新・鹿嶋工廠裁縫部 第三回
ここからは、旧記事にはない新しい製作記事です
文字数制限なのか画像サイズ制限なのかわかんないのですがいくら頑張っても投稿できなかったので……。
第一回のときも言ったのですが コレが投稿できなかったのがアーカイブからnoteに記事を移動しようと思ったキッカケです。
序文はこのへんにしてザクッとやっちゃいましょう。
今回は鹿嶋工廠裁縫部最新作・埴安神袿姫です
使用素材
黄色:アムンゼン
エプロン・頭巾:ストレッチベロア
ポケット:EVAボード・合皮
かきべら:インク切れのガンダムマーカー、アルミテープ、リメイクシート
その他:紐・レース各種、
エポキシパテ、石粉粘土、クリップ等
初出しイベント:東方紅楼夢16(予定
いつか作りたいなぁ~ってぼんやり設計だけしてたんですが、自粛中に手を動かさないと死んでしまうなぁと思ってそれとなく素材集めてたらいつの間にか完成していました。製作期間はそれらも含めて二ヶ月弱くらい。
エア夏コミで初お披露目という体で完成させたのですが、
実際に外でお披露目できるのは恐らく次の紅楼夢が無事に開催されたら、ですかねェ。
今回もまた無茶なフルスクラッチです。
既製品流用箇所はノギスとサンダルくらいしかないので、
すべて上から順番に解説していきましょう。
これから袿姫衣装を作る人に役に立つか、立たねぇかは正直わかんないのですが、よかったらついてきてください。
★頭巾(?)
これはテスト時の写真なんですが……
(※家ではたてやった時についでのテストなのではたてを着ています)
普通に三角巾と解釈して作り始めたのですが、
どんなに大きく裁ってもイメージ通りの形状になりません
大きくしすぎてもただただ後方に垂れちゃうし……
そこで、こいつ実は三角巾ではないのでは?と思い切って解釈を替えて、
このような構造にしてみました※個人見解です
左右をスナップ・ボタンでこのように留めてその輪から髪を出す感じに。
シルエットを重視した方式なので本来の設定とは違うかもです。
頭巾というよりはヴェールのようなイメージかな
★上衣
今回もアムンゼンです。ここまでのアムンゼンの登壇率100%だな。
古墳時代の服装などを見ながら半分参考にしたりしなかったり。
なにかベースになる型紙があったわけではないので
勘と勢いと算数でなんとか合わせています。
逆に聞こう、これなんの型紙が参考になるのだ。
一番細くなる部分の布の幅の合計が自分の体の一番太い部分と同じなら多分着れる。それくらいです。
山吹色部分は一体式のワンピース型としました。僕の衣装の基本コンセプトとして、基本的に自分一人で素早く脱ぎ着ができ、なおかつ全体のシルエットを重視するというスタイルなので、襟は頭がすっぽり出るサイズにしつつ、勾玉が襟元に隠れることがないようにしつつ、すこしエンシェントな雰囲気が出るようにするために、紐を通して巾着のように若干窄められるようにしてあります。
純狐のときのように芯を入れてぴっちり立て襟になっているイメージでもなかったため、こういう解釈としました。
スカート部は趣味で膝上丈。
立体映えするように、パニエを入れたときによく広がる角度になるよう力づくで角度をつけているため、上写真のように平たく置くと
変なしわが寄ります。
まぁエプロンで隠れるし、おなかも紐で縛るのでぜんぜんわかんないんです
ぶっちゃけほんとうにごり押しの力づくで形になっています。
でもそのおかげで立体映えする形状にはなっています。勝てば官軍。
★パテの呼吸 壱の型 勾玉・三連
こういう大きな勾玉は、まぁ……なかなか売っていないです。
売っていたとしてとんでもない高価なやつか、なんか宗教のやつです。
それは流石に手に入れられないなぁと思ったので、
作っちゃいました。
それぞれ
青→ターコイズ(トルコ石)
黄→タイガーアイかトパーズ
赤→赤瑪瑙かルビライト
だと想定して塗装しています。
※個人見解です
材料は模型用のエポキシパテです。
勾玉の形はそれらしく手びねりして、硬化後ドリルとヤスリで穴をあけてやって、ある程度紙やすりで水研ぎしてから
(400→600→1000→2000番くらい?)
8000番のコンパウンドをかけて、どろだんごくらいツヤツヤになるように磨きます。
そしたら硬めのフェルトとかの布でさらに磨いてピッカピカになったら塗装。
泥団子で遊んだことがない人に説明するのが難しいんですが、
炊く前のお米くらいのツヤ感だった粘土みたいな塊の表面が、ガラスとかスマホみたいな感じの光沢になります。
↑これは艦これの時に作ったやつです。斑に見えるところは別のパテで凹みを修正した跡です。
今回作ったモノよりかなりでっかいですが、作業途中写真がコレしかなかったのでご参考までに……。
塗装することが前提なのでさっき折角ピッカピカに磨いた玉の上からザッと塗料を乗せちゃうことになるのですが、やはり塗装する面がどれだけ綺麗に磨かれてるかで塗装後の仕上がりは全然違います
塗装は模型用ラッカー塗料とガンダムマーカーでだいたいなんとかしています。特にルビライト風のメタリックレッドの鈍い光沢とターコイズによくあるマトリクス(黒いヒビ模様)を再現できたのがお気に入りです。
エアブラシがあれば、深い縞模様・美しいグラデーションを持つタイガーアイのような輝きも塗装でうまく表現できたかもなぁ、と思いながらも、今回は筆とマーカーとボカシ塗装でそれっぽく見せたにとどまります。エアブラシを持ってる人ならば、ゴールドの上にダークブラウンを細吹きして(逆かも)、層のようなグラデをかけて上からクリアイエローをキャンディっぽく吹けば結構それっぽい天然石風になると思います。
★エプロン
ポケットは100均のEVAボード(最近はコスプレ用途としてすっかりおなじみに)の上に青緑の合皮を貼り付けてポケット状にしてステープラーで留めて、縫い付けています
袿姫様のエプロンはアシンメトリ(非対称)なので
ポケットの位置から紐の距離感まで掴みどころのない制作でした。
なんせ参考にできるエプロンがまずないですからね。
エプロンの型紙とかいくつか見たけど、当たり前だけどエプロンってほとんど四角だけでできてたんだね。マジに参考にならなかったのだ。
鏡とミシンを行ったり来たりしながら待ち針代わりの安全ピンをざくざくやってちまちまとプロポーションを調整しました。
結果として、肩を通る部分の末端をループ状にして、
結んだ腰布部分を通し、最後にサスペンダー様の紐をクリップで留める、
といった形になっています。
クリップにはさっきポケットで使った合皮を貼っています。クリップはABSなので、Gボンドよりも、両面テープと瞬間接着剤のほうが食いつきがよかったです。
かきべら(後述)、ノギス、ペンチ、ペン、花、紙やすりなどを
それらしくぶっこんでいます。
ノギスはいまんとこ本物のアルミ製なので落としたらまずいし、プラ製のやつを買うかダミーを作るかしておきます。
しかしこのポケット、イベントだと携帯とか名刺も入れとけるのアドだね。
★かきべら
現在二次創作方面では「彫刻刀」と専ら思われていがちですが、
埴輪を造る→粘土細工なのでこれは恐らく「かきべら」と思われます
※個人見解です
とはいえ、金属ビットのついた木の棒を裸で振り回すのは危ないので、インクの切れたガンダムマーカー等にリメイクシート(100均)を巻き付けて、ヘラ部分はペンのフタのフック部分や本来のペン先にアルミテープまきまきで表現しています
とりあえず両手で持つ分だけ作ったのでポケットに入れる分も
もう少し作っておきたいと思います。
取り出さない分はリメイクシート巻いただけの棒の束でもよさそうだな……。
★源氏パイ
スカートや袖にある縄文状?源氏パイ型のパーツは石粉粘土で作りました。
先述のパテでもよかったのですが、スカートの裾が重くなると厭なので
乾燥後軽量になる石粉粘土を採用しました。これもラドールとか本格的な造形用を買っても良かったのですが、100均のものでも十分に造形できる密度だと聞いたので2パック買ってきました。上からMr.カラー(模型用塗料)のタンで塗って仕上げ。 普段は陸戦型ジムとか塗るためのやつです。
ただし、コイツは乾燥後も水で柔らかくなってしまう性質があるため
そのまま接着しちゃうと(溶けるので)洗濯ができなくなります。
そこでマジックテープで取り外し式にすることで解決しました。
いかんせんパーツが手作りで形にムラがあるので、
ティーガー重戦車の転輪のように裏側にパーツ番号を振っています。
マジックテープはある程度面積を稼ぎたかったので、真ん中の空いている部分が目立たないように表に共布を貼っています。
★手足のやつ……
ちょうどいい色の紐を見つけるのに苦労しました。
ロールアウト当初は毛糸を使ってたのですが、絡んで大変なので組み紐を探してきました。特に工夫はなくて巻き巻きしているだけです。
今のところ映してないけど足はビーチサンダルです。
シーズンのうちに買えてよかった。
というわけでこんなもんかな。
最後に自撮りをして一通り解説おわりです。
これを見て袿姫様作ろうかなと思ってくれる人が増えて、なおかつ少しでも鬼形獣レイヤーが増えてくれることを切に願っています。
この自粛中に八千慧&早鬼も作ったのですが
次回は旧三回目の記事からぼく史上一番でかい造形のやつを紹介しちゃいましょ。