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陽が短くなったなぁ、もうこんなに暗いよ。

夏至を過ぎてから短くなり続けているのよ、もう2ヶ月以上前から短くなってる。

そっかあ、寂しいなぁ。

あなた夏生まれだものね。

君は寂しくないの?夏が終わっちゃって...

うーん。

 寂しい時は寂しい理由をしっかり見つめるようにしている。寂しいままでいるのが嫌だから。理由をしっかり見つめて、四方八方から眺めて、納得したら寂しくなくなる。

 例えば誰かを亡くしたといった類のどうにもならない喪失が原因の時は、から元気を出さないようにして納得いくまで寂しさを抱き締める。泣く時間を何よりも優先して気が済むまで泣く。泣くことに恥ずかしさなんてない、だって泣けるほど何かを思うということは心底素晴らしいことだから。悔しいことも悲しいことも同じで、感情を中途半端に閉じ込めないようにしている。納得いくまで、理解できるまで、寂しさも悲しさも悔しさも味わうようにしている。ある頃からそれが人生の醍醐味ってやつじゃないかな、と思うようになった。

 過ぎ行く夏は寂しい。でも何度かその寂しさをじっくり味わってみて、わかったことがある。過ぎ行く夏は美しく、その寂しさもまたたまらなく美しい。流れ行く雲に、昨日よりわずかに浅く傾く陽射しに、私は惜しみない愛を注ぐ。

さようなら。でもまた会える気がする。

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