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これからお母さんになるのが不安に思う人へ。

昔、中学の先生から
「オレは子供のころから親父によく殴られてたんだ〜!」
「こんなクソ親父早く死ねって思ってたんだ」
「でも、死ぬとなあ…後悔するぞ、殴っていたのも俺のことを思ってくれてたんだなと今ならわかるよ」
「お前も、親は嫌でもありがたみがわかるから、大事にしろよ!」と言われたことをずっと覚えています。

どう思いますか。
感動したり共感したりされましたでしょうか。

私ずっとモヤモヤしてこの話が忘れられなかったんですよ。
中学生のくせに生意気でしょう?

この時は過干渉な親との距離感に苦しみ始めていた頃でもあったので、どこか納得のいかないまま、反論もできないまま心の奥に引っかかったままでした。

今、先生の話におこたえするとすれば
「親が死んで寂しい、もっと親孝行したかったという気持ちと、死んでほしいと思うほど殴られて嫌だったという子どもの頃の気持ちは独立した別のものじゃないですか?」ということです。

親が子どものためをいくら思っていたとしても、殴ったらダメです。
もっといくらでも子どものために正しいことを伝える方法はあるはずです。

もしかしたらとっさに危険で親が殴ってでも止めなければというときなら…
まあそんなシチュエーション思い浮かばないですが、それでもあるとしても稀なことだと思います。

子供の頃よく殴られるなんていうのは、親に八つ当たりされてたってことなんです。
これを大人になって受け止めるのってすごく傷つくんですよね。

私、これまでに何度か「あれは親が私に八つ当たりしてたんだよな」と気がついて、思い出し傷つきをすることがありました。

そのときに私ができることは、その時の親を許してやることか怒り続けるかです。

私はあの時の親を許してやることにしました。
もう時間が経っていますから怒り続けるのも疲れるし、親に謝らせようとしたって覚えてもいなくて、さらに自分が傷つくことになるだろうなと想像できたからです。
正しいのかどうかはわかりませんが、これで手打ちにしたということで。

親への感謝はあります。もちろん!
それと、親に辛い目にあわされたということはそれぞれ共存すると私は思います。

親はもちろん、子育てでは満点を出せません。自分ではない人が何を求めているのかなんて分かるはずがないですから。

ですが、子どもから恨言を持って許されているかもしれないという反省を持ちながら、私は謙虚に親をやっていくつもりです。
そうでないと、大人になって「殴られてたことも親に感謝するんだ」なんていう意味不明なことを子どもにいう大人になってしまいますから。

子どもへの愛やしつけや育ててやった恩などといって八つ当たりしたり、自分の失敗を子どもにチャラにさせようという気持ちを持つのは、親としておこがましいだろうと私は考えます。

お母さんからご相談をいただいていると、かなりの割合で「自分自身が普通の親に育てられなかった」と言うのです。
普通の親、普通の家庭に育つとはなんなのか…。

ドラマの中くらいにしかない幻なのではないでしょうか。
両親が子どもの前でいつもニコニコ仲良くて、子どもの反抗期に叱ったり悩んだりしながらまたすぐ仲良しに元気に過ごすなんて、普通は!まず無理でしょうね。

親がシングルマザーやシングルファザーだった、
親が多忙で祖父母に育てられた、
親が体調不良や精神が不安定になるなどで保護施設で育った、
親が多忙で鍵っ子だった、
両親が再婚してステップファミリーだった、などは全て普通ではないのでしょうか。
その環境で育つと大人になってから親になるのに支障がでるのでしょうか?

そんなはずないですよね!?
世の中、こんなおかしなことを常識みたいに当然の顔して話す人が多くてびっくりします。

愛されて育っていない人は子どもを愛せない、とかいう意味不明なことばに騙されてはダメですよ、そんな馬鹿馬鹿しいことを信じてはいけません。
そんなことが本当なら、国は滅んでますよ。嘘っぱちです。
みんなちゃんと、どんな人でも愛をあげられます。大丈夫。

お母さんみたいな、子どもを守らないといけないから言い返せない立場の弱い人には意地悪を言っても構わないと考える悪い人がいるのです。
お母さんの正解はないはずなのに、お母さんにばかり責任を取らせようとする無責任な人がたくさんいます。

理想の子育て、理想の家庭を作るなら方法はたくさんあります。
世の中に情報が溢れていますから、やろうと思えばなんとでもなります。

私は、子どもを育てるのは愛ではなく責任感だと思います。
愛も必要でしょうけど、愛だけで毎日子どものうんちを拭いてられませんよね。
大切なのは子どものお尻が被れないようにするという責任感です。
責任感は意識ひとつでどうにでもなるものです。

途中で投げ出さない責任感さえあれば、愛情はだんだんと追いついてくるだろう、という程度で十分だと思います。
優しくするには知識が必要です。
知識さえあれば優しくする方法も優しいお母さんになる方法も学ぶことができます。

私は、産後いろいろ読んだ中では佐々木正美先生の本がいちばん好きでした。もし、子育てに向けて何か本で情報が欲しいというのであれば一度本屋さんで手に取ってみてください。
最新刊はイラストもかわいくてサクッと読めますよ。

自分の親が正解ではありません。でも、間違いでもありません。
自分が育った環境は、間違いでも失敗でも、正しいわけでも特別なわけでもありません。

特別な人と特別な人が、特別な子を産んで育てるんですよね。
それが人間の普通です。

辛くなるときはあるかもしれませんが、新しい自分に出会うことも楽しいですよ。それでも長く子育てが辛いのは環境のせいです。

もし、出産後逃げ出したくなることがあれば、お母さんが悪いのではなく取り巻く環境が合っていないのです。
味方を増やして、どうぞお母さんとしての人生を楽しんでください。

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