見出し画像

神様が居ない

私には、神様が居ない。

自分を保つので精一杯で、何かに寄りかかる心が持てなかった。自分以外の言葉が響かなかった。響いた気がするのは得意だった。そのくせ自分を神様にすることができなかった。保っているだけだから。

神様が居る人が羨ましい。彼らの人生には濃く色がついていて意味があるように見えた。私の手元には虚空の過去しか残っていないのに君はそんなものを持っているんだな。

私って、なんなの。自分が泣いたことも言葉を紡いだことも意味が無いなんて知りたくなかった。でも知らないで笑い物になるより良かったのかな。生きている意味って、案外手遅れみたいに見つからないものなのかもしれない。

偽物の苦しみ、動いたフリをした感受性、それらを形作った未熟なだけの私。それらが全部憎たらしくて仕方ない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?