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「殺処分」のもとを断つ〜野良猫が多いまち尾道のNPOに支援を

 広島県尾道市の島嶼部、因島に本部を置くNPO法人西日本アニマルアシスト(NAA)が運営する不妊去勢手術専門の動物病院「ストレイキャットクリニック」を見学してきました。

 獣医師は2人いて、見学当日の手術予定は20匹。担当は川崎市の開業獣医師の相澤先生で、月1、2回の頻度で手伝いに駆けつけているそうです。メス猫の不妊手術中でしたが、猫に負担をかけないよう切開部は最小限にとどめ、翌日退院させることも可能といいます。

傷口はできるだけ小さく



 NAAは2021年春、クラウドファンディングで資金を集めてこのクリニックを開業しました。尾道は日本でも有数の野良犬、野良猫の多いまち、しかも私自身が生まれ育ったまちでもあって、私もわずかな金額ですが寄付をしてクリニック立ち上げに協力しました。

 1匹のメス猫は1年で20匹以上の子猫を産むそうです。その数に見合った里親を探すのは困難で、繁殖を制限しない限り飼い主のいない野良猫が増えていきます。

 野良猫は栄養不良や病気、事故で亡くなるものも多く、生き残っても保健所や動物愛護センターに捕獲されて里親が見つからなければ殺処分されてしまいます。

 NAAはこの1年間で猫600匹以上に手術をおこないました。計算上、1万匹以上の野良猫予備軍の誕生を未然に防ぐことができたことになります。譲渡だけでは解決しない殺処分問題に捕獲・収容される猫を減らすというところから挑んで大きな成果を上げているのです。

 広島県では2016年度から2つの動物愛護団体が動物愛護センターに収容され、里親も決まらない犬猫を全頭引き取るという手法で「殺処分ゼロ」を実現しています。

 しかし、動物愛護センターに収容された犬猫を引き出し、殺処分から救ったとしても、野良犬や野良猫の数を減らす、つまり蛇口をしめることには至っていません。

 団体のシェルターで仲間どうしじゃれあったり、人と触れあったりする機会も得られぬまま死んでしまう犬や猫もいることでしょう。

FIP(伝染性腹膜炎)発症後に里親から戻された猫も治療して保護

 「殺処分から救おう」という寄付の呼びかけは訴求力が高く、億単位で寄付金を集める団体もありますが、蛇口が開いたままなので殺処分にも寄付にも終わりがやってこないのです。ムダとは言いませんが、お金はもっと効果のあるところに使ったほうがいいはずです。

 広島県動物愛護センターが目指しているのも実は「収容ゼロ」です。蛇口をしめて捕獲、収容、殺処分される犬猫をゼロにしたいと考えているNAAをみなさんもぜひ応援してください。寄付の方法はコチラを参照ください。

NAAの村上監事、箱崎理事長、倉谷副理事長(左から)




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