産後うつ「こんなはずじゃなかった」を中医学でなんとかする

ママになったあなた。

お疲れ様。

妊娠出産して大仕事を終えたら

「こんなはずじゃなかった」

って思った。

そんな自分の体験も交えて

逃げ恥の新春スペシャルを見ながらこのノートを書いています。

あの人気ドラマ我が家でもみんなハマっていました。

その続編ですから放送前から大評判ですよね。

今回平匡さんとみくりちゃんは結婚していて妊娠、出産、親になります。

妊娠中、つわりで仕事も家事もうまくいかない。

ホルモンバランスの乱れも手伝ってあの明るいみくりちゃんでさえ

しくしく泣いている場面が多かったです。

妊娠出産に伴う不調を「マタニティブルー」と呼びます。

この言葉が出た頃にはまだ世の中は

「生理の時にイライラするあれみたいなやつ」

ぐらいのふんわりした認識だったような気がします。

その後「ポストマタニティブルー」「産後うつ」などと

いう言葉も生まれました。

産後間もないお母さんが子供と無理心中する。

誰が見ても幸せそうな産後の女優さんが自ら命を落とす。

そんなニュースも注目されドラマでも取り上げられるようになりました。

私は3人の子供の母親です。

出産前はどちらかというとバリバリ仕事をしてそんな自分の人生に満足していました。

キャリアと仕事、その上大好きな人と結婚して子供を授かる。

私ってなんて幸せだろうと思っていました。

妊娠8ヶ月まで仕事をしてみんなにおめでとうと言われて寿退社して

私は高揚感の中子供が生まれてくるのを待ちました。

それまでの人生はなんでも自分が頑張ったらうまく行った。

出産だって頑張ったらうまくいく。

そう信じていました。

無痛分娩でスムーズな分娩をして

夢にみた母乳育児です。

母乳育児には大きな憧れがありました。

赤ちゃんにおっぱいをあげているお母さんは幸せの象徴のように思っていました。

出産してすぐは、まだ母乳も出ないし

赤ちゃんは体に栄養を蓄えているので

少しずつ練習して母乳を与えます。

動物の出産シーンは目の見えない赤ちゃんもお母さんに引き寄せられるように近づいていって自然をおっぱいを飲む。

おいしそうにぐんぐん飲む。

それが初めてのおっぱいシーンだと思っていました。

ところが「まだ赤ちゃんはお腹が空いていないんだ」と思ってもなんだか

様子が違います。

赤ちゃんが私の乳首を吸ってくれないのです。

動物だって本能的におっぱいを吸いに行っているのに。

なんだか赤ちゃんに自分を否定されたような気がしました。

そして赤ちゃんの初めてのうんち。

初めてのうんちは私の知ってるうんちとは違ってベタベタしていて

拭き取っても簡単に拭き取れなくて

おまけにうちの子は女の子だったので初めて間近に見る女の赤ちゃんの

おまたの中に入ってしまいそうで私はどんどん不安になってしまいました。

そんな手際の悪い私を見かねて夫がおむつをさっさととりかえてくれました。

夫は10才年下の妹がいて「育児経験」がありなんでも上手にできたのです。

私はなんだか「ダメなお母さんだ」と言われているような気持ちになりました。

それでもおっぱいだけは私しか飲ませることができないとお母さんとしてのプライドを保っていました。

次の日から個室で母子同室。

数時間ごとにおっぱいをあげてみるけどそれはただのおっぱいごっこで私の赤ちゃんはおっぱいを飲んではくれません。

どちらかというと私の胸は大きい方でおっぱいをあげたことのない乳首は小さくて陥没気味だったので赤ちゃんにとってはこの上なく飲みづらいおっぱいだったのだと思います。

「姿勢を良くして」と助産師さんに言われるものの

切開した会陰が痛すぎていい姿勢なんかできない。

本当に泣きたい。実際涙が出ていたと思います。

そんな中姑がお見舞いに来て(今思えば単純な母性本能だとわかるけど)

「あらー、私がおっぱい飲ませたいね」

と言われた時にはそれまで大好きだった姑のことが一瞬で大嫌いになりました。

どれだけ良好な関係を築いていても、やはり産後の妊婦の精神バランスは不安定すぎました。

産院によっては実の親と夫しか面会できないところもありそれはとても理にかなっていると後から思いました。

入院している間は地獄の苦しみでした。子供に一切触らせずガルル…と唸っている獣の気分でした。

おっぱいをあげようと焦れば焦るほど赤ちゃんは嫌がる。

完全母乳という言葉に憧れすぎて

「子供の体重が増えていない。ミルクを少し足しましょう」

という助産師さんの言葉はただただ

「あなたはダメなお母さんです」

としか聞こえなかった。

その後なんとか赤ちゃんもおっぱいを飲んでくれるようになり

私も少しずつ理想の子育てに近づいていったけど

あの時どうしてあんなに悲しかったり

情緒不安定だったのかは今ならわかる。

おっぱいをうまくあげられず

小さすぎる新生児を抱っこしながら

「この子と二人で誰もいないところに行きたい」

とずーっと思っていたのを鮮明に覚えています。

もしかするとずっと体調が改善する事なく

不安も解消されることがなかったら

赤ちゃんを抱いたまま本当に消えてしまおうとするお母さんがいるかもしれない。

中医学を知りそのメカニズムを理解した今なるべくたくさんの人にこの話を知って欲しいと思っています。

これは「血虚」(けっきょ)という症状です。

中医学では人間の体は「血」(けつ)「津液」(水のようなもの)

「気」でできていて血は全身を流れて体の隅々に元気を与えるものとされています。元気の源なのです。

一般的に日本人が知ってる「血液」よりももう少し大きな意味でとらえています。

全身に血液が回らなけれは体のそれぞれの部分がしっかり働くことができない。

もう一つとても大切なことは、「血」が精神に影響するということ。

「血」が足りなくなると精神状態に異常をきたすと考えられています。

自分のお腹の中で別の人間を作り出し10ヶ月も育てる。

「血と肉を分けた」なんていうけど本当にその通り。

出産時も大量の血を失い極め付けはおっぱいです。

あの真っ白いおっぱいは真っ赤な血から作られているのです。

じゃおっぱいを飲ませないほうがいい?

そんなことはありません。

お母さんのおっぱいがどれだけ赤ちゃんにとって素晴らしいものか

それはまた別の機会にお話しするとして、

妊娠出産授乳をしている女性はかなりの血を消耗してしまっているのです。

その状態を血虚と呼び中医学の中でもかなり大切にケアして行かなくてはいけない状態です。

では血虚になるとどのような症状があるか。

いわゆる「貧血」のような

めまい

顔色が悪い

朝起きるのが辛い

冷える

などの症状に加えて

やる気が出ない

不安になる

動悸が激しくなる

眠れない

悪夢を見る

というような症状が出ます。

産後はただでさえ体や精神状態がおかしくなっているのに

ここに「夫が理解してくれない」

「実の親、または義理の親とうまく折り合わない」

とか

「子供の成長に心配がある」

「泣いてばかりいる」

などが加わったらもうそりゃうつにもなりますよ。

昔は21日間水にも触らせなかったんですよ。

ずっと床にいて赤子におっぱいあげるだけだったんですよ。

もちろん今は医療も進んで昔より出産が楽になっているかもしれない。

家事も楽になっているかもしれない。

井戸水じゃなく水道からお湯も出るかもしれないけれど

妊婦の体が家電ほど進化しているとは思えない。

ましてや出産後普通に輸血とかしてくれるわけでもないですからね。

それなのに現在の出産は昔より余計な仕事が多いな。

核家族化でおじいちゃんおぱあちゃんの援助がない。

ネットから余計な情報が入りすぎるから余計な感情が多すぎる。

心配、羨ましいなどいろいろね。

そもそも芸能人の子育てなんて参考になる?

かっこいいインフルーエンサーと同じことなんてできる?

なんかもっと優しく穏やかに過ごして欲しいって心から思います。

長くなったけど今日は産後は「血虚」という状態で

精神的に異常をきたしやすいことは中医学では当たり前で

自分も周りの家族もそれを十分理解して生活をして欲しいって思います。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?