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肥満目前のアラフォー男がハーフマラソンでサブ100達成するまで

 私は数年前から健康増進・趣味としてランニングを始め、ハーフマラソンの完走、完走が問題なくできるようになってからはタイム短縮を目標としてランニングを続けています。
 2024年3月24日に開催された「よろこびのまち久喜マラソン大会」で、目標としていたサブ100(100分以内でのゴール)を達成しました。サブ100といえばもはや初心者・初級者とは言えないレベルの市民ランナーと言って過言ではないと思いますが、わずか1年前はギリギリ何とかサブ2(2時間以内でのゴール)できる程度の初級者レベル。更にその1年前はハーフマラソンが完走できるかも怪しい、BMI的には肥満の一歩手前、どこにでもいる中年太り気味一般男性に過ぎませんでした。

 こんな私が一体どのような経過を辿って中級レベルの市民ランナーにまでなったのか。ランニングを始める前の状態、始めようと思ったきっかけ、走り始めてからの意識や目標の変化、練習量と能力の向上などについて順を追って記載していきます。
 最初に言っておきたいのは、ランニングを始めるのも続けるのも決して楽ではないので、気軽に「ランニングを始めてみよう!」などとは言えない、と私は考えています。しかし、ランニングを始めて続ける中で得られるものや見えるものは間違いなくある。そしてそれは人生にとってプラスになると確信しています。


0.ランニング開始前

 まず、ランニングを始める前の状態や運動経験を簡単にご紹介します。具体的には2020年4月頃、約4年前ということになります。

  • 年齢:30代、身長:170cm台前半、体重:72kg前後、体脂肪率:22%前後

  • 運動経験:小学生の頃に剣道(3年間)、水泳(3年間)

  • 中学:バスケ部、高校:帰宅部、大学:軽い運動系のサークル

  • 就職後に運動習慣は無く、たまに登山をする程度

 大学生のときにサークルのメンバーとハーフマラソンの大会に出てギリギリでサブ2くらいだった記憶はありますが、それ以降は社会人になってから特に継続的な運動はしていません。「子供の頃は習い事とか部活もやってたけど、結局どれもモノにはならず普通に進学して普通に就職して日々生活しているだけ」の、まぁどこにでもいる一般男性という感じです。
 この頃のBMIは24.5前後。一般に25を超えると肥満とされており、日によって多少体重が増減するので、タイミングによって肥満の区分に入ったり入らなかったり……というくらいの状態でした。体脂肪率で見ても22%は軽度肥満の範囲です。


1.ランニング開始1年目:黎明期

 ランニングを趣味として始めたのは2020年5月から。この頃に何があったのかというと、早くも記憶から薄れつつありますが新型コロナウイルスの蔓延ですね。5月のGWは都道府県を跨いだ移動の自粛が呼びかけられ、私も旅行などはもちろん帰省すら控えていました。そこで、ランニングでも始めてみようかと思ったのがきっかけとなります。運動で痩せたり体力が付けば病気に対する抵抗力向上や重症化予防の効果もあるだろうという期待も込めて……というわけです。

 とは言え、急に長い距離を走れるわけではありません。最初のうちは2~3km走るだけでも結構苦しみました。特にトレーニングメニューを立てるわけでもなく、適当に週3日くらい、月合計で50kmくらいを目標にしてスローペースでだらだらと走る。それだけのことなのに筋肉痛になるし何か月もしないうちにスネあたりを痛めて走れなくなるし、と散々でした。今となっては信じられないほどの能力の低さです。
 なお、特に食事には気を使っていなかったこともありますが、このくらいの運動量ではダイエット的な効果は表れません。体重も体脂肪率も明確には変化せず。


2.ランニング開始2年目:低迷期

 治療の甲斐あって足の痛みはほぼ無くなり、筋肉痛にもなりにくくなってだんだん走行距離も伸ばしていけるようになった……かと思いきや、2021年頃は仕事上の理由であまり走れなくなってしまいました。業務量の増加による肉体的・精神的疲労、ランニングに割ける時間の減少、精神的疲労による意欲減退、それが慢性化し睡眠や食事にすら支障が生じ始める。終いには人生初のギックリ腰になり、数日間は出勤どころか歩行すらままならない始末。このあたりのことは別記事でも書いています。
 厄年でもないのに踏んだり蹴ったりでした。今でこそこんなこと言えるけど一歩間違えば取り返しがつかなかった可能性もある。


3.ランニング開始3年目:復調期

 いよいよフィジカルもメンタルも限界を感じ始めた頃、2022年4月で部署異動の辞令が。これまでの激務とは比にならないほど負荷が軽減され、体調が回復すると同時にランニングの時間が確保できるようになりました。再び月合計50kmを目標に取り組み始めると、これまでの積み重ねがあったためか同じ距離でも比較的楽に走れるようになっていました。
 このくらいランニングを続けていれば走ることへの抵抗感は無く、楽しくすらなってきつつあります。そこで、10年ぶりくらいにハーフマラソンに出場することにしました(2年ほど実施が見送られていたイベントごとが再開し始めた、という社会的な変化も要因の1つ)。
 レースを目標に練習に取り組むのであれば、それはもはや健康増進やフィットネスではなくトレーニング。ランニング用のスマートウォッチ(Garmin forerunner955)を購入し、ペースや心拍数まで意識して走るようになりました。

 そして実際に出場したハーフマラソンでは、多少余裕も残しつつサブ2で完走。間違いなく大学生の頃より走れるようになっています。不調だった時期もありつつ2年程度でここまでやれるようになったという成功体験と、せっかく買ったスマートウォッチを腐らるのはもったいないという意識から、これからもランニングを続けよう、いや、今度はもっと早く走れるようになろうという目標ができ、モチベーションが一気に向上しました。

 ちなみに、この頃には体重もかなり低下し、67kg程度になっています。ランニング開始前と比較して、2年で約5kgの減量。ダイエット的な観点では十分に成功と言えます。……が、健康診断では中性脂肪や悪玉コレステロールの数値がD判定(要治療)。食事が原因なのか?


4.ランニング開始4年目:覚醒期

 以上のような経緯から、次の目標をサブ100に設定しトレーニングに取り組んでいくことにしたわけですが、

  • モチベーションの向上

  • 基礎体力と心肺能力の向上

  • スマートウォッチのコーチング機能活用

という3点が噛み合ったことにより爆発的に練習量が増えます。月合計の走行距離は150km前後、月によっては200kmを超えることも。
 練習と合わせて、どの大会に出ようかと近場で開催されるレースを調べていたら、「埼玉マラソングランドスラム」というものの存在を知ります。どうせハーフの大会にいくつか出る予定なんだから、せっかくなら今年はこれにも挑戦してみることにしました(後に反省することになります)。

 2023年11月に出場したハーフマラソンを皮切りに、2024年5月までで合計7つのハーフマラソンと2つの10kmレースに出場。その中で、2024年3月にサブ100を達成。レースでの走行距離も計160kmを超え埼玉マラソングランドスラムを達成。
 レースが多すぎて練習量が減るという本末転倒な事態も発生しましたが、サブ100達成は市民ランナーとして一段レベルが上がった感覚があります。

 これだけ走っていれば当然ですが、随分体重が減りました。この頃は63kg前後になっていたので、3年で9kg近く痩せたことになります。体脂肪率も、3年で22%から12%前後まで低下。重量で計算すると、ランニング開始前からの体重減少分はほとんどが脂肪ということになるようです。筋肉量を維持しつつこれだけ痩せたのは健康増進の面でも大成功です。


5.ランニング開始5年目:維持期

 そして本記事執筆中の現在はランニング開始から5年目。サブ100という大目標を達成してしまったためか若干モチベは低下し、練習量的には前年より少なくなっています。
 しかし、新たな楽しみとして「旅ラン」なるものを行うようになりました。何か用事があって旅行した際、現地の街並みや風景を見ながら旅先でランニングをするのです。今のところ大阪と金沢でやってみましたが、多少距離のある観光名所を巡れるという良さ、そして何より地域ごとに街並みに特徴があり違いを感じられるのが楽しい。ランニングが趣味でなければ味わえない楽しさです。
 具体的にどのあたりを走ったかは別記事で書いています。

 もう1点、ランニングを続けてきた成果が。最近の健康診断では全ての項目がA判定。10代の頃からずっと高めだった中性脂肪やコレステロールが正常範囲に収まっているのは、自分にとってはむしろ異常です。維持していかなければ意味はありませんが、少なくとも現在は何ら問題の無い健康体を手にしています。


まとめ

 ということで、ランニングを始めてから早や4年余り。これまでの月間走行距離をグラフにすると以下のとおり。

 距離だけ見れば2023年はかなり頑張っているようですが、実際は苦しかった印象は全く無く、楽しみながら走れた記憶があります。レースで練習とは違う道を走れたこともあり、自分の中ではあまり頑張った感覚はありません。むしろランニング開始から最初の2年間くらいが苦しかった。

 しかし、その苦しい時期を乗り越えて走り続けることでランニングが習慣付けられ、身体的にも精神的にも変化が表れ始めます。
 基本的な健康状態の改善が、健康診断の結果など数値化されて分かる。体脂肪率が12%程度まで低下したことにより、筋トレは特にしていないにも関わらず腹筋が割れ始める。仕事と運動で性質が違うとは言え、負荷に耐える身体と精神の強度が上がる。旅行に行ったときに行動の選択肢が増える。などなど、いいことずくめです。

 悪いことと言えば……ランニングシューズの耐久性は走行距離500km程度と言われており、練習用ならもっと使っても問題は無いのですが、年1~2回は新しいシューズを買う必要があるということ。そのくらいです。
 タイトルに使用した画像は約1,500km使用したASICS MASICSPEED2。さすがにもうボロボロで、レースでもトレーニングでも使いませんが、サブ100に到達するまで頑張ってきた証として非常に愛着があります。

 コロナ禍を期に、街中でジョギングをしている人がにわかに増えたような気がしていましたが、一念発起して始めたはいいがもう続けていないという人も多いのではないでしょうか。何事も継続は力なり、続けることにこそ意味がある。が、始めるより続ける方が何倍も大変です。
 それでも、頑張って続けていればいずれ楽しくなる……という保証はありませんが、無理しすぎて怪我などしない限り間違いなく能力は向上するし、自信にもつながります。もしランニングを始めようと思っているなら、距離とか速さとかよりもまず続けることを最重要視して取り組みましょう。



 ちなみに、ランニング履歴をnoteで記録することでモチベーションを維持できるのではないかと考えて、ランニングに関する月ごとの出来事などを継続的に執筆しています。これだけのことですが案外ランニングを続ける助けになっています。本気で走ろうと思っている方がいればこのようなモチベーション維持の仕方も参考にどうぞ。




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