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シャニマス「我儘なまま」開催に向けて:全曲振り返りと楽曲イメージイラスト考察、セトリ等予想

 先日の5thライブで開催が発表された『283PRODUCTION SOLO PERFORMANCE LIVE 「我儘なまま」』。大型ライブでは3rdツアーで1回しか披露されていない(無観客の283フェスや、他のライブイベントでは一部披露あり)各アイドルのソロ曲、ルカのソロがようやくまた聴ける、そしてSHHisのソロ曲もここで初披露となるだろうと期待が高まっています。
 そこで、各アイドルのソロ曲を改めて振り返り、3rdツアー以降のことも踏まえて今思うことを綴りつつ、公式グッズとなっている各ソロ曲のイメージイラストについても合わせて想いを述べたいと思います。
 各楽曲についての想いは膨大にあるものの、今回は全曲紹介のためポイントを絞って記載していきます。

ライブ全体についての予想

 楽曲について書く前に、前提としてセトリ等に関する予想を立てます。

  1. 両日合わせて1回のみ各キャストが各自のソロ曲を歌唱(各日で出演キャストが全員ソロを歌唱するとなるとday1:20曲、day2:24曲となってしまう。観客側は多い分にはありがたいが、さすがに構成上無理がある)

  2. 七草にちか・緋田美琴の2人のソロ曲が初披露(披露されるのは確実だが、完全初披露かゲーム内実装が先になるかは不明)

  3. 斑鳩ルカの2曲目がサプライズ的に披露される可能性あり(詳細は後述)

  4. SHHis・ルカは両日ともソロ曲を歌唱することも考えられる(283フェスでSHHisが両日出演したように、加入が遅かった分の差を埋めるように構成することはあり得る)

  5. Team.Stella、Luna、Solの3曲を歌唱(ソロ曲と関連づけられる曲で、2ndと3rd以外では披露されていない。にちかがSol・美琴がStella・ルカがLunaに加わった状態での初披露となるのでは)

  6. 全体曲もアンコール前後で2曲くらいはあると思うので、ユニット曲が1曲も無かったとしても、以上の予想から各日ソロ13曲+チーム曲3曲+全体曲2曲(+α)で合計20曲弱

 過去の周年以外のライブの曲数を鑑みるに多くても20曲程度だと考えられるので、上記とほぼ一致します。余程のことが無い限り大外しはしないと思いますが、シャニマスのことだから何かやってくる可能性は……という期待と不安は常にあります。

各ソロ曲について

 それでは本題の各ソロ曲、そしてイメージイラストについて紹介しつつ個人的な想いと感想を綴っていきます。

イルミネーションスターズ

櫻木真乃『ありったけの輝きで』

 スカウトされた時にアイドルになることに躊躇っていた過去の自分も受け入れつつ、踏み出した先には輝く世界と頼れる仲間(と道を示すシャニP)がいる。それを知ったから、「せいいっぱいの輝きで」夢に向かって進んでいける、自分を信じて進んでいこうとするという真乃のアイドルになる前後の心境の変化ともともと持っていた強さを歌った曲。関根瞳さんがシャニマスのキャストで最年少でありながらセンターに立ち続けてきた強さと重なる。3rd東京Day2が突如無観客になってしまい、その日(しかも真乃の誕生日)に初披露となったこの曲をしっかりと歌い切ったところにも強さを見たが、その後のMCで一瞬だけ、そしてこの時だけ見せた涙は今でも忘れられない。現地で聴けたら泣かないわけがない。

 イメージイラストは「雨上がりを待つ窓越し」の手前側に躊躇うように漂う桜の花びら、しかし窓の外には輝く星たちが待っているというような構図になっている。花びらの軌跡がブレることなくしっかりした曲線を描いているのは、躊躇いつつも芯の強さを秘めていることを表しているのかも知れない。


風野灯織『スローモーション』

 灯織が283プロでイルミネの一員として過ごした日々を振り返って、自分の心境の変化や3人の関係を歌ったバラード。「ヒカリを追いかけていた」「トライアングル」など、ユニット曲を想起させる歌詞が灯織のイルミネに対する想いを表しているようで、ソロ曲の中でも特にエモさが群を抜いている。また、しばらくステージパフォーマンスを休止していた近藤玲奈さんが5thで復帰し、今回この曲を歌うと想像しただけで泣ける。

 灯織が夜空を見上げているようなアングルで、「あれはシリウス 冬の夜空のスクリーンにも浮かんだトライアングル」という歌詞をイメージしたイラスト。下側の星がシリウス、冬の大三角とその周辺の星座が描かれている。なお、5thの『イルミネイトコンサート』では近藤さんと関根さんがこの手の形でトライアングルを作っていた。


八宮めぐる『HAREBARE‼』

 めぐるの性格そのままに、真っすぐ応援を届けようという想いを歌った楽曲。「めぐる季節」「かぜの音」「あっと言うまの」と歌詞にイルミネの名前を織り込み、『We can go now!』のメロディと振り付けを取り入れることで、めぐるにとってもイルミネが不可欠な存在であることを感じさせる。また、応援するだけでなく「キミがキミであるコト それだけでいつだって私を助けてる」と、めぐるも励まされているんだということを知れる内容になっている。これらの歌詞に加えて、峯田茉優さんが間奏部分でめぐるとしてプロデューサーに対する感謝などを語ってくれるので、明るいアップテンポな曲なのに泣ける。

 チアガールのユニフォームのようなデザインで「フレフレ!ガンバレ!」という応援を英語でストレートに記載したイラスト。複雑な意匠や捻りがないことによって、真っすぐな性格のめぐるらしさを表しているよう。


アンティーカ

月岡恋鐘『アポイント・シグナル』

 躓いたり上手くいかなかったりしながらでも、落ち込むことなくポジティブに突き進んでいく恋鐘のアイドルへの想いの強さを恋愛と重ねて表現した楽曲。3rdでは礒部花凜さんのステージ上での表現力に驚かされた。

 「月」「岡」「恋」「鐘」の図形と、「どんなルートもアンサー」「最短距離じゃなくてもいい」という歌詞を複雑な線で表している。大きなハート型を中心に配置することで、恋鐘の芯の強さ・メンタルの強さのようなものを感じさせるイメージイラスト。


田中摩美々『誰ソ彼アイデンティティ』

 世間に対し斜に構えたような摩美々の外面とアンティーカに眩しさを感じる内面の裏腹さを、短調をベースに変調・変拍子を駆使して表したテクニカルな楽曲。この難度の高い曲を歌いこなす菅沼千紗さんの技量の高さたるや。その上でスタンドマイクを使って妖艶にジャズボーカルのような雰囲気を表現していた。

 個人的には、今回のイメージイラストの中で最も難解で解釈が定まらない。「茹だる熱さのアカと冷めて沈んだアオ」を幾何学的に、「斜めに引いたライン」を白い点線で描いているということだろうか。自分の中では、「斜めに引いたライン」は摩美々の前髪のことで、俯き気味に前髪の奥から世間を冷笑的に眺めている歌詞だと解釈しているが……。


白瀬咲耶『千夜アリア』

 他の女性を引き立てようとする振る舞いから「王子」的な立ち位置になる咲夜のイメージに合わせ、ロマン派的な叙情を感じさせる曲調と、悲劇的な駆け落ちを連想させる歌詞。中性的で芯があり凛とした八巻アンナさんの歌声を聴くと、シャニマス世界ではアンティーカがかなり人気があり、その中でも咲耶の女性人気は大変なものだろうという実感が沸く。

 「手を取ってしまおう」「行くんだ斜陽の向こうへと」という歌詞を表すコマと、2つの流星の軌跡で「流れ星を追いかけよう」という歌詞を組み合わせたイメージイラストになっているものの、2人の手が分断される構図になっていることでやはり悲劇的な印象を受ける。


三峰結華『プラスチック・アンブレラ』

 プロデューサーとの出会いが雨の日だったことからか雨を想起させる曲調で、普段は明るく振る舞う結華の内面には暗さや複雑さがあることをバラード調に切なく歌い上げる楽曲。4th以降、抜群の身体能力と表現力を見せてきた希水しおさんは本ソロ曲初披露となるため、どのようなパフォーマンスを見せてくれるかにも注目。

 イメージイラストは傘と水面に落ちる雨の波紋を図案化したもの。星座のようなものも描かれているが、特定には至らなかった。結華の星座であるやぎ座ではなさそうだが、大三角を形成しているわけでもなさそう。なら右上の一際輝いている星は一体?


幽谷霧子『雪・月・風・花』

 霧子の持つ空気感と包み込むような優しさを、民族音楽のような曲調と印象的なリズム、バイオリンの凛とした音色、結名美月さんのウィスパーボイスによる歌唱で表現した曲。BPM60程度とかなりのスローテンポで、かつ6小節ベースにサビで4小節が混じる変則構成。霧子の独特のリズムに触れているようで不思議と安心感を覚える。それを霧子の声質で歌い上げる結名さんの表現力は脱帽もの。それにしてもアンティーカのソロはテクニカルな曲が多い。

 3rdで披露されたときに背景に映し出されていた雪の木立を思わせるイメージイラスト。なお3rdでは全ソロ曲の中で順番的に最後となっており、盛り上がりというよりも落ち着きと包み込まれるような安堵感を与えてくれた。


放課後クライマックスガールズ

小宮果穂『ハナマルバッジ』

 大人では見ることができない、小学生の果穂が見ている世界の眩しさを歌詞に見事に落とし込んだ楽曲。豊かな感性と無垢な優しさが歌詞から伝わってくるのと同時に、身長も同じくらいで小学生のような元気溢れる動きと歌声で果穂を表現している河野ひよりさんを見ると、まさにステージ上に果穂がいるかのよう。

 良いところを見つけるのが得意な果穂らしく、目覚まし時計やトースターの働きを評価し、渡り鳥もパトロールをしていると考えて、いろいろなものにハナマルをあげる様子を描いたイラスト。


園田智代子『チョコデート・サンデー』

 高校生らしく日曜日にデートをしているような日常の一コマと心情を切り取って、智代子の等身大の女の子感を表現したアップテンポな曲。「気づかえるけどちょっとワガママ言うよ」「ぜんぶ独り占め!」などの歌詞が今回のライブと重なる。繊細さもありつつ弾むようなピアノソロにも智代子らしさが見えるように感じる。3rdではカメラワークと白石晴香さんの表現力で視線を釘付けにさせられたが、今回はどのようになるか大いに期待。

 サンデーのアイスクリーム部分を太陽に見立て、「食べたらマンデー」「月曜が近いよ」という歌詞を月として並べて描き、さらに丸や星形を加えて天体(そこから飛躍して曜日)をイメージすることで、サンデーのダブルミーニングを表現したイラストになっている。


西城樹里『過純性ブリーチ』

 バスケットボールに打ち込んでいた頃のように、今はアイドル活動に対してがむしゃらに取り組んでいく熱意と同時に、たまには力を抜いて休むことも大事だと考えられる優しさも覗かせる樹里らしさを、スリーピースバンドの演奏にボーカルを乗せて真っすぐに歌った曲。ソフトボールをやっていた永井真里子さんは競技は違えど自分と重なるところがあるのだろうか、身体能力の高さも相まってステージ上では樹里本人に見えるほどの実在性を見せている。

 懸命に走っているイメージを、本人があまり語ろうとしないバスケットボールの図案にするのではなく、「真っ白なスタートへスタンバイ」という歌詞から陸上のトラックで表現したイラスト。しかし交わった複数の曲線がボールのように見えてくるのは、樹里にとっては心残りがあるということを暗喩しているのかもしれない。


杜野凛世『常咲の庭』

 アイマス各ブランドに和風アイドルはいるが、凛世のソロ曲は演歌でも和ロックでもなく雅楽調。丸岡和佳奈さんが語っていたとおり、凛世は283プロのことを「常咲の庭」だと捉えているようであり、その中にあってプロデューサーや他のアイドル達に感じている想いを奥ゆかしく歌った楽曲。3rdでは舞台装置の特殊な使い方をして、「一羽の雛鳥も空をめざす」ように長い階段を登っていく姿が表現されていた。

 藁デューサーの周りを、歌詞にも詠まれている朝顔・タンポポ・水色の桜(芝桜か勿忘草?)・紫陽花が取り囲む構図で、凛世が283プロのアイドルと共にあることを表したイラスト。花が4種類のため放クラのメンバーを表しているのかと思ったが、季節や色など上手く当てはまらない。右下の石のようなものはプロデューサーか?
 あるいは女子寮組の5人……だとすると石はまさか「明るい部屋」に入居する人物?何の関係もないがキリスト教の福音記者ルカは医師だったということを思い出した。


有栖川夏葉『Damascus Cocktail』

 しなやかな強さ、磨き続けてきた己への自信と共に、「1秒前の自分に勝っていたい」と更に上を目指し続ける意志を表明するような歌詞。ラテン的な曲調で大人の色気を表現する、夏葉が憑依したようにすら見える涼本あきほさんのパフォーマンスは3rd・283フェスの時からどのように過去の自分を上回っているかにも期待。

 カクテルグラスに収まらない夏葉の個人カラーの液体と、その周囲に木の葉や宝石を散りばめて煌めきを図案化したようなイラスト。カクテルには不釣り合いなダンベルが入っているのは、夏葉のストイックな面だけではない茶目っ気のようなものを含意しているのだろうか?


アルストロメリア

大崎甘奈『Sweet Memories』

 アイドル的には恋愛の歌詞のようでありながら、実は甜花への純粋で無償の家族愛・姉妹愛を歌ったと考えられる楽曲。コミュで見られる明るく元気な面と違って、幸せを噛み締めるようなしっとりとした歌い方で甘奈の内面を表現した黒木ほの香さんの演技の幅の広さも垣間見える。シャニマス曲で唯一オーケストラと合わせたことのある歌で、壮大というだけでなく物語性を感じるような演奏になっていたのもオケマスならではの効果。

 「ふざけあったり」「ケンカしてみたり」いろいろなこと全てが愛しい記憶だということを形の異なる多数のハート型で表し、そのような記憶が多数刻まれている日記帳として曲名と歌詞を図案化したイラスト。


大崎甜花『また明日』

 自分に自身がないからこそ一歩ずつゆっくりと進んでいこうとする甜花の想いと、ゆっくりだからこそ見える周囲の情景を組み合わせて詠んだ歌詞。前川涼子さんの気怠げな歌い方と力の抜けた振り付けも甜花らしさを見事に表現している。

 夜空を見上げたような構図。簡略化された雲と甜花の象徴でもあるデビ太郎が空に浮かんでいることで、疲れて既に夢うつつのような状態にあることを表したイメージイラストになっている。


桑山千雪『Darling You!』

 283プロの中では年長者だが、少女のような純粋さを持ち続けている千雪の性格や振る舞い、恋愛においては相手に尽くそうとする献身性が伺える歌詞。芝崎典子さんが弾むようでありながら伸びやかに歌う様子によって、千雪自身が相手に尽くしたいからそうしているという嬉しさや楽しさを表現している。

 カラフルな箱にリボンをかけるという歌詞と、そこに千雪を象徴するぬいぐるみのクマを並べて描いたイラスト。「カラフルな箱の中には大好きを詰めよう」の図案をアルストロメリアのユニットカラーで描き、その周囲を千雪の個人カラーである白で囲んでいるのは、ユニットを大切に守っていこうとするような心理を表しているのだろうか。


ストレイライト

芹沢あさひ『星をめざして』

 無邪気で自由で真っ直ぐに好奇心の赴くまま行動するあさひの自分では語ることのない内面を、歌詞を通して知ることのできる楽曲。曲と歌の拍数がズレるような変拍子の部分もあり、田中有紀さんの歌唱技術と共にあさひの自由さに振り回されるような感覚も味わえる。

 「見上げた空に躍るヒカリ」の歌詞から、惑星系と衛星軌道、星が衝突する衝撃波あるいはビッグバンのような放射現象を重ねて描いたイラスト。衛星の数にも何か意味があるのかもしれないが、そこまでは読み取れなかった。


黛冬優子『SOS』

 冬優子ではなく、完全に「ふゆ」としてアイドルらしい恋愛ソングを歌うことで、ゲーム内で見れる二面性の一方だけを見ているシャニマス世界のファンを体感できる楽曲。個人的な印象だが、幸村恵理さんはこの曲の表現を磨くことで、3rd以降ユニット曲でも「ふゆ」感が一層強く表現できるようになったように感じる。

 「ハヤクRescue 『好き』のテレパシーに早く気づいて」という歌詞を、心電図の波形でハートを繋げることで表現した図案になっている。全体的にもハート型になっており、「ふゆ」の指向するアイドル像をストレートに描いたようなイラスト。


和泉愛依『Going my way』

 クールでミステリアスな「アイドルの愛依」のイメージに合わせ、ユニット曲と比べて若干スローテンポで意志の強さを歌った曲。落ちサビで同じフレーズを2回繰り返す部分があり、北原沙弥香さんの絞り出すような歌い方がその意思を更に強調している。
 本来の愛依の姿を歌詞に載せることができないため、ストレイライトの『Wandering Dream Chaser』の歌詞をなぞるように、
 「Going my ray」⇔『Going my way』
 「諦めない、絶対」⇔「絶対譲れない意地があるから」
 「異彩の光で魅せるわ」⇔「光る姿を魅せるよ」
 「新たな世界を拓くよ」⇔「真っ直ぐな気持ちは道を切り拓いて」
と同じ主題を歌詞に詠んでいる。「アイドルの愛依」を通して『WDC』を変換した曲がこの曲なのだ、という印象を持った。

Going_my_way = Mei_Izumi(Wandering_Dream_Chaser)

 イメージイラストもストレイライトのサイバー感に合わせた雰囲気で、デジタルメーターとノイズのような波形。そこに、「決心(こころ)貫くよ」「光る姿を魅せるよ」を意味するような光の軌跡を描いている。


ノクチル

浅倉透『statice』

 「どこかで聞いた懐かしい音」というのは子供の頃に会っていたシャニPの声のことを詠んだのか。その声に導かれるように、明確な理由も無く何ができるかも分からないまま、漠然と何かを求めて走り出すような透の曖昧として漂泊しているような軸の定まらなさ、と同時に純粋で透明にも感じる内面を描いた歌詞。和久井優さんの透明感のある歌声が透の存在とシンクロしており、声から透が見えるようにも錯覚する。

 スターチスの枝が水に沈んでいく様子をシンプルに描いているが、【10個、光】のフェスアイドル画像と同じ構図になっていることは一目瞭然。透の最初のP-SSRと、「気づけば裸足のまま駆け出してた」というアイドルを始めた最初の頃の想いを結び付けたようなイメージイラスト。


樋口円香『夢見鳥』

 勝手にアイドルになってしまった透との対比として、幼馴染の間の空気に感じている安寧と、そこから踏み出すことへの恐れや躊躇い、それとは裏腹にアイドル活動で高鳴る心への戸惑いや心境の変化を歌った楽曲。夕陽・夕焼けを思わせる歌詞、本人かと見紛うほどの土屋李央さんのビジュアルと表情から醸しだされる円香の個人カラー、照明やモニターの演出。全て含めてステージ上が視覚でも聴覚でも赤くなる感覚になる。

 円香の個人カラーである赤、同じ色の椿、そして「重ねた手のひら」の歌詞を描いたイメージイラスト。小さい頃、恐らく円香は透に引っ張りまわされて遊んでいたのだろう、そのような記憶を懐かしむ気持ちを表しているようにも見える。また、現在の透がきっかけとなってアイドルになった状況と重ねているのかも知れない。


福丸小糸『わたしの主人公はわたしだから!』

 ポップでビート感のある曲調に乗せて、小糸がノクチルの他メンバーについていこうと懸命に努力しているさまを自分を主人公に据えて「誰のためでもなく自分のために頑張る」と鼓舞しているような楽曲。田嶌紗蘭さんは収録の際などにあまりの真面目さ故に何かを背負っているようだと思われるそうだが、小糸の真面目さ、自信が持てていないからこそ人の2倍3倍頑張らなくてはという焦燥感にも似た想いに近いものがあるのではないだろうか。

 サインにも描いていたり、【ポシェットの中には】や【おみくじ結びますか】にも登場するウサギを小糸の象徴として、背伸びをしたり転んだりしながらでも走り続けるという歌詞の内容を寓話的に表したイメージイラスト。


市川雛菜『あおぞらサイダー』

 雛菜の考える楽しいこと・やりたいことへ自由に漂うように向かっていくさまを、柔らかい曲調、岡咲美保さんの柔らかい声と歌い方、そして「今日すっごく楽しかった!」という感情がこもったセリフで雛菜らしく表現した楽曲。しかし、明るいだけではなく若干スローテンポでアンニュイな雰囲気のメロディラインになっているところがどことなく儚さも感じさせる。また、曲名に関連して炭酸のはじけるような音が印象的に使われている。

 「シャボン玉一緒に飛ばそう」「あおぞらがサイダーに見えるかな」という歌詞の図案化、そこに雛菜を象徴するユアクマと雛菜がよく髪を結ぶのに使っているリボンを加えて曲全体のイメージを描いたイラストになっている。


シーズ【ソロ曲予想】

 SHHisの2人はソロ曲未発表ですが、イメージイラストから予想される曲を雰囲気程度に考察します。ある意味ではここが本題中の本題です。

七草にちか『』

 赤い点線は美琴の歩んできた軌跡、それを追いかけるために階段を羽根の生えた靴で駆け上がっていこうとするようなにちかの心情を表していると思われるイメージイラスト。
 シャニマス世界におけるにちかのイメージは「自虐ネタと芸人イジリがウケて人気を得ているバラドル」と「美琴とは不釣り合いなほど未熟だが必死についていこうとするSHHisのメンバー」であろう。シャニマスのソロ曲はキャラソンではなく【283プロのアイドルが歌う】という前提で制作されることを考えると、シャニPがプロデュースするなら当然後者のイメージを押し出してくるはず。イメージイラストとも合致する。
 コミュを踏まえると、憧れのアイドル像(=八雲なみ)と追いかける目標(=美琴)に向かって懸命にレッスンを積み重ねていく、というような案外正統派な青春アイドルソングになるのでは?と現時点では予想している。MUGEN BEATで紫月杏朱彩さんが『ヒカリのdestination』を歌唱していたのを見れば、正統派アイドル表現も可能であることは実証済み。ソロはそのイメージが近いのではないだろうか。


緋田美琴『』

 SHHis色の雲から飛び出す美琴色の飛行機。ユニットから解き放たれ自身の持てる能力を全力で発揮できる場を得たとき、人生の全てを「アイドルになる」「アイドルである」ことに捧げてきたような美琴の、にちかだけでなくルカでさえ惹きつけてきたパフォーマンスは一体どのようなものか……。
 恐らくクール系でスピード感のあるダンサブルな曲なのではないかと漠然と想像するが、それはSHHisのイメージに引っ張られているだけかも知れない。まだ明かされていない283プロ加入前のアイドル活動のイメージもあるだろうし、どういうソロ曲になるのか全く想像もできない。山根綺さんの感じるプレッシャーやこのライブに向けて取り組むレッスン量は計り知れない。


斑鳩ルカ

斑鳩ルカ『神様は死んだ、って』

 社会への不満を代弁するような厭世的な歌詞でありながら、それは自己が肯定できないことの裏返しであり、そんな自分が持ち上げられ持て囃されていることで傷ついている心を宗教的な単語を用いて表現した楽曲。初披露時のアイマス史上類を見ないサプライズ演出と、川口莉奈さんの体を借りてルカが顕現したかのような鬼気迫るパフォーマンスには度肝を抜かれた。
 なお、この曲はシャニマス世界的に考えれば283プロの曲ではなく前事務所での曲。また、283プロでは「斑鳩ルカ」というソロユニットとして活動する模様(デレアニの蘭子と同じ感じ)。となれば、『283PRODUCTION SOLO PERFORMANCE LIVE』と銘打っているのを加味すると、Day1では『神様は死んだ、って』、Day2では283プロで制作した曲を披露するというようなことも考えられるのではないだろうか。

 イメージイラストは、イバラの絡みついた心が崩れていくような図案。「イバラの中に落とされた体 絡まって痛くて泣いて裂けて傷だらけ」の歌詞と合致するので、特に新曲を示唆しているようなことは無く『神様は死んだ、って』のイメージだということで間違いないだろう。


最後に

 本記事を書くために改めて各曲を聴き込み、1単語も見落とさないようじっくりと歌詞を読みこみました。そのおかげか、新たな発見や曲に対する解像度が非常に上がった実感があります。シャニマスソロ曲ブートキャンプとでも言うべき時間でした。ただ、専門用語は雰囲気で使っているものもあるので、適切ではない表現になっているところもあるかも知れません。

 できるだけコンパクトにまとめようと思っていましたが、ついつい想いの丈があふれ筆が止まらずに1万字を超える記事になってしまいました。書き上げるのに時間を要するうちに、アソプレ先行の当落結果が出ていましたが、私はDay1当選Day2落選でした。残りのゲーム先行、一般抽選と、どんどん倍率が厳しくなっていくのでDay2現地は絶望的か……もちろん応募はしますが。

 あと3か月もあるのに、今からこんな熱量で本番までにバテないか心配です。


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