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僕の一生と家族

産後、冷たくなる妻とよく言われているが、たぶん、里帰り出産なるものの罪だろう。

離れてしまえば、恋しくなるが、離れてしまえば、わかるものも、わかりあえない。

妻は、新婚のころはあんなに、好き好きと言ってくれたのに、今となっては、僕にでかけてほしいらしい。

そんな僕は、もう定年退職した身なので、出掛ける場所なぞ、もうどこにもない。

趣味も返上して、仕事の鬼となって励んだのは、他ならぬ家族のためなんだが、肝心の家族が、冷たい。

妻は、毎日、やれダンスだの、やれ友達とランチだので忙しい。

子供たちは、もう独立して、家に帰ってこない。
結婚どころか、恋人の話すらきかないので、孫の顔もとっくの昔に諦めている。

僕の一生は、なんだったのだろう?

いわゆる流行りの熟年離婚とやらをしてみたら、僕の人生やり直せるのだろうか?

今更、やりたいことなんてない時点で、そんな次元の話ではないと気付いた。

人生とは、愚かなものである。

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