意味で、シャニマスの歴史、ユニットの楽曲、そして追加組はその時の周年曲を通して今までの流れを振り返ることのできるセトリでした。と同時に、これまでに経てきた楽曲によって成長したことにより、それぞれの始まりの曲を披露するとこんなに洗練されたパフォーマンスになるのだという現在の姿を観れる構成にもなっていました。
 個人的にはイルミネの代表曲の1つであり、3人揃った状態での披露はMUSIC DAWNが最後となっていた『トライアングル』をやるのでは、いや、やってほしいと思っていました(有観客の完全体っていつ以来…リリイベだけ?嘘だろ?)が、上記4.の条件に沿ったセトリを組んだということなら納得できます。もちろん『We can go now!』もイルミネにしては数少ないコール曲で盛り上がるので大好きですし、何より3人が楽しそうだった。結局どちらをやったとしても大正解です。

 そしてこのセトリ・演出・パフォーマンスを概観して振り返ると、シャニマスのライブ映像の入口として最適なのではないかと思います。もしアニメや新作コミックなどから興味を持ってくれた人がいれば、まずenza版(またはシャニソン)に向かうとしても、アイマスというコンテンツの特徴としていずれキャストのライブにもたどり着くでしょう。その時、まず最初に観てシャニマスのライブがどういうものかを理解するための資料として、強い曲とパフォーマンス、ユニットごとの特徴などが全面に出た5.5thが非常に分かりやすい(5thはとても新規には勧められない、4thの手紙の演出は最初に見るにはあまり適していない、3rd以前も諸事情により問題がある)。ついでに言えば、センターステージがあったためキャパは恐らく7,000人弱、予想集客数から言えばかなり狭い箱でしたが、その分コールが揃って聞こえるのでコールの勉強にも適しています。
 アニメの放送開始直前のタイミングでのこの内容のライブ。そこまで考えたマーケティング戦略なのかもしれないと勝手に思っています。

 すなわち、本公演を勝手に総括しますと、過去を振り返りつつ現在の姿を強烈に印象付けると共に、最新の楽曲や次回ライブの告知などで近い将来への展開を見せつつ、コンテンツとしてアニメやコミックなど間口を広げているのと並行してライブへの入口まで用意する…という、ファンとしては公演自体が非常に楽しめたのは勿論ですが、今後にも大変期待が持てる戦略的な公演でした。

 最後に、今回披露された曲をCDごとにまとめると以下の通り。改めて、もうこんなにリリースされてるんだという驚きと、本当に今までの歴史を総括するように多数のCDからセトリに組み込んでいるのが分かります。

CD一覧と披露曲まとめ(ソロコレ・オフボーカル・ベストアルバム除く)

 曲が増えるにつれて披露の機会が減る曲も出てくるでしょう。そんな中、各ユニット1日だけの出演にもかかわらずこれだけ多数の曲、特に周年曲を全曲組み込んだセトリにしてくるのは、この5.5thを1つの到達点にして新たな起点にしようというかのような意気込みを感じます。


 6thツアーの開催も発表され、TVアニメ、新作コミック2本、新作音ゲーアプリ、企業コラボ等々、まだまだ留まるところを知らないシャニマスの勢い。もはやこっちが追い切れるかどうかの方が心配です。

 早くも抽選結果が発表される6th横浜Kアリーナのバルコニー席・SP席。SP席の方は5万円越えのVIPシートとは言え、どちらも超激戦となるはず。果たしてどうなるか……

10/31 両日落ちました。通常席の抽選に賭けます。


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