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大間マグロの謎を解く

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「大間まぐろ」のブランドで知られる青森県大間町でクロマグロ資源管理の実情を調べてみました。
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#大間漁業協同組合

大間マグロ販売業者逮捕~過剰漁獲知りながら放置してTAC(漁獲可能量)制限を強行した水産庁に責任はないのか?

大間マグロ販売業者逮捕~過剰漁獲知りながら放置してTAC(漁獲可能量)制限を強行した水産庁に責任はないのか?

 青森県警は7日、漁業法違反の疑いで青森県大間町の水産物販売会社の経営者2人を逮捕しました。筆者が2022年6月、日刊水産経済新聞の紙面を借りて紹介した静岡市中央卸売市場に「ブリ」などと偽ってこの2人の会社2社がクロマグロを出荷したことが容疑事実の中核をなしています。報告義務を負う漁業者のみならず販売業者もその果たした役割次第で漁業法違反の罪に問われることを示した事件です。

 こうしたヤミ漁獲自

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謎解き「大間まぐろ」①~大間漁協は「福島県産」「太平洋北部産」も扱う

謎解き「大間まぐろ」①~大間漁協は「福島県産」「太平洋北部産」も扱う

 パソコンを開いて、昨年東京都が情報公開した行政文書を引っ張り出してみました。マイクロソフト・エクセル形式のデジタルファイルです。2022年1月と2月に、青森県の大間漁業協同組合が東京都中央卸売市場豊洲市場に出荷したクロマグロに関する情報を記載したものです。

 原産地「日本太平洋沖北部」と記録されたマグロの取引が2022年1月27日に5本、同じく2月4日に4本ありました。大間漁協から豊洲市場に出

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クロマグロ漁獲隠し、青森県警が捜査へ~大間漁協などの出荷データ分析始める

クロマグロ漁獲隠し、青森県警が捜査へ~大間漁協などの出荷データ分析始める

「大間まぐろ」で知られる大間漁業協同組合に23日、青森県警の刑事が訪れました。クロマグロの漁獲報告義務違反での任意の捜査です。漁協所属の漁業者の2021年度分の出荷伝票などの提出を求め、持ち帰ったもようです。

 青森県は19日、大間、奥戸(おこっぺ)、大畑町の3漁協で2021年度の漁獲報告義務違反が60トンあったと県議会で報告し、警察にも情報提供していることを明らかにしていました。県警捜査は同じ

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大間産マグロのヤミ漁獲、2021年度だけで60トン、産地偽装の疑いも~いまなお全容解明ためらう水産庁・青森県

大間産マグロのヤミ漁獲、2021年度だけで60トン、産地偽装の疑いも~いまなお全容解明ためらう水産庁・青森県

下北半島はIUU漁業の巣窟なのか?

 青森県は19日開かれた県議会農林水産常任委員会で大間漁業協同組合など3漁協の管内で2021年度中に合計59.8トンものクロマグロ漁獲が未報告だったと説明しました。ほとんどが「大間産」として出荷、販売されたものとみられます。

 3漁協とは大間町の大間、奥戸(おこっぺ)の各漁協と、むつ市の大畑町漁協で、いずれも下北半島にあります。下北半島がいわゆる違法・無報告

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