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なぜ日経新聞は詐欺被害にあってしまうのだろう?

 私が30 数年過ごした古巣なのですが、残念ながら、緊張感というのか、人材難というのか、このところ何かが欠けている二流の会社になってしまったなあと感じています。

 学生時代から一番好きな新聞だったので本当に悔しい気持ちです。

 私は社員株主として、2017年の株主総会で部長時代にティーシーワークス詐欺事件を見抜けなかった人物を経理担当専務取締役に選任する議案に反対し、グローバル化にふさわしい財務担当を投資銀行からヘッドハントしてはどうか、と発言していました。

 2001年春にその詐欺事件、つまり日経グループが巻き込まれた融通手形事件を偶然発見した私は、本社に調査を求めました。

 しかし、日経の中には、融通手形とは何か知らない人が多くて悲しいくらいでした。

 その時、危ない手形流通を見過ごした上に調査にも及び腰だった当時の連結会計部長を、日経は2年前に事実上のCFOにしてしまったのです。

 経理一筋の彼は今春退任していますが、銀行などでは考えられない甘い人事です。

 2017年からでも、せめて英語の財務資料や契約書類をきちんと読めて、複数の通貨建ての資産負債状況を正確に把握できる人材をCFOに据えておけばよかった、こんな国際詐欺の引っかかることもなかっただろうに、と思います。

 日経は4年前の英フィナンシャルタイムズ買収でも、ポンド暴落直前にわざわざ国際協力銀行から外貨で借りた買収資金を、利払いが安く済むという浅知恵でメガバンクの円建て借入に切り替え、極めて大きな為替リスクを抱え込んでしまいました。

 こんな財務上の不手際、不始末ばかりでは、本当に必要な取材活動への投資ができなくなってしまいます。現に、編集局でも営業部門とタイアップしてお金を稼ぐイベント担当が跋扈しています。

 記事もスポンサーである企業の顔色をうかがいながら忖度し、手加減する姿が容易に想像できます。

 いまは退職して、日経とは無関係ですが、読者としても日経の将来が心配です。

 代表取締役在任が10年以上になる喜多恒雄会長の持論は「人事は時価評価」です。来年春、退任する見込みですが、この調子で行くと彼は役員報酬とともに退職慰労金を返上する必要があるでしょう。

日経米子会社、香港に32億円流出 詐欺被害か:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51583520Q9A031C1SHA000/

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