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敵は己〜欧州カタールW杯予選グループI 第4節 ハンガリー🇭🇺 0-4 イングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿〜

普段イングランドプレミアリーグを観戦(クリスタルパレスを全力応援)しているため、スタメン見ただけで「全員知ってる」安心感。ただそれ故に「戦術のサラダボウル」と化しているプレミア勢がどんな化学反応で一つのチームとなるのか楽しみだし、ハンガリーはハンガリーでそれをどう対応すんの?って楽しみ。イングランドから勝ち点を奪うことは2位争いにおいての大きなアドバンテージになる。

え?クリスタルパレスですか?誰も出てません。

ハンガリー🇭🇺

人口:約980万人 首都:ブダペスト
FIFAランキング(21/8/12発表):37位
今大会成績:2勝1分0敗 得失点差+6
一口メモ:古くからフォアグラの生産が盛ん。

スターティングメンバー

交代:
66分 20番R.サライ→7番D.シャロイ
82分 14番ボラ→17番ヴァルガ
        15番クラインヘイスレル→16番ガスダク

イングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿

人口:約5300万人 首都(主要都市):ロンドン
FIFAランキング(21/8/12発表):4位
今大会成績:3勝0分0敗 得失点差+8
一口メモ:イングランドは近代競馬発祥の地。

スターティングメンバー

交代:
84分 7番マウント→19番リンガード
88分 10番ライス→14番ヘンダーソン
        11番グリーリッシュ→17番サカ

ハンガリー 0-4 イングランド
4 シュート 12
1 枠内シュート 8
35% ボール支配率 65%

得点者:55分スターリング、63分ケイン、
69分マグワイア、87分ライス(以上ENG)

イングランドが後半のゴールラッシュでハンガリーを退けた。「ピッチに立つだけでズル」が11人いるのだからそれはそうなのである。グループIは2位争いこそがこの大会だということを印象付けるには十分すぎる、イングランドの圧勝劇だった。

"この試合の"両チームの印象


・ハンガリー

どこかでジャイアントキリングを私は過度に期待してしまったのかもしれない。おそらくハンガリーにあるその意図の割合は私が思っている以上に、良い意味で、少なかった。イングランドを相手に勝ち点1を得るということの難しさ、尊さ。このチームと対峙した際の0と1の距離感を教えてくれた。満員の観客が3を望もうとも、1へのリスペクトが彼らにはあった。

スコアは開いてしまったが、紛れもなくハンガリーはグッドルーザーだった。リスペクトに「しすぎ」などない。己を知らねばリスペクトはできない。己を知ることで相手を知る。強大な相手を恐れる前に己の非力さを恐れるのだ。そこで初めてやるべきことが見えてくる。最大の敵は己への過信なのだから。

ハンガリーのサッカーはここから工夫が進化しそう。明確な格差が見えることで、「ひと刺し」の意味を知ったはず。今後の戦いもそうだが、数年後にまた観てみたいチームだった。

・イングランド

最も印象的だったのは被ファールの形。グループIの他の試合では、守備側が後手を取り、慌ててワチャッと潰しに「行かなくてはならない」ようなところからの被ファールが多かったが、イングランドが圧倒的にボールを持つ展開なだけに、組み立ての途中で詰まった時にボールホルダーが相手に身を預けて「もらいに行く」ことで陣形をリセットし、やり直すことに繋がっていた。高給取りが多いから当然なのだが、アクシデントに遭わない予防策としてのルールの使い方や個人戦術の選択を垣間見た気がした。もちろんプレースタイルの違いはあれど、怪我が少ない選手にはそうしたプレービジョンがあるのかも?なんて思ったりしたので、推しクラブに怪我が気になる選手がいたらそういった目線で向き合うのも一興かもしれない。

かと言って無理をすることが悪いわけではなく、無理をしなければならない何かがあることも見なきゃいけないので、その辺は僕らみたいな社会の歯車的社会人と変わらない視点だよなぁって思ったり思わなかったり思ったり。組織に属するというのは会社もサッカーチームも変わらない。だから僕らはサッカーにシンパシーを感じながら応援しているのかもしれないし、活躍や結果に対して魅力を求めるのかもしれない。ともすれば過度な要求やパワハラみたいなことを言ってしまってるのかもしれないし、結果を求めるならばストレスを軽減しなければパフォーマンスは発揮できないのかもって思ったり思わなかったり、思ったり。

フットボール発祥の地で、労働階級のスポーツとして育った「サッカー」からこうした視点が見えて来るのもまた面白い。文化である。

まぁ普段は「ボールに行ってればOK」みたいなとんでもタックルを許容する国ではあるので知らんけど()

試合観戦記

ハンガリーはこの試合運びで良い。割り切りの中にある焦り。確かに間違っていないのだ。ボールを持たせてサイドに誘導し、中盤で詰まらせて長いボールを促す。じゃあその後は?ってなると勝つなら得点1を念頭に入れなければならないし、じゃあイングランド相手に0で済ませられるのか、と言ったら「耐える」だけではリスクも付き纏うのがサッカーというもの。ひと刺しあるから初めて耐えられることの怖さを相手に突きつけられる。

守備で耐えたハンガリーと攻撃で耐えたイングランドとひと刺しが見えなかったハンガリーとひと刺しあったイングランド。

真ん中に糸口がなく、サイドに誘導されたならサイドで殴ればいいんでしょ?ってそりゃそうだ。工夫がSHとSBの縦のローテーションくらいしかなくたって、上げさせられたクロスに合わせる人材がいれば、ペナルティエリア内で異様な存在感を放つ人材がいれば、それはゴールチャンスになる。いやいや、それができりゃ苦労しないんだって。結果苦労せずに得点を積み重ねるのだけど。

組み立て、崩し、最終局面とわかりやすく仕事ができる選手を取り揃え、それぞれにサポートが可能な真ん中軸の選手がいるイングランドは強い。得点に限りなく近いチームである。それ故に急ぐ必要はなかった。急いでしまえばボールを持つ時間が短くなり、その分ハンガリーにチャンスを与えることとなる。ここで我慢してやり直すことができるのは偉すぎる。
サイドの攻略には1vs1で抜群の勝率がある選手がいないため工夫が必要にはなるが、そこが整理できれば本戦では或いは…という欲が湧くのは私がイングランド贔屓で見ていたからだろうか。

ハンガリーは自分達をわかっているように見えた。マジック・マジャールがあったからこその今を見ているからこその選択で、最大の目標は2位での本戦出場である。イングランド以外のチームとの戦いで見せる彼らのマジックを早く観たい。

それぞれの気になった選手

・ハンガリー

7番 MF シャロイ
唯一、ハンガリーの中で「もっとできた」「何かできた」「やれたかも」と思えた選手。ひと刺しするならば彼だった。サプライズを起こすなら彼の力が必要かもしれない。ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん。欲しいものは奪ってこそバイキング。

・イングランド

9番 FW ハリーケイン
イングランド・トッテナム支部支部長、ゴール生産部部長、ゴール生産工場長、調整役、ペナルティエリア内コーディネーター、ゲームコントローラー保持者、世界良い人ランキングTOP10に選ばれそうな男がイングランドのW杯出場プロジェクトのためプロジェクトリーダーに選ばれました。ストライカーとしては動きすぎなのかもしれないが、こうしたバランサーがいてこそ「戦術のサラダボウル」が立派な料理になる。世界最大級のズルである。

結果と次節

これにより、

ハンガリーが2勝1分1敗得失点差+2で3位
イングランドが4勝0分0敗で1位を突っ走る

こととなった。

次節は、

ハンガリーアルバニアとのアウェイ戦。
イングランドアンドラとのホーム戦となる。

2位に勝ち点1差と迫るアルバニアはハンガリーとの直接対決は是が非でも上回りたいだろうし、アンドラにとってはイングランドをジャイキリすることで勝ち点6に伸ばせば2位が手に届くところに置ける。意地や工夫が相手をどう上回るのか。グループIの2位争いに注目だ。

その他のリーグ、その他の試合に関しては

Windtosh's Cantina

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