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時代が変わり、人種が変わり私の唇は、あの夜、自分史上最高に活躍した

大きな口の小学生

オーディオブックを聞いていて
思い出しました。

私の口の話です。
私は唇が厚く、そして大きいのです。

今でこそ、厚く大きな唇は、
市民権を得ていますが、
私の子供の頃は、小さな薄い口が
良いとされていました。

小学生の頃に流行った口裂け女
私が振り向くと
うわ!口裂け女だ!”とクラスの
いじわる男子達にからかわれて、
悲しくなっていました。

私の母も私とそっくりな大きな口。
悲しむ私に向かって、
”お母さんは、自分の大きな口が大好きよ。
素敵なんだから、気にしないで!”と
慰めてくれていました。

私の時代がやってきた

私が大学生の頃、”今井美樹”大ブーム
がやってきました。
大きな口に真っ赤なリップを塗って
大口で笑う健康的な彼女が私を救ったのです。

私も真っ赤なリップを塗り、
ようやく”口裂け女”から”今井美樹”となった
つもりで”大学デビュー”の私は遊んでいました。

ある夜の事。
スタンディングバーで私と友人はナンパされました。
相手は西洋人。

彼は、英語で言いました。
”君の唇は美しい。
笑うとまるで大きな赤いバラが咲いたようだ!”

というのは頭の中での映画の文句風の
私の直訳。

さて、現在聞いているオーディオブックは、
”私はスカーレット”林真理子著
風と共に去りぬのスカーレット・オハラの話です

55歳の私は、うっとりとあの夜を思い出し
心の中でスカーレット・オハラ風に
まぁ、なんて素敵なささやきなの!”と叫びます。

バブル時代、私はもてる女子ではありませんでした。
あんな素敵な口説かれ方等は、あれきりです。

時代よありがとう。西洋人よありがとう。
人生何が起こるかわかりません。

長女も私と似ている厚い唇です。
彼女は、
”ママ似の唇、気に入っているんだぁ”と
いいます。

まことに良い時代になりました。

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