自分に自身がない女が子供を産んだ話


私は昔から自分のことが大嫌いでした。

それは自分が一重で太っていて思い描く理想の自分とはまるでかけ離れているからです。

努力して痩せたら、それなりに彼氏もできるようになったけれど、

自分のことを好きになれた瞬間は一度もありませんでした。

それでも、奇跡的に私は自分の好みの顔の男性と結婚しました。

彼は、中性的で、とても整った顔の男性でした。

恋は盲目な所があるかもしれませんが、私にとって彼はとても魅力的で、顔だけで言えばそれはもう百点満点な男性でした。

(もちろん、顔だけじゃないけれど)


そんな私が、めでたく子供を身籠りました。

私は、自分の子供が自分に似ないでほしいと心から願いました。

自分に似て不細工になれば、この子は苦労してしまう。

どうか旦那に似て、整った顔で生まれて欲しい…

それはもう、毎日のように願いました。

お腹にもお願いしました。


しかし、私も祈りも虚しく!

なんと、生まれた我が子は私にそっくりな女の子だったのです。






しかし、自分でも驚きなのだけれど、

私は生まれたその子をとっても可愛いと思いました。

親として思うだけなのかもしれないけれど、とても整った顔に思えました。

そして信じられないことに、もっともっと自分に似て欲しいと思いました。



もしかしたら、私も思ったより可愛いのかもしれない、なんて。

そんな事すら思えるほどに本気で我が子は可愛いかったのです。


我が子はすごく私を必要としてくれて、愛してくれて、とても愛しい存在になりました。

自分に自身がなくてもちゃんと、私は娘のおかげで母親になれたのです。


こんなこともあるよ。大丈夫。


生まれて来てくれたことに感謝です。


ありがとう娘。

世の中のお母さん頑張ろう。




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